ハンバーガーショップ
【ハンバーガーショップ】18歳
旧王国内では障害となる敵がいなくなったことで、
僕は長年の懸案を実行することにした。
『ハンバーガーショップの全国展開をするんですか?』
『長年の僕の夢なんだ。単にハンバーガーを食べさせるというだけじゃない。ハンバーガーショップを成り立たせるため、農業振興と衛生・防衛を盛り込んでいく』
『農業振興と衛生はわかりますけど、防衛もですか』
『うん。簡単に言えば、学園都市をモデルとして全国展開しようかと』
『ハンバーガーを食べるために、そこまで整備すると。ていうか、それ街づくりですね』
『だね。防衛にしてもこの世界はまだまだ治安が悪い。犯罪も多いし、魔物どころかこの前みたいにスタンピードも周期的に起こる。旧王国の外には対立している国・地域もあるわけで』
『すると、学園都市の防衛施設・設備を展開するということでしょうか』
『そうだね。あくまで防衛に特化するということで』
『そう上手くいきますでしょうか。強い武器をもてば使いたくなりませんか』
『村なり街なりに結界を張って、その外に出たら武器は使えないようにするとかで対策をしようかと』
『なるほど。魔導自動車の展開で道路整備も進んでいますから、結界の範囲は広げる必要がありそうですが』
『そこは一つ一つ解決していこうよ』
魔導自動車は急速に旧王国・連邦内で広がりを見せている。
僕たちが図面を積極的に公開しているからだ。
魔素バッテリーを魔導具に組み込んでいるが、
半年単位で魔素が切れるようにしてある。
前世日本の車検のようなものだ。
これで魔導具の悪用を防いでいる。
転移魔法陣は公式に発表している。
しかし、決められた用途でしか使用しない。
莫大な魔力が必要なため、みんなが使い始めると、
魔石の補充が間に合わないからだ。
それでも、農業パックに転移魔法陣が組み込まれている。
少なくとも物産に関しては流通革命が起きている。
流通革命には、マジックバッグも一役かっている。
ただ、犯罪に使われると困るので、
いろいろ制限をつけて販売し始めた。
マジックバッグもそうだが、僕たちの販売している
各種魔導具。
こっそりと追跡装置をつけてある。
農業魔導具ならば、稼働率データは魔導コンピュータに
逐一報告が送られてくる。
おかしな動きをすると、不自然なデータとなるので、
一発で不正を見つけることができる。
程度の甚だしい場合、すぐに器具を引き上げる。
泣こうが喚こうが関係ない。
永久に関係は終了だ。
僕はこういうのを許さない。
僕の狭量ゆえもあるのだが、管理が大変だからだ。
3つほど不届き村が現れた。
無論、すぐに村は寂れ果てて村民は離散した。
僕の信用を失った村は周りから酷い扱いを受けるし、
今更昔の食生活には戻れない。
このような事態を引き起こした村のトップ連中は、
吊し上げをくらった。
吊し上げというのは、文字通りの意味だ。
村民のいなくなった村のハズレには、
縄で首を吊るされた元村の指導者たちが。
村民の怒りの結果だ。
ハンバーガーショップを開くには、
ある程度の人口が必要。
それを僕は3000人とした。
商圏人口が3千人はこの世界ではかなり大きな集落である。
村(外壁のない集落)としては最大規模と言ってもいい。
このために、周辺の零細村に話をして
中核村に集約するようお願いをした。
引っ越ししたほうが生活はぐっと楽に豊かになる。
多くがこの話に乗ることになる。
勿論、中には自分たちの村を離れたがらない人もいる。
中核村が排他的だとよそ者を嫌うしね。
まあ、人それぞれだ。
3000人であれば、
村の周囲に外壁をめぐらすことも容易になってくる。
そもそも黒狼が2体配置されるので、
ぐっと安全性が高まっている。
それは対魔物だけじゃない。
人間の不届き者を排除する効果もある。
【ハンバーガー屋】
ハンバーガー屋を開くにあたって、
少なくとも農業産品の調達は整備できた。
次は、ハンバーガーを食べる環境だ。
汚かったり臭かったりするのは願い下げだ。
これは学園都市がいいモデルとなる。
花で囲まれた村。
通りの徹底的な清掃。清掃魔導具。
排泄部の処理。排泄物処理魔導具。
馬を極力使わない。魔導自動車。
産品は転移魔法陣とマジックバッグで。
治安は。
前述のように黒狼のお陰で付近の治安が良くなる。
妨害勢力には黒狼軍が出動
結界で覆われる
新開発した魔導銃を配備。
最低限の守備力は確保される。
緊急時には、連邦軍の兵士が転移魔法陣にて
増員される。
まだお話は続くのですが、
ここで一つの区切りとします。
おつきあい頂き、ありがとうございましたm(_ _)m
よろしければ、次作でお会いいたしましょう!
次作
はめられ最強大魔導師、子猫に転生したら美少女たちと温泉三昧?~でも、帝王おまえはゼッタイ許さん。




