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班員の変化

【班員の変化】


 訓練を開始して一ヶ月後。

 班員には劇的な変化が訪れた。


 まず、肌の荒れが解消されつつあった。

 まだ、完全ではないが、

 以前と比べると格段に肌がキレイになった。


 この世界の食べ物は体の良くないものが多い。

 特に肉系は体に悪い。

 半分腐敗している肉を食べて体が元気なはずがない。


 それと、やはり僕特製の新鮮な果物ジュースは健康にいい。

 糖分が若干多いかもしれないが、

 むしろ訓練で負荷を与えた体には適度な養分となるし、

 なによりもビタミン・ミネラルが豊富だ。

 プラス“料理人”効果が加わる。


 “料理人”効果は、ステータス付加効果だけではない。

 健康的な効果も与えるのだ。



 第2に、段々と痩せてきた。

 体重的なことを言うと、

 アレシアとアデールは身長が160cm、

 体重は80kgぐらいあったのが、

 60kgぐらいにまで落ちてきた。

 おそらく、夏前には50kg程度にまで落ちるだろう。


 落ちてきてわかるのだが、二人共、かなりの美人だ。

 この世界は、美形は金持ちや貴族に偏る。

 美形を尊ぶ風情があるし、特に貴族は見栄えを重視する。


 ただし、ルックスについては、2つの見方がある。

 肥満を良しとする見方と痩身を良しとする見方だ。


 この世界は飢えている人が多い。

 明らかに食料不足なのだ。

 痩せている=貧乏人という公式はある。

 逆を言えば、肥満=裕福ということになるので、

 肥満を尊ぶ人は多い。


 もう一つは、特に軍人や魔導師。

 しっかり訓練をしていれば、太ることはない。

 太っている=怠けている

 ということなので、そっち方面では軽く見られる。


 貧乏人との差異は、規律・姿勢の正しさや服の上等さで、

 一目でわかる。

 僕たち三人が痩身でボロを着ていても

 貴族階級に見られるのは、

 立ち居振る舞いに教育・教養が溢れているからだ。



『君たち、えらく雰囲気が変わったね』


『ふふふ、そうでしょ。みんな褒めてくれて嬉しい』


『そりゃ、驚くよ。まるで別人だもんね』


『このまえ家に帰ったら、私の店の両親とか使用人も、どちら様ですか、だって』


『ガイルは体型はあまり変わらないけど、なんだか引き締まった感じがする』


『そうかな?』


『顔つきも精悍になったわよ』


『そういや、俺は剣が-とか入学の時に吠えてたよね』


『頼む!それ言わないでくれ!俺の黒歴史』


『無理して入学させられたのか?』


『親が魔法学院へ行けってうるさくて。俺は剣のほうが好きなのに』


『でも、今は同等程度の実力はあるよな』


『ああ。こんなに俺に魔法の才能があったなんて今でも信じられない』


 彼らは、当初攻撃魔法を発動しても距離は20mぐらい。

 今では、30mぐらいにまで伸びているし、

 命中率も格段に向上している。



『みんな頑張ったから、もう一つランクを上げるね』


 僕がマジックバッグから取り出したのは、

 ハンバーガーだ。

 トマトとレタス野菜マシマシの一品だ。


『これは僕のとっておきその1だよ』


『うわっ、肉汁が!』


『凄いジューシー!』


『お肉が臭くない』


『味に深みがある』


『野菜が口にサッパリ感を与えてくれるのね』


『じゃ、ステータスは……プラス100!』


『凄いわね。私のステータス、倍近くになってるのもある』


 例えば、アレシアの場合。


  氏 名 アレシア・ベルネット

  年 齢 12 性 別 F  種 族 人族

  祝 福 聖魔導師

  ステータス

  ○筋力  81(+100)

  ○体力 103(+100)

  ○速度 105(+100)

  ○知力 179(+100)

  ○精神 192(+100)

  ○意思 106(+100)

  スキル 弓、初級水魔法、初級回復魔法

  特 記 料理エンチャント


 12歳の場合、ステータスの平均は70~80だ。

 ちなみに、成人の場合は120前後。


 だから、アレシアはフィジカル的には平均以上、

 頭脳や魔法力は大人以上。

 魔法高等学院に入学しただけのことはある。


 その基礎ステータスに付与分+100が追加されたことで、

 彼女は大人顔負けのステータスを

 身に着けていることになる。


 それと、基礎ステータスは入学前よりも

 10~20程度増えている。

 これも“料理人”効果である。


 地味ではあるが、基礎ステータスには永続性がある。

 強化効果は1週間ほどで切れてしまうが、

 基礎ステータスの増加はそのままだ。


『前にも言ったけどさ、急にフィジカルが増加したから、日常生活に注意すること。扉開けるときとか、コップ持つとか。武器持ってるときは特に注意』


 その言葉とおり、

 しばらくは体の違和感に馴染むのに苦労することになる。



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

励みになりますm(_ _)m

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