石鹸・精油・リンス2 疲れた……
【石鹸・精油・リンス2 疲れた……】
石鹸・精油・リンスについては、混乱が続いている。
文句を言う人、要望をねじ込んでくる人が続出。
それだけじゃない。
石鹸の作り方を暴こうとする輩もいて、
その度に、スパイを森に捨てにいかなくちゃいけない。
非常にしつこい商会がいて、
何度注意をしてもなめてかかってくるばかりか、
とうとうエレーヌ誘拐事件を起こした。
エレーヌは強者である。
速攻で襲撃者を返り討ち。
僕たちはこれで強硬策に出た。
商会を潰すことにしたのだ。
ロベルトがその商会を調べて、闇証拠をゲット。
ロベルトは探査スキルもある。気配操作もできる。
忍者のように内密に忍び込んで、
いろいろ調べることなど簡単なのだ。
これでその商会を告発。
商会長以下幹部は炭鉱奴隷として炭鉱送りとなった。
おそらく、一生陽の目を見ないであろう。
◇
このような明らかな犯罪にならない人たちもいる。
近所のクレクレオバサンたちだ。
一度甘い汁を知ってしまった人たちが
しつこくクレクレを繰り返し、
断られ続けると、陰口を盛大にし始めた。
『お坊ちゃま、半分ノイローゼです』
エレーヌが参り始めている。
実は、大分前から近所の人たちの一部に変なのがいる、
というのには気づいていた。
それが僕の悪口ならば気にならない。
気にならないわけではないが、極力気にしない。
しかし、エレーヌやロベルトについて、
ちょっと口に出せないような悪口を言いまくっている
オバサンが何人かいるのには腹が立った。
これは、エレーヌへの嫉妬も含まれているみたいだ。
ロベルトにラブな奥さんが何人かいる。
『ロベルト、取締の時間だよ』
ロベルトはこの学院に来て以来、
スパイスキルがかなり上がっている。
もともと、探査スキル、気配操作スキルがある。
そこに、新たな魔道具であるカメラ、録音機を手にした。
さらに、開発を続けてきたビデオ機もゲットした。
『了解です。私も腹に据えかねていました』
簡単に悪事は証拠付きで集まった。
住居不法侵入。泥棒。万引き。浮気。
勿論、悪口の現場録音はバッチリだ。
旦那にも問題があれば、
旦那と対立する陣営にこっそりと情報を教えてあげた。
周囲の人達にも情報を共有してもらう。
しばらくすると、3夫婦が離婚。
2家庭が没落、借地を退去していった。
『貴族とか富裕層とか、真っ黒なの多いですね』
エレーヌが呆れたようにこの顛末を見ていた。
『僕も驚いたよ。清廉潔白な人のほうが少ないよね』
別に聖人君主を求めているわけじゃない。
でも、この学院の関係者には酷い人が多い。
ただ、僕に悪さをすると倍返しで跳ね返ってくる、
という噂も流れ始めている。
まあ、事実だけどね。
その御蔭で、すっきりした毎日がすごせるようになった。
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