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ボンビー男爵令嬢は可愛い妹と弟のために奮闘中!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
第四章

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第七十五話:不審者扱い

 魔術ってすごい!

 だって。

 瞬きする間に移動ができてしまうのだ。


 本当にビックリした。


 なんて思っていたのはそこまで。

 突然、私をお姫様抱っこする令嬢が現れたのだ。

 女性が女性をお姫様だっこする。

 しかも抱き上げているのは、どうみても可愛らしいご令嬢。

 それだけでもビックリなのに。


 ここは宮殿の敷地内。


 そこに突然、現れたのだ。

 しかも現れたのは、騎士団本部の建物の前。

 この時間、普通に大勢の騎士が本部には詰めていたし、警備を担当している騎士がいる。


 あっという間に取り囲まれ……。


 大変だった。


 もう少しいろいろ配慮するべきだった。

 私が誰であるか知っている騎士は多かったので、私が謎の可愛らしい令嬢に拉致されている……と認識されてしまい、ウォーレンが不審者扱いされてしまったのだ。これにも申し訳ない気持ちになる。


「なるほど。この可愛らしい令嬢は、魔術師なのですか」


 怪我の功名なのか、騒ぎになることで、即ジーク団長と会うことが出来た。

 団長はウォーレンを見て、今の一言を発したのだけど……。


「人間の男、わたしのことを令嬢とか言わないでください」


 ウォーレンもおかんむりで、自身の姿を忘れ、ジーク団長に噛みつく。

 ジーク団長は「?」となっている。


 この混乱を収め、本題に入るまで、さらに時間がかかってしまったが。


「何!? キングに効く毒を用意できたのですか!?」


「そうです。こちらの魔術師ウォーレンさんが、今は変装していますが、分類では男であるウォーレンさんが、用意してくれました」


「女装している魔術師が用意してくれたのですね」


「女装ではなく、魔術で女の姿になっているんです!」


「ウォーレンさん、ごめんなさい、私の言い間違いです」


「! 領主様は悪くないですよ」


 ウォーレンは私には従順だが、自身を不審者扱いした騎士、そのトップたるジーク団長には、まだぷんぷん状態が続いていた。


 一方のジーク団長は、ぷんぷんしているウォーレンのことなど気にせず、話を進める。


 そこはさすが騎士団長。ぶれることはない。


「実は聖剣もいくつか届いており、隣の博物館で保管してあります。聖剣と呼ばれるものは、聖女がいた時代の遺物に近い。要するに古いので、扱いは慎重にする必要があります。博物館は気温や湿度などを実は調整しているんですよ。そちらに一旦保管したので、見て見ますか」


「そうですね。見たところで私では、何の判断もできないと思いますが」


 私がそう応じると「ははは。自分が見ても分かりませんよ。でもせっかくここまで来ていただいたので」とジーク団長が言うので「では」と博物館へ向かった。


 古びたレンガ作りの、こぢんまりとした建物の、あの厚みのある木製の扉を開けると……。


 すぐ右手にあの好々爺の姿は……ない。代わりにそこには見習い騎士らしき青年がいて、ジーク団長を見て、姿勢を正す。


 さらに中には複数の正騎士が何名もいて、ジーク団長を見て敬礼し、私とウォーレンを見て会釈してくれる。


 なんだかんだで既に事情を知ったウォーレンは、私について一緒に博物館に来ていた。そのことに対し、ジーク団長も特に何も指摘しない。


 こうして博物館の建物内にある、展示されていない品を保管している部屋に行くと、大きな一枚板のテーブルに、いくつかの剣が並べられている。


 それは、古めかしいものから新しそうなもの、装飾の少ないシンプルなものから派手に宝石があしらわれたものまで、実に様々。


「聖剣って、こんなにも沢山あるのですね」


 思わず私が感嘆の声を上げると。


「領主様、騙されてはいけません。この中に、聖剣はありませんよ」


 ウォーレンの言葉に私は驚き、ジーク団長は……口元に笑みを浮かべている。


「聖剣は、ここへ来る途中の部屋に、一本だけありました。聖女の力を感じるマントのそばの、見た目は古び、宝石なども傷んだ姿に見えていましたが、間違いなく、あれが聖剣です。何しろ剣の精がいましたから」


「剣の精って……?」


「聖剣が聖剣と言われる理由、それはその剣に精霊が宿っているからです。結局、キングを死に至らしめるのは、剣ではなく、剣の精の力です」


 ウォーレンは当たり前のようにそう話すけれど、とんでもない事実を知ったと思う。


「なんでウォーレンさんは、そんなことをご存知なのですか……?」


「それは……自分が精霊に育てられたので……あとは領主様よりうんと長生きしていますから。聖剣が世の中に、もっと沢山あった時代も知っています」


 なるほど……!

 そうだったのね。


「えっと、そうなるとキングは聖剣であれば、どれでも倒せるのかしら?」


「そうですね。余程弱い剣の精でなければ倒せるはずです。でもさっき感じた剣の精は、だいぶくたびれていたような」


「失敬な! 魔術師。本質を見ることを忘れたか」


 驚いて振り返ると、そこにあの守衛の好々爺がいる。


「あ、守衛のお爺さん、こんにちは」

「こんにちは、お嬢さん。また会えましたね」


 好々爺はニコニコとしている。

 すると。


「……ウィリス子爵令嬢、誰と話しているのですか?」


 ジーク団長が不思議そうな表情で尋ねた。

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