エピソード① ~あの子の名前なんだっけ?~
自分でいうのもなんですがそこそこ怖いと思います。
これは、ある夏の放課後に起きたとてもとても不思議なことです。この日私は帰りのホームルームが終わり、友達の由衣ちゃんの用事が終わるまで図書室で時間をつぶしていました。
私はこの日初めて図書室に来たので少し緊張していました。適当に本を選び椅子に座って読んでいたら、急に女の子が話しかけてきました。
「ねえ知ってる?最近この図書室で1年生の子がいなくなっちゃったんだって」
不思議なことに話しかけられるまで全く、近づいてくる気配を感じなかったので、正直不気味に感じましたが、緊張していたため、本に集中していて気がつかなかったのかなと思い特に気にしませんでした。
そう考えているうちに、その女の子はまた話し出しました。
「そういえば名前を教えてなかったね。私の名前は✕✕だよ。ところでさ、さっき言った1年生の子がいなくなったっていう話あるじゃん。これについてどう思う?」
私はそんな話聞いたことがなかったのでこう答えました。
「行方不明とかだったらもっとみんな騒いでると思うからただの作り話じゃないかな」
そうしたら女の子は更に話し出しました。
「なんでもね。私が聞いた話によるとその子がいなくなったと気が付いたのは一番仲の良かった幼馴染だけで、それ以外の子はみ~んなその子のことを忘れちゃったんだって。だからその子はこう思ったんだって、きっとお化けがその子の全部を食べちゃったんだ!って」
「それはまあ、現実味のない話だね」
と私は答えました。ちょうどその時
「はなー、用事終わったから帰ろー」
と言う友人の声が聞こえてきました。
そうして私は
「今行くー」
と返事をしました。その時に私はさっきまで話していた✕✕に別れを告げるため✕✕の方を見ましたが✕✕はいつの間にかいなくなっていました。不気味に感じましたが友人を待たせるわけにはいかないのと今すぐにでもこの場を離れたいと思ったため、すぐに由衣のもとに向かいました。
そうしていつも通りの道で帰っているとついさっきのことを思い出し友人に話してみました。
ある程度話した後、友人はたずねてきました。
「その子の名前なんて言うの?」
それに答えようとした時不思議なことを感じました。
あれ?
あの子の名前はなんだっけ?と