表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/122

炭酸水の開発

【炭酸水の開発】


 各種温泉には転移魔法陣を設置した。

 だから、日常的に温泉巡りをしている。


『温泉って、肌がキレイになりますね』


 お風呂にはTシャツ短パン姿で入浴する。

 入る前には清淨魔道具でサラッと体をキレイにする。

 これは、回復魔法持ちのエレーヌとの共同開発だ。


 温度調節は水(温水)魔法で行う。

 濡れた体は風魔法による温風で乾かす。

 時間はさほどかからない。


『肩こりとかも直りますし、大自然の中で温泉につかるのは気分爽快ですな』


 一応、学園の拠点にもお風呂がある。

 温泉を汲んでマジックバッグに入れれば、

 即席温泉に早変わりするのだが、

 露天風呂の野趣にはかなわない。


『ワフ』


 なぜだか、アンガスもついてくる。


 最初は体が濡れるのを嫌がったのだが、

 お風呂につかると気持ちよさに目覚め、

 体調の良くなることを理解してからは、

 毎日のように入浴するようになった。


 ただ、彼は体が汚れない。

 清淨魔法持ちというわけではないのだが、

 そういう体質なのだという。


 その彼も、石鹸とリンスの良さはすぐに理解した。

 今では、石鹸・リンスも器用に使いこなしている。

 正直、野性味がかけらもなくなっている。


 ただし、リンスのレモンの香りは瞬時に消え去る。

 敵に気づかれてしまうから、

 意識的にニオイのするものは消してしまうのだという。


 ◇


 さて、お風呂から上がれば炭酸飲料で締める。

 これがルーティンになった。

 炭酸は炭酸泉から汲んだものだ。


 だけど、この炭酸泉、純粋な炭酸ではない。

 少し苦味と塩味を感じる。

 だから、僕は炭酸泉から二酸化炭素だけを

 取り出すことにした。



 取り出す方法は簡単だ。

 炭酸を熱するだけ。

 それも、お風呂よりも少し熱い程度で十分。


 発生した二酸化炭素を集めて、高圧をかける。

 理科の実験みたいだ。

 すると、液体になる。

 この液体を急に空気中にさらすと固体になる。

 これがドライアイスだ。



 二酸化炭素はエール醸造時にも発生する。

 また、重曹を温めても二酸化炭素が発生する。


 逆に二酸化炭素を水に溶かすには、

 水温の低い水に圧力を加えれば良い。


 この一連の流れを魔道具化した。

 ドライアイスを作る魔道具と

 炭酸水を作る魔道具だ。


 なお、重曹水にレモン果汁を混ぜても炭酸水はできる。

 しかし、この炭酸水は塩味が残る。


 ◇


 僕はみんなが簡単に楽しめるように、

 炭酸飲料サーバーを作った。

 ファストフードやファミレスなんかにおいてある、

 レバーを押すとシュバーってドリンクが出てくるやつだ。


 マジックバッグを応用しているので、

 このサーバー内の液体は劣化しない。


『お坊ちゃま、左からレモン味、リンゴ味、オレンジ味、ブドウ味、ラズベリー味、ブルーベリー味ですか』


『それと、アイスキューブ。別の味が欲しかったらいつでも言ってね』


『ワフ』


 アンガスも器用に器械を操ってドリンクを飲んでいる。


『市場には南の島産の果実が並んでますね』


『ああ、あれ値段が高いから今は量は作れないけど、そのうち南の島に行ってみようか』


『そうですね!私は今のままでも十分満足してますけど、南の島の果実には珍しくて美味しいものが多いそうですね』


『果物の王様とか女王様とか呼ばれてるものがあるらしいよ』


『そんなこと言われると、すぐに行きたくなるじゃないですか』


『この街の市場にも出回ることがあるらしいけど、新鮮じゃないし、高いからね』


『坊っちゃん、そういえばチョコレートの実があるかも、とか言ってませんでしたか』


『ああ、あるかどうかまだわからないんだけど、チョコレートはお菓子の王様さ。手放せなくなるよ』


『これ以上美味しいお菓子があるんですか?』


『ショートケーキを越えるよ』


『ええ?』


『そう思って市場とか見てるんだけど。見つけたら、即探しに行こうよ』


『ああ、私たちも気をつけておきますね。どんな形してるんですか?』


『楕円状のたぶん茶色っぽい実なんだけど。大きさは20~30cmぐらい?』



 なお、一連の魔道具は

 エールを作っているドワーフの里にも紹介しておいた。

 つまり、ドライアイス製造機と炭酸水製造機、

 ドリンクサーバーだ。


『いつもすまんな』


『いいよ、そのかわりオススメのができたら教えてね』


『おうよ。俺たちのは最新のものが最高だぜ!』



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

励みになりますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ