第六話 実現に向けて
「さて、この素晴らしい施策の実現に向けて話し合おう」
「そうですわね。しっかり話し合いましょう」
両親とも気合いが入っているな。
「まずは、現在のスラム街の現状を把握することが大事だと思います」
「そうだな。セバス!スラム街へ確認の人員を頼む」
「畏まりました、旦那様。領軍へ話を通して参ります」
セバスが手配の為に執務室を出ていった。
現在のスラム街の人数によって今後の動きも変わってくるからな。
他にも話をしておいた方がいいよな。
「父上、他にも領都の工房や商業ギルド、他領への販売には御用商会へも話をしておいた方がいいかと」
「確かにそうだ。ロン!レン!屋敷の者を連れて各自人を派遣してくれ」
「「畏まりました」」
兄の専属執事のロンと俺の専属執事のレンが出ていった。
これでなんとか話が進みそうだ。
■■■
午後になり、屋敷の応接室に続々と人がやってきた。
広い応接室に父上、母上、兄に俺、執事のセバス、ロン、レンは後ろに控え、紅茶を配膳しているメイドのアンナ。
領軍の将軍であるフィディッター・フォン・ガダルク騎士爵。
騎士団長のポール・フォン・バーン騎士爵。
リンク工房の親方のボナード・リンク。
商業ギルドロンベルク支部長オルゲン・ハーデ。
御用商会であるタタン商会の商会長キサラ・タタン。
冒険者ギルドロンベルク支部長ボンズ・ダンク。
錚々たる顔ぶれが集まった。
「まずは皆、忙しいところ集まってもらい感謝する」
父上からの挨拶から始まり、集まった皆が頭を下げた。
「本日集まってもらったのは、我が次男のテオバルトからの提案に由るものである。
とても有意義かつ、素晴らしい施策の献策があったため、皆にも協力してほしい。
また、意見や提案も遠慮せず言ってくれ。
では、テオよ、皆にも説明してくれ」
「畏まりました、父上」
そして、家族にもした説明を再度集まった人たちへ行った。
「いやはや・・・」
「坊っちゃんからこの様なことを・・・」
「おいおい、マジか!」
「これはなんとも……」
「ほぉ、、、」
「ハッハッハ、こりゃたまげた!」
皆、様々な反応だった。
驚いたり爆笑したりとあったが、全員好意的な視線だった。
「皆よ、何か意見はあるか?」
「「「「「「いえ、何もありません!ぜひやりましょう!!!!!!」」」」」」
全員、即決だった。