表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/122

敵の攻撃は突然やってきた

【敵の攻撃】ジュノー9歳


『ズガーン!』


 突然、城の一角で爆破騒ぎが起こった。

 どうやら、負傷者が出ているようだ。

 城内は騒然としている。


『テロか?それとも敵国の襲撃か?』


 

 時刻は数時間ほど遡る。

 この爆破騒ぎ。

 僕の離れを狙ったものだ。


 おかしな輩の接近に最初に気づいたのは、ロベルトだ。

 彼の探査スキルは半径200mに及んでいる。


 僕の風魔法ソリッドエアで建物を覆っているため、

 僕の離れに襲撃者は近づかなかったんだけど。


『坊っちゃん、何か不審な輩が』


 彼が僕を起こす時点では、僕も気づいていた。

 僕の探査スキルは半径100mぐらいだ。

 エレーヌも僕の部屋に飛び込んできた。


『お坊ちゃま!』


 彼女にも探査スキルが発現していた。

 こちらも半径100mぐらいの能力がある。

 普段は僕の離れに近づく人は殆どいない。

 ましてや、今のように未明となると、皆無だ。



『何しにきたか、見てみようか』


 三人とも、気配操作スキルを取得している。

 気配を断つスキルだ。

 近くで視認しない限り、気配を察知されない。


 ◇


『賊は二人か。何かを設置するみたいだね』


『多分、爆破魔法を仕込んだものじゃないですかね』


 爆破魔法を仕込んだ爆弾は、爆破しても痕跡を残さない。


『もう少し、そばによってみようか』


 僕たちは目も非常に良くなっている。

 ロベルトだと500m先のブドウの粒を見分けられる。


『ああ、マスクしてるからわかりにくいね』


『気絶させて吐かせますか』


『そうだね』


 ロベルトがこっそり奴らに近づき、

 頭を手ひどく殴って昏倒させた。


 ◇


『君たち、何しようとしてたの?』


 僕たちは二人を離れに連れ込み、

 尋問を始めた。


 拘束はソリッドエア。

 普段は、結界魔法に使うのだけど、

 その応用で対象を雁字搦めにすることもできる。


『……』


『まあ、しゃべらないよね。しゃべらなくてもいいよ』


 僕は相手の目を思いっきり開かせて固定し、

 ナイフの先を少しずつ近づけていく。


『!』


 涙目の賊。


『プスリ』『ウギャー!!』


『あれ?刺さっちゃった』


 僕も随分と残忍になったもんだ。

 魔物と戦い続けているせいか、

 肉体的な損傷に動じなくなっている。



『坊っちゃん、こいつら多分“闇のもの”ですよ。生半可な肉体的苦痛はあんまり効果ないです』


『そうか。エレーヌ、目の傷直してやってね』


 エレーヌはもともと初級回復魔法持ちだったが、

 今では中級程度の能力を発揮している。


『じゃあ、こんなのどうかな?アースジェイル!』


 僕は非常に強固な独房を2つ、土魔法で作った。

 光、音という刺激を遮断する、

 無音・完全な闇空間だ。

 自分から発せられる心臓の鼓動とかも聞こえないのだ。


 二人をこの独房に収容する。

 そのまま、1時間ほったらかしにしてみた。


『どうかな?』


 扉を開けてみると、二人共驚愕の表情で

 体を丸め、ガクガク震えていた。


『頼む、しゃべるから、ここから出してくれ!』


 これはホワイトトーチャーっていう、拷問手法。

 多くは、30分程度で精神錯乱に至るという。

 1時間持ったというのは大したもんなんだろう。


『しゃべる必要ないから。もう1セットやってみようか』


『頼む!もういやだ!』


 目を血走しらせて懇願してきた。

 “闇のもの”という話だけど、

 完全なる闇には耐えられないようだ。



 彼らから聞かされたのは、

 上役の指令を果たしに来ただけで、

 それ以外のことはわからず仕舞いだった。

 だが、こいつらの本拠地はわかった。


『ただの下っ端ですね。まあ、依頼主は想像できますが』


『ああ。次男関係だろうね』


 僕を狙撃した犯人は、次男とその母親だと、

 僕たちはみなしている。


 彼らには闇が大きい。

 全くの想像だが、長男の病や僕の母親の事故死にも

 関わっているんじゃないか。

 いつかは闇を暴かなくちゃなるまい。 


 だが、今は証拠もないし、僕たちの実力も低い。

 臥薪嘗胆ってやつだ。



 結局、庭に奴らを縛り付けて少し離れた場所で

 爆弾を爆発させた。

 これが冒頭の爆破騒ぎ。


 犯人は少し傷ついたようだ。

 50mほど話したんだが、結構威力が強かった。


ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

励みになりますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ