表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/122

最初の実戦訓練 鉄の誓約

【最初の実戦訓練 鉄の誓約】

 

 さて、実習に出る前に、

 訓練場で個々の戦闘スタイルを見せてもらう。


 というか、戦闘スタイルというほどでもない。

 3人共、いわゆる道場のみで通用する魔法なり剣である。

 型稽古を大きくはみ出していない。

 つまり、応用を殆ど知らない。


 これでは、実戦に連れていけない。

 大慌てして実力そのものを出せないのが目にみえている。



 まず、僕は彼らを落ち着かせるために食堂に誘った。


 そして、ハンバーガーをたべてもらう。

 ただし、これはエレーヌ作だ。

 味は僕が作るのと変わらない。


 でも、僕が作ると強化効果がついてしまう。


『美味しい!』『美味すぎる!』『信じられない!』


 そうだろう。

 僕が料理をエレーヌとロベルト以外に提供したのは、

 彼らが初めてだ。


『みんな、僕の祝福が“料理人”って知ってるでしょ?』


『『『コクコク』』』


『どうかな。やる気あるなら、これからも食事を分けてあげるよ?』


『王子様についていきます!』


『敬称なしで。ジュンでいいよ。どうせ、僕は劣等王子だし』


『そんなことできません』


『じゃあ、料理なし』


『わかりました……ジュン……』


 おお、いよいよ楽しい学校生活が始まったか?

 僕がジーンとしていると、


『で、何をするんです……するんだ?』


『まずさ、鉄の誓約を結ぶ必要がある』


『鉄の誓約?』


『僕のスキルをみんなに見せるよ。これはね、トップシークレットだから、誓約魔法を結んでもらうことになる』


『『『ゴクリ』』』


『王族の僕がさ、料理人なんて祝福を得られるのはおかしいと思わない?』


『『『コクコク』』』


『僕のスキルの真髄の一つは君たちに力を与えることなんだ』


『『『え?』』』


『だまされたと思って、誓約魔法を受けてみなよ。なに、僕の秘密をしゃべらないようにするだけだから、君たちにデメリットはないよ?』


 誓約魔法は王国では普通に流通している。

 一種の魔道具で、魔導紙(羊皮)に、

 両者の誓いを血印することで成立する。


 守秘義務契約とか様々な用途に用いられる。

 口外しようとしても口外できなくなるのだ。



『じゃあ、誓約を結んだところで、君たち、このジュース飲んでご覧よ』


 僕は彼らにブルーベリージュースを渡す。

 これは僕特製だ。


 新鮮なブルーベリーを水で煮てシーナ糖を入れる。

 ブルーベリーが柔らかくなってきたら、実をつぶす。

 ざるで漉す。

 レモン果汁を入れ爽やかさをプラス。


 氷入で、5月の陽気にぴったりのジュースだ。


『甘くておいしいわ!』

『濃厚なんだけど、爽やかね』

『僕の田舎のブルーベリーを思い出すよ。でもこんなに甘くはないけど』


『砂糖が入っているからね』


『『『え、そんな高価なものが』』』


『僕は王族だからね。それより、自分のステータスを見てご覧よ』


『?……えっ、+20って?』


『それが僕のスキルの一つ。僕の作る料理には、強化効果があるんだ』


『それっ、凄すぎっ!』


『だから、鉄の誓約を結んだんだよ。効果は1週間。君たちが頑張ったら、またいろいろ味わってもらうよ』


『『『絶対、頑張る!』』』


『いいかい、君たちは絶対的に実戦が不足している。だから、君たちがいきなり野原に出るのはよくない』


『『『コクコク』』』


『それを補うためのステータスアップ。それと、この盾』


 僕自慢のソリッドエアを仕込んだ結界盾だ。


『持ってれば、中級風魔法のソリッドエアが君たちを守ってくれる』


『まさか、これも王子……ジュンが作ったんですか?』


『ああ。これは基本的には6年前に作ったよ』


『えっと、ジュン……はEクラスなんだよね』


『はは、まあまあ。僕の実力はおいおい見せるよ』



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

励みになりますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ