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学院生の会話

【学院生の会話】


『ねえ、王子様の話ってホントなの?』


『スネーク・スレイヤーの話?貴女、情報が遅いわね』


『だって、イエロー・ボアでしょ?お父様に聞いたけど、A級魔獣、軍隊で討伐する必要があるって。それも3体よ』


『戦闘を見てた人が何人かいるらしいわ。あっという間に退治したらしいよ』


『それに、くねくね動く頭のない蛇の死体も見つかってるしね』


『じゃあ、王子様って、一人で軍隊以上の実力があるってこと?』


『そうなるわね』


『“料理人”じゃなかったの?』


『“料理人”っていう言葉ヅラにだまされちゃダメよ。本当は物凄い祝福だっていうのがもっぱらの噂よ』


『噂だけ?』


『あのね、彼に深く関係する子たちに聞いても、口を閉ざすのよ。なんでも、鉄の誓約をしてるんだって』


『鉄の誓約って。契約魔法よね。ホイホイできるもんじゃないと思うけど』


『それだけ秘匿性の高い内容ってこと。だから想像が交じるんだけど、王子様、4属性の魔法を操るわ』


『4属性を操る?そんなのこの国に何人いるかってレベルじゃない』


『しかも、上級魔法が可能』


『初級魔法でも上級クラス並の威力』


『剣もボンズなみ。つまり、学院2年の最上位』


『頭脳は、アニエス教授と対等にやりあえる』


『ちょっとまって。凄すぎるでしょ』


『だよね。でも、全て実際に観測されてるのよ』


『話聞いていると、2年でもぶっちぎりのトップじゃない』


『何言ってるの。魔導師軍の師団長レベルよ』


『まだ13歳か14歳よね』


『王子様は小さい頃、神の子って二つ名があったんだって。それが復活してるらしいわ』



『私、王子様狙いに切り替えようかしら』


『あれ?ボンズに熱あげてたのに?』


『だって、ボンズってアレシアといい雰囲気だって』


『あのさ、カトリーヌが王子様にしっかり食い込んでいるの知らないの?』


『ええ、カトリーヌが?いつのまに』


『いつの間にも何も、貴女、遅すぎるのよ』


『蛇退治だって、カトリーヌを救うためだしね』


『ああ、白馬の騎士よね』


『あれ以来、カトリーヌは王子様にべったりよ』


『でもさ、彼女、王子様を嫌ってたって噂あるよね』


『貴女、何にも知らないのね。カトリーヌはアニエス教授の大ファン。でも、王子様がいつもアニエス先生を独占している。わかるよね?』


『嫉妬してたってこと?』


『そのとおり。でも、カトリーヌもアニエス先生に認められたとかでルンルンで図書館通いしてるわ』


『だからといって、カトリーヌが王子様狙いになるわけ?』


『カトリーヌが図書館に行った後は、大抵、王子様の家に行くのよ』


『なんと!ふしだらな』


『まあ、王子様のお付きのエレーヌさんに薬師とかの指導を受けてるって話だけど』


『じゃあ、付き合ってるってわけじゃないのね』


『あのさ、彼女の態度がミエミエなのよ。王子様へのね。いつも一緒にいるでしょ?』


『たまたまかも』


『諦めなさい。カトリーヌに勝てるとでも?』


『うん。ムリ』


『カトリーヌだけじゃないのよ。競争相手は』


『そうなの?』


『当たり前でしょ。王子様の実力がはっきりしてきた今、大当たりの物件よ。問題があるとすればお城との関係よね』


『後継者争い?』


『王子様は後継者争いに興味がないらしいけど、あの実力ならどう転んでも頭角を現すでしょ』


『間違いない』


『敵は2年生だけじゃないのよ。学校中の女生徒が敵と思ったほうがいいわ』


『えー、貴女も?』


『私は分を知ってるから。ガイル狙い』


『へー。結構格好いい男の子よね』


『でもさ、現実的には競争率高いのよね』


『そうなの?』


『当たり前でしょ。王子様なんて非現実すぎるし、カトリーヌが相手ですもの。みんな早々に脱落して、次グループ狙いよ。ボンズはアレシア狙い。じゃあ、誰?』


『A組でカッコよくて魔法も剣も優秀で。なるほど。ガイルに行くわけね』


『そう。だから、凄い競争率』


『その逆のことも起こってるけどね』


『逆?』


『A組の女神様。カトリーヌは王子様狙い。泣いてる男の子たくさんいるわよ』


『次の人気はアレシア。彼女は当たりが優しいから、カトリーヌと違った意味で人気があるわ』


『で、彼女はボンズと雰囲気がいいと』


『そうよ。それで今注目なのが、アデールよ』


『でも、アデールって平民の子でしょ?』


『大商人の娘よ。その辺の弱小貴族じゃ相手にならないわ。それに階級が問題になるのなら、階級ロンダリングって手もあるし』


『ああ、どこぞの上級貴族に養子に出すのね』


『そうよ。名誉もお金もたんまり持ったお嬢様の出来上がり』


『彼女もこの1年ですっごいキレイになったわよね』


『元E組の人たち、男子も女子もみんな容姿がよくなったよね』


『あれもさ、王子様のスキルじゃないかって噂よ』


『ええ、王子様どんだけ』


『できないことはないって勢いね』


『ああ、入学式に戻りたい……』


『何言ってるの。貴方、王子様をバカにしてたくせに』


『それ言わないで。昔の私を殴りつけてやりたい』


『でもさ、完璧盛りすぎの王子様には弱点はないのかしら』


『弱点といえるかどうかわからないけど、食べ物には超うるさいらしいよ』


『“料理人”だけあって?』


『あ、それなら私も参戦できそう。私、お料理得意だから!』


『あのね……貴女、学院の食堂よく利用してるでしょ?』


『うん。普通に美味しいよ』


『王子様に言わせると、1mmも食べられないんだって』


『えっ?ちょっとワガママ?偏食?』


『旧E組の子たち、今でも王子様のところで夕食食べてるの知ってる?』


『初めて聞いた』


『貴女って、ホント情弱ね。去年の夏休み、元E組の子達居残り訓練したでしょ?そのとき、王子様が食事の面倒をみたんだって』


『ふむふむ』


『それ以来、E組の子たち、懇願して夕食だけ食べさせてもらっているらしいよ』


『美味しいんだ』


『美味しいどころじゃない。隔絶してるって。寮の食堂とは。寮と貴女の名誉のために伏せるけど、寮の食事は○の○だって』


『じゃあ、何。寮の食事で喜んでいる私は○なみってこと?』


『正解』


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