第二話 現状把握
家族との朝食を終え、俺は現世のことを把握する為に書庫へと向かう。
「テオ様、本日は書庫へ行かれるのですね」
そんなことを聞いてくるのは、俺の専属執事のレン・ポットだ。
レンはセバスとアンナの次男だ。
年は俺のひとつ上で、青い髪に茶色の瞳をしている。
何でも共有できる親友のようなやつだ。
「そうだな、色々と気になることがあるからな」
話しながら歩いていると書庫に辿り着いた。
「お探しのものはなんですか?」
「まずはこの国のことが書かれているものだな」
「それならば、こちらですね」
そう言って一冊の本を渡してきた。
さすがレンだ、優秀だな。
それはヴェンデ王国について書かれている本だった。
ヴェンデ王国はヴェーデラシア大陸にある大国だ。
人口は約五百万人。
大陸で一番の人口を誇っている。
様々な産業があり、農業、商業、工業などがある。
この世界には魔法も存在していた。
全ての人が魔法を使用することが出来るが、平民の殆どは生活魔法を使うことが出来る。
勿論、攻撃魔法や防御魔法、治癒魔法も身分に限らず使用することが出来る。
ただ、人それぞれ適正はあるみたいだが。
魔法を使うことに特化した人は、魔法士と呼ぶようだ。
戦闘用の魔法を使う人は騎士や兵士になったり、冒険者になる人が多いようだ。
才能のおる魔法士は、宮廷魔法士として王宮に仕えるみたいだな。
この世界には魔物が存在している。
人々の生活を脅かし、人に被害をもたらす存在だ。
様々な魔物がいて、領軍や各領地や町にある冒険者ギルドの冒険者達が討伐している。
魔物は人々に害をもたらすが、逆に恩恵も与えてくれる。
魔物の素材や体内にある魔石は人々の生活を豊かにしてくれる存在だからだ。
「レン、ロンベルク領について書かれている本はあるかい?」
「テオ様、こちらになります」
次に読みたい本を聞いたら、すぐに渡してきた。
レン、ほんとに六歳か?
優秀すぎるぞ。
ロンベルク領は周辺の領地では最大の広さを誇る。
他の領地とも交流が盛んでとても栄えていることが分かる。
前世から考えると、この世界は中世くらいの文明といったところだ。
魔法がある為前世に近い部分もあるが、殆どの生活の文明度は中世くらいだ。
唯一ありがたかったのは、トイレと風呂だ。
トイレも風呂も魔石による魔道具のお陰で前世とほぼ変わらないことが分かって安心した。
ちゃんと五歳までの記憶がある為、トイレと風呂の記憶を思い出した時に思わずガッツポーズをしてしまった。
これで大体の把握は出来たかな。
今度は町に行って、町の様子を見てみたいな。