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2年次終了で卒業。講師に昇格

【2年次終了で卒業。講師に昇格】


【講師として】


 あらかじめアニエス先生から言われていた通り、

 僕は2年生で卒業することになった。


 卒業にあたって、ちゃんとした成績を出せと言われて、

 僕は2年後期期末テストは主席となった。


『貴方が主席って今更よね』


『ああ。カトリーヌが次席。俺が3位。でも、3年になったら、俺が主席だな』


『あら、なんでよ。私に決まってるじゃない』


『俺はジュノー先生に学ぶからな。カトリーヌをぶちぬくぜ!』


『ジュンの教える科目って前言ってた通り?』


『ああ。古代語と古代ナード語、それから実践魔法講座になるみたいだよ』


『実践魔法講座って?』


『冒険者活動みたいなものだな。野外で実際に魔物とか狩ったりする』


『よっしゃ。俺は密かに冒険者活動もしてたんだ。いま、Dクラスなんだぜ』


『あら、私だってDよ』


『え?いつのまに』


『エレーヌさんと薬草採取してるの』


『薬草採取でDクラスなのかよ。ずるいなー』


 2年で卒業し、そのまま学院の講師になる。

 これは長い歴史を誇る学院でも

 アニエス教授しかいない快挙。

 僕が二人目になるわけだ。


 ◇


 さて、カトリーヌたちは進級し、

 僕は実際に講座を担当することになった。


 古代語はいきなり上級を担当することになった。

 原書の専門書を読む講座で、

 3年生が対象だ。

 これは3年生全員が受講する。

 僕は新任講師なんだし、1年生の授業を担当、

 というのが普通だと思うんだけど。


 そして、古代ナード語。

 これは2・3年生が対象だが、任意だ。


 古代文明の粋が集められていると噂され、

 希望者は多数に及んだ。

 しかし、漢字辞典を見せたら、殆どいなくなった。


 それでも食いついてくるもの。

 僕と鉄の誓約を結ぶことにした。


 受講者は、カトリーヌ、ボンズ、アレシア、アデール、

 ガイル、2年生のロクサーヌ、次席のジュリアーヌだ。


 ロクサーヌは公爵家の娘で僕の親戚にあたる。

 2年の主席らしい。

 ジュリアーヌは伯爵家の娘で次席だ。


『ジュノー先生、お久しぶりです』


 カーテンシーでロクサーヌが挨拶をする。


『10年ぶりぐらいじゃない?』


『私が5歳、先生が6歳のとき以来です』


『よく覚えているよね』


『先生は注目の的でしたから。こうして学院で先生に学べて光栄です』


 うーむ。この子は実に優等生タイプだな。ソツがないや。

 カトリーヌも見習ってもらいたいものだ。


『ちょっと。おかしなこと考えていない?』


 ああ、カトリーヌはこのところやけに

 僕のちょっとしたことを読むのが上手くなった。


『なんでだよ。ロクサーヌは綺麗な挨拶をすると思っただけだよ』


『あのね。私だってこれぐらいはできるの。貴方がガサツなだけよ』


『うーむ、それは否定できないや』


 作法に関しては、エレーヌから厳しく教えられたんだけど、

 ついつい前世の癖で面倒くさくなるんだよな。

 行儀作法とか式典とか、なんであんなに固苦しいんだろ。


『じゃあ、授業を始めようか。この講座は古代ナード語を学習していくのだけど、同時に古代文明の粋に触れていくことになる』


 みんな、目が輝いている。


『君たちの中にはこの成果に触れている人もいるけど、新しい人のために説明するよ』


『アニエス教授と話し合ったんだけど、この講座の目的は将来の古代ナード語の研究者育成も兼ねている。もちろん、学校を卒業したら各自の好きな進路に進むのだけど、その中で僕たちと研究を進めたいという人がでてくることを望んでいる』


『で、古代ナード語を研究した成果の一部がこれだ』


 成果を見せる。

 マジックバッグ。

 魔力測定器。

 魔石集積器。

 転移魔法陣。


『わかるかな?この世界の文明の中心がここにある。これはイキった言葉じゃない。今後、この世界が大変革をもたらすものがここにある』

『僕たちはこの世界を根本から改革していこうと考えている。これらの魔道具を見れば、それが不可能じゃないことはわかるよね?』


『『『コクコク』』』


『だけど、古代ナード語は悪魔的に難しい。だから、君たちの基礎能力を高めようと思う。何不思議なことを言ってると、2年生の二人は思うだろう。でも、3年生にはすでにその成果をもたらしている。そして、それがこの講座の肝なんだ。将来に羽ばたく英才を育てることがね』


 僕は、バナナジュースを配布する。

 食堂改革のお陰で、この程度ではみんな驚かなくなった。


『じゃあ、2年生の二人、自分のステータスを見てご覧』


『え、+20?』


『それが僕のスキルの一つだ。僕の料理には、強化効果がある』


『『!』』


『強化効果だけじゃない。基礎ステータス増加効果と異常耐性強化効果もある』


『今年度は最大100まで強化する。ただし、学年が終わるまでには強化を外す。また来年仕切り直しということさ』


『じゃあ、研究者になって学院に残れば、強化効果を続けてもらえるということですか?』


『そうだ。古代ナード語の研究には超人的な能力が必要になるからね』


『凄すぎます。魔導師軍とか騎士団とか関係ないって感じ』


『おいおい話していくけど、アニエス先生と僕とで王国のあり方を変えつつある。学院の食堂やお菓子屋さんはそれが現れたものだ』

『おそらく、数年以内に少なくとも学園都市及び周辺の村などは大きな変革を迎える。君たちもその現場を目撃し、あるいは当事者となれるよう、各自努力を期待してるよ』



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

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