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階段話  作者:
3/5

加護の目神社のもう1つの噂

辺りは薄暗くなっていた。

家には寄らず、学校の手提げかばんを持ったまま、拓也と由美は噂の加護の目神社の石段に到着した。

さすが町外れだけあって人影一つない。


「さっ、のぼろ」


由美は着くやいなや、拓也の手を引っ張った。


「そんなに引っ張んなって」


石段は見た感じ、50段近くありそうだ。


「数えながらだよ、せーの1・2・3・4・5・・・」


二人は噂の手順通り、手を繋いで石段を登り始めた。

数を数えるのを由美に任せて、ただ足元を見ながら登っていた拓也は、加護の目神社の、由美が聞いた噂とは違う噂をふと、思い出していた。


昔、縁結びのためにこの神社にやって来たカップルが、ひょんなことで喧嘩になった。頭に血がのぼった男が、女を落ちていた石で殴り殺してしまった。男は逃げようとあわてて石段を駆け降りた。しかし、いくら降りても下にたどり着けなかった。

今も男は石段を降り続けているという。



「・・・39・40・41」


拓也がそんな噂を思い出しているうちに、石段は41段で終わった。

気付けばもう、すっかり夜になっていた。


闇に包まれた境内にぼんやりと古びた社が見えた。


ゾクッ


拓也は突然、どこからか何者かの視線を感じた。それは殺意さえ感じるほど不気味なものだった。

由美の手を離して、バッと、後ろを振り向いた。しかしそこには、今登ってきたばかりの石段しかない。


「どうしたの? 」


由美が首を傾げる。


「い、いや、何でもない」


気のせいだ、気のせいに決まっている。


拓也の心臓の鼓動はどんどん大きくなる。手には汗をぐっしょりかいていた。


「拓也、大丈夫? 顔色、悪いよ」


由美は何も視線を感じなかったのだろうか。


「大丈夫だよ、早くお祈りしようぜ」


拓也の心臓はまだ暴れていた。



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