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大蛇3頭と戦闘2

【大蛇3頭と戦闘2】

 

 まあ、ちょっと腹が立ったから、少し意地悪してみる。


『(おーい、アンガス)』


『(なんだ?我は寝るのに忙しいぞ)』


『(そう、言うなよ。マンゴータルト、1ホールあげるから)』

 

 黒狼アンガスは大抵、僕の家の地中で寝ている。

 たまに魔牛を取ってきてくれて重宝はしてるんだけど。


 で、最近はお菓子方面に興味を持ち始めた。

 というか、スィーツにぞっこんで、

 毎日違った種類のケーキとかを大量に食している。


『(うむ、仕方ないの。そっちにいけばいいんだな?)』


 アンガスは僕と念話ができる。

 相当な距離でも大丈夫だ。

 だって、お祖父様の領と学院との距離でも念話できたから。

 1500km程度離れているのにね。


 僕と念話できる距離なら、

 僕の影に転移できることもわかった。

 さすが、森の一角にしろ地域ボスだけのことはある。



『キャー!』


 アンガスが姿を表して驚くカトリーヌ。

 迎撃しようとしたので、僕がキャンセル魔法で

 発動を止める。


『?貴方、何したの?』


『落ち着け、カトリーヌ。彼は僕の仲間みたいなもんだ』


『何を言っておる。仲間そのものではないか』


『え!しゃべった!』


『アンガス、彼女をのせて学院のそばまで戻ってくれよ』


『我を馬車のかわりに使うのか?』


『バナナシェイクつけるから』


『そうか。大盛りな』


『ちょっと待って!私、黒狼なんかに乗れないわ!怖すぎる!』


『何、言ってるんだよ。毒液吐かれて、回復薬で治したとはいえ、絶対安静状態だぞ』


『嫌よ!絶対!』


『じゃあ、僕がお姫様だっこで運ぶか?』


『セクハラ!スケベ!』


『まあよい。この娘を運べばいいのだな?』


『ギャー!』


 いささか可愛くない濁音の悲鳴をあげるカトリーヌ。

 そりゃ、アンガスが彼女をくわえて背中にのせたから。

 無理やり。


 アンガスには僕ものせてもらう。

 彼女を支えなくちゃいけないし。

 カトリーヌはジタバタしていたが、

 すぐに大人しくなった。

 どうやら、果てたらしい。


『なるべく上下動しないようにな。いくぞ!』


『まかせろ。氷の上を滑るかのように走ってやるわ』


 出発点近くまでだいたい10kmちょっと。

 アンガスはその距離を数分で走破した。


 ◇


『ありがとう。これ、お礼ね』


 僕は1ホールのマンゴータルトと大盛りバナナシェイクを

 アンガスに渡した。

 アンガスは1口でそれらを飲み込みと、


『うむ。良きに計らえ』


 などと意味不明な言葉を発して地中に消えていった。

 もう少し、味わって欲しいな。



 一方、カトリーヌというと、目を回して半分気絶していた。

 少し粗相をしているのは見なかったことにする。


 僕は先生に理由を話して、彼女を渡した。


『なんと、イエローボアがこの森に出現したと?』


『一応、退治しました。3頭』


『3頭?嘘をつくな。とにかく、演習は即刻中止だ!』


 大騒ぎになった。

 当然か。


 ただ、僕の活躍を見たクラスメイトは何人かいたようで、

 2頭のボアの首なし死体とバラバラの残骸が発見された。


 それからは僕にはスネーク・スレイヤーのあだ名がついた。



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

励みになりますm(_ _)m

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