とある1年生たちの会話2
【とある1年生たちの会話2】
『あー、大ショック!』
『私も。夏休み遊び過ぎてた』
『夏休み明けにテストって絶対わざとよね』
『そうよ。夏休みに勉強とかするわけないじゃん』
『でもさ、E組の子たち、全員帰らなかったらしいよ』
『うそ、訓練とかしてたの?』
『毎日、ヘトヘトだったらしいよ』
『期末テスト、大躍進だもんね』
『だよね、全員50位以内だし』
『アレシアなんて、学年3位よ』
『めちゃまずい。私、このままだとドベクラスになる』
『私も。だから、E組の子を真似ることにした』
『真似って、朝走ったり?』
『そう。あと、夜は魔法を枯渇させる訓練』
『あれさ、苦しすぎるのよ』
『置いてかれるよ?』
『そうよね。ここで頑張らないと、2年になったら学院のお荷物とか言われるのよね』
『そうよ。今まで私達がE組を散々バカにしてたこと。それがそのままリターンしてくるのよ』
『やばすぎる』
『でも、それだけで本当に実力が向上するの?』
『E組の子に聞いても教えてくれないのよ。なんでも、契約魔法で口止めされてるんだって』
『えー、そこまで?』
『今はさ、王子様の家の地下訓練所で特訓してるんだって』
『ていうことは、やっぱりロベルトさんの指導?』
『私もそう思う。朝のランニングだって、めちゃくちゃ速いし』
『でもさ、A組での評判なんだけど、意外に王子様の実力が凄いって』
『えー?クラス対抗戦でも目立たなかったよね?』
『それがさ、目立たたないところでなんかいろいろな技を繰り出してるみたいなのよ』
『ああ、それ先生も話題にしてるの聞いたことある。ひょっとしたら、先生たちよりも実力が上かもしれない、って話よ』
『まさか。期末テストでも10位、目立つ成績じゃないわよ』
『わざと実力を隠しているんじゃないかって』
『なんでそんなことするのよ』
『わかんないけど、ほら、王室って後継者争いの話、聞いたことない?』
『噂だけなら。次男が先頭をきってるんでしょ、後継者レース』
『そうなんだけど、妙に次男陣営が5男を警戒してるらしいよ』
『5男王子様って、神童、神の子とも呼ばれたことがあるらしいよね』
『えー、まさか実力を敵に知らせたくないからってこと?』
『あなた、頭周るわね。そういう噂も出てるわ』
『“料理人”なのに?』
『“料理人”というのは横に置いておいたほうがいいかも。E組の子たち、王子様を崇めてる感じよ』
『はー、そんなに』
『期末テストの結果も大問題なんだけど、もうひとつ大問題があるわ。E組の子たち、急にキレイになってきたよね』
『そうそう。みんな痩せてきたし、肌がキレイなのよ』
『痩せてきたのはトレーニングの結果だとしても、肌がキレイになるのはなぜ?』
『わかんないけど、特にアレシアの変貌ぶりが話題よね』
『男子の間では、アレシアの人気が急上昇だって』
『ああ、わかる。綺麗さではカトリーヌがダントツだけど、キレイすぎるっていうか、勉強もできるし家柄もいいし、スーパーすぎるもんね』
『高嶺の花すぎるからね。でもさ、アレシアって隣国の子なんでしょ?噂によると結構階級が上らしいよ』
『なんで、この学院にきてるの?隣国にも有名な学校あるよね』
『留学して箔をつけたいとか』
『箔がつくもんなの?』
『わかんない』
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