とある新1年生たちの会話
【とある新1年生たちの会話】
『ねえ、A組のボンズさんってすっごくかっこいいよね』
『ホント。次席だけあって魔法の実力も高いんだけど、剣がすごく上手なんだって』
『学力も優秀って話だから、ゆくゆくは近衛騎士団ね』
近衛騎士団は王国軍人のエリートコースである。
『王国で出世するなら、魔導師軍か近衛騎士団のいずれか。ゆくゆくは大臣かもよ』
『玉の輿乗りたーい!』
『ああ、無理無理。もう、王国の上位貴族が目をつけてるって』
『実家は男爵家だからちょっとあれだけど、三男って話だから婿養子よね』
『うん。階級はなんとでもなるから問題なし』
『玉の輿って言えば、主席のカトリーナさん。あの美貌にはビビったわ』
『うん、私も。あんなキレイな人、見たことない』
『私の親戚が3年にいるんだけど、もう大注目だって言ってたよ』
『遠目からでも、めちゃ目立つもん。彼女がいるだけで半端なく場が華やぐよね』
『伯爵家出身だし、家柄的にも文句なし』
『でも、タカビーだったりしない?』
『時々出ることもあるらしいけど、すっごくフレンドリーらしいよ。A組の男子はハートマークなんだって』
『ボンズさんも?』
『彼は別。気性がさっぱりしているから、主席・次席同士で普通の友達みたいにやってるって話』
『ベストカップル?』
『えー、いやよそんなの』
『ま、庶民には手の届かない話ね』
『手が届かないって言えば、王子様いるじゃん』
『あー、5男の』
『うん。超美形の』
『美形なんだけど、E組だし』
『だよねー。どんな美形でも、無能クラスじゃ存在が恥よね』
『そうよ。無能が移ったら困るわ』
『それに“料理人”なんでしょ。超ウケる』
『学院卒業とともに、お城から追い出されるらしいから、下手に近づくと巻き込まれるわよ』
『でも、頭脳は相当高いみたい』
『あー、腐っても元神童?』
『図書館で学校の教授としょっちゅう議論してるんだって』
『アニエス教授でしょ。私の父親が言ってたんだけど、学院の陰のドンらしいわよ』
『えー、怖い人?』
『全然。学院への貢献度が半端ないらしいわよ。それと、先生はエルフなんだけど、長命で100年以上学院で研究者してるらしいよ』
『エルフってさ、あんまり街とか出てこないよね』
『普通は森のエルフ村とかにいるからね。アニエス先生はちょっと変わり種』
『でも、そんな凄そうな人と議論してるって、王子様ってやっぱり買い?』
『まあ、話半分で聞いていたほうがいいわ。それよりさ、彼のお付きの人で超々美形がいるって話、知ってる?』
『ロベルトさん?』
『うわっ、情報早いわねー』
『私のお母さんに聞いた。ご父兄の間で人気急上昇中なんだって』
『ロベルトさん、30歳ぐらいらしいもんね』
『そんなに美形なの?』
『女性がカトリーナさんなら、男性はロベルトさん。見るとビビるよ。年齢的にはおじさんなんだけど、そんなの関係ないって感じ』
『毎朝、学院の周囲を走ってるから興味があるなら見てみたら?ロベルトさんの体力にも驚くから』
『そうなの?』
『風のように走るって、一部じゃ有名よ。お母さん連中が陰でこっそり見守ってるって話』
『エレーヌさんもキレイよね。王子様のもうひとりのお付きの女性』
『やっぱり、王侯貴族関係者は美形な人多いね』
『一種のステータスだからね。見栄えの悪い貴族はそれだけで格が下がるもの。だから、結婚相手の重要な条件になるし』
ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。
励みになりますm(_ _)m




