学年(後期)末テスト
【学年(後期)末テスト】
魔法高等学院は、前期後期制だ。
9月末と2月下旬に期末テストを行う。
後期期末テストは、そのまま次の学年のクラス分けに影響する。
単純に成績順に振り分けられるのだ。
生徒は必死である。
E組の生徒はどうなったか。
前期期末テストを上回る成績を上げたのだ。
20位以内
1位 カトリーヌ
2位 ボンズ
3位 アレシア
4位 アデール
5位 ガイル
……
10位 ジュノー
あと、E組が6人。
20位以内の半数をE組が占拠。
21~40位
E組が半数の10人を占める。
つまり、E組20人の生徒は、
全員が40位以内に潜り込んだのだ。
なお、期末テストの少し前に、
前期同様、クラス別対抗戦が行われた。
圧勝はジュノー組。
前期と同じ、僕、アレシア、アデール、ガイルである。
前期ではもたついたA組カトリーヌ組に対しても、
僕が魔力を強みにかけたため、開始数秒で終了した。
圧勝である。
僕はこの結果を受けて、
クラスメイトたちの強化効果を調整した。
当初、付与効果+20⇒+50⇒+100と上げたが、
後期途中から+70に下げ、
2年生になったら+50に下げるつもりだ。
そして、3年生になったら+20。
卒業後を見据えての決定である。
彼らは独り立ちする必要があるからだ。
僕の料理付与効果は、一時的なものだけではない。
基礎ステータスも努力に応じて上昇していく。
この年代の子供は成長が早く、出色の勢いで成長する。
氏 名 アレシア・ベルネット
年 齢 13 性 別 F 種 族 人族
祝 福 聖魔導師
ステータス
○筋力 81⇒153(+50)
○体力 103⇒175(+50)
○速度 105⇒168(+50)
○知力 179⇒256(+50)
○精神 192⇒259(+50)
○意思 106⇒170(+50)
スキル 弓、中級水魔法、回復魔法
特 記 料理エンチャント
基礎ステータス左が1年の1学期⇒現在(後期末)。
軒並み70前後上昇している。
この年代は基礎ステータスが伸びやすいが、
それでも1年で10~20程度だ。
ちなみに、大人の平均はだいたい120前後になる。
アリシアは王国でも素でかなり優秀な部類に入っている。
【成績優秀者】
ここで、成績優秀者1位・2位を軽く紹介しておく。
カトリーヌ
伯爵家長女 学年トップ
伯爵家は有名な魔法一家。
父親は王国魔導師軍の軍団長。
プライドが高いがフレンドリーでもある。
ボンズ
男爵家三男
こちらはむしろ剣技で有名。
父親は王国騎士団の副団長。
さっぱりしたタイプ。
期末テストの結果を受けて、
E組への侮蔑は完全になくなった。
『でもさ、A組のカトリーヌ。何故か、僕に敵意がある気がするんだけど』
『そう?私達とは仲いいよ』
『ジュンの魔法に気づいて対抗意識があるのかね?』
『ジュンが手を抜いているのが気に入らないとか』
後日わかったのだけど、
カトリーヌはアニエス先生のファンである。
僕が先生と仲がいいのが許せないのだ。
『ジュンは相変わらず能力を隠そうとするのね』
『えへへ』
『えへへ、じゃないよ。もうさ、周りにはバレバレだっての』
『え、そうなの?』
『もうね、かえって嫌味よ』
『いや、周りに合わせるのもなかなか大変なんだけど』
『そこ。上から目線って感じよ』
『感じ悪いよね。カトリーヌの気持ちわかるかも』
『そこまでいう?』
『力を隠したいっていうのはわかるけどね。今なら力を隠しているってだけで、本当の実力はわかんないもんね』
『そうそう。そこが大事』
『でもさ、E組は20人全員がベスト40。ていうことは、E組以外は20人。E組全員がAクラスレベルと言ってもいいんじゃない?』
『ああ、そういえるかも』
『凄いよね、“料理人”の育成力』
『うん。僕もそれが“料理人”の真骨頂だと思う』
ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。
励みになりますm(_ _)m