プロローグ 目覚め
初作品です。
楽しんで読んでいただけたら嬉しいですが、暖かい目で見ていただけたら幸いです。
鳥の鳴き声が聞こえる。
ふと目覚めると、そこは見知らぬ天井だった。
いや、思い返せばよく知っている天井だった。
なんだ、この感覚は。
冷静になって思考の奥に沈んでいく。
そうだ、俺の名前はテオバルト・フォン・ロンベルク。5歳。
ヴェーデラシア大陸にある大国、ヴェンデ王国のロンベルク侯爵の次男だ。
しかし、さっきの感覚は一体なんだったのか。
次第に記憶にない30年分の記憶が頭の中に流れ込んできた。
思い出した。
地球と言う場所で生きた記憶がある。
自分の名前や家族、友人の名前の記憶はないが、30年間生きた記憶があった。
これはおそらく、前世の記憶だ。
前世は病気でなくなったようだが、最後の記憶は「来世があれば人の役に立ち、幸せに長生きしたい」というものだった。
そうか。
そんな最後だったのか。
なぜ前世の記憶があるか分からない。
だが、せっかく前世の記憶があるならば、その記憶も人の役に立つようにすれば前世の自分も嬉しいのではないだろうか。
よし、前世の記憶を活用しながら充実した人生を送ろう。
こうして、前世の記憶を持ち大陸に大きな影響を与える1人の男の物語が始まる。
読んでいただきありがとうございます。
評価して貰えたら励みになります。