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発破

 盗賊退治と洒落込むべく洞窟を出たところで待ち伏せしていたウズラク達を今からふん縛るつもりだったんだが。

このイラルという女は頭がヤバい。というかどうやって拐かしたんだ?


 ボッコボッコとドカンドカンと魔法を連打している。うむ、憐れ盗賊たちは華麗に宙を舞い続けている。


「ひっひぃ~~~~~~~~っ!」

「やめてくれ~~~~っ!」

「お、俺達が悪かった! 頼むからもう魔法を撃たないでくれ!」


「あははははっ! ファイアーボール! ストーンブラスト!」


 おお、魔法の二重展開は難しいと聞いていたのに、こんなにポコポコ放つこの娘は一体何者なんだろうね。あ、また一人吹っ飛んでった。

とりあえず、気を失った奴らを縄で縛っておくか。うん、俺やることこれくらいしか無いな。


「あはははっ! チョ~~~~気持ち良い~~~~っ!」


ボコーン! ドカーン! おうおう、まだ打ち上がるか。


 辺り一面がボコボコになっている訳だが、植物にも地面にも罪はない。そろそろ許してやってほしいものである。


「……ふぅ、スッキリしたわ」


 良い汗かいたと額を拭う彼女は、輝かんばかりの笑顔でこちらに振り向く。


「お疲れさん、その何だ、会ったばかりだが、何か心労を抱えているなら話くらいは聞くぞ……」


 最後の一人を縄で縛った後、なるべく優しい声でイラルに話しかける。怒れる女は恐ろしい。あぁ、恐ろしい。


「それで秋夜は、そいつら縛ってるけどどうするつもりなの?」


「いや、狼藉を働いていたのだから役人に届け出るのが筋ではないのか?」


「え? 殺さないの? なんで?」


「え?」


 いやいや、流石に問答無用で殺したらこちらが悪人であろうに、そこまで法整備がされていない訳でもあるまい。


「ふむ、こちらの常識は解らぬが、流石に一方的に殺してしまうのは不味いのではないか? 罪状を明らかにした後に法で裁くのが当然だと思うのだが……」


「何言ってるのよ、こいつら生きてても犯罪奴隷として一生を送ることになるのよ。今ここで殺すか、奴隷として死ぬかの違いしかないわ」


 また奴隷という言葉が出てきたわけだが、流石に混乱してきた。なんだ? 奴隷ってなんだ? わからん。



 倒れ伏した盗賊たちを憐れにあ思うが、仕方ない手頃な縛る物がある以上は縛るほかある巻いて。

 それは、ま、あんだけドンガンやってりゃ、気づくわな。どう見ても衛兵、そりゃ守る立場の奴らが来るのも当然である


「おい、貴様らこの騒ぎは一体何なのだ! コイツラはなんだ!」


 おお、なんかぞろぞろ兵隊さんが現れたぞ。


「こいつらは盗賊よ。私が乗ってた馬車を襲った後、拐われてここに入れられたのが昨日のことよ。魔法を封じられてたけど、解いてくれたからお礼にこうしてふっ飛ばしてあげたのよ」


 イラルのその言葉にギョッとする兵隊さん達。そりゃこの惨状を見ればそうなるわな。俺は関係ないよ。


「なるほど、経緯は解りましたが、そこの男の子は?」


「俺は奴隷にならないかと言われて、ついてきただけの善良な一般人であるな。こいつらとは昨日会ったのだが、関係はそんな感じだ」


「どんな感じだ。奴隷にしてやるからついてこいと言われてついていく奴がどこに居るというのだ?」


「ここに居るな」


「あ、秋夜は少し頭がオカシイのであまり気にしないでください」


 解せぬ。露出狂の快楽爆撃者に頭がオカシイ?


「ふむ、ところどころ納得はいかないがとにかくこいつらを連行しよう。君たちには街についてから詳しい話を聞くとしよう」


「あ、証拠品はそこの洞窟にあると思うので、後で捜索願います」


 こうして俺は兵隊さんに連れられて街に向かうことになった。若干、計画から外れたが終わりよければ全て良しだろう。



 街の前にある門の中にある取調室。身元が不明な者や明らかに怪しい奴を取り締まり、街に入れないのがここの役割である。

門兵として十年努めてきた男が、この眼の前にいる少年に困らせられることになる。


「名は?」


「蓬莱秋夜と申します」


「歳は?」


「十四になります」


「出身国は?」


「蓬莱国です」


「……」


 蓬莱国出身の名字を蓬莱と名乗るこの少年はもしかしなくても、蓬莱国の蓬莱家縁の者だろう。しかし、共もつけずに何故盗賊達の塒に居たというのだろうか?


「君は蓬莱国の蓬莱家縁の者ということで間違いないか?」


「ええ、一応は。ああ、別に身分とか無いですから気にしないでください」


(気にするわ! 下手したら国際問題になってたじゃねぇか!)


「国を出てこの国にきた目的は?」


「狭い国でしたからね。世界に出て見聞を広めるのも一興かと思いまして。この国にしたのは、一番近かったからですね」


「なるほど、君は旅人ということで良いかな?」


「一応、そうですね。適切な表現として旅人というのは良いですね」


「所持品に危険なものは特に見当たらなかったが、逆にこれまで魔物をどうしていたんだね?」


「徒手空拳であったり、石を投げたり、その辺の棒で殴ったりですかね」


「君は盗賊団達と仲よさげだったと聞いている。ウズラクというものと関係があるのではないかね?」


「この国に入ったのは昨日だったのですが、森で迷ってしまいましてね。そこを偶然通りがかったのがウズラクですね。奴隷にならないか? と言われたので街まで連れて行って貰えるなら付いていくのも吝かではないかなと」


「ふむ、証言は一貫して同じだな。最後の質問だが、この国で何か始めるつもりか? あと、金は持っているのか?」


「一応、蓬莱国で使われている金は持っているのですが。こちらで使えるのか分かりません。また何か始める前に、色々と見て回ってから決めようかと思います」


「では、その金を出してもらえるか? 換金できるか聞いてこよう」


ジャラと三枚の俵型の金貨を出してくる。うむ、初めて見るがこれが蓬莱国の金なのか。



 すごい価値があったらしい。門兵は三十枚の金貨が入った袋を渡してくる。

蓬莱国の金は出回ることが少なく、オークションにかければ白金貨数枚になる場合もあるということで、競売にかけないかと持ちかけられたが。

特に大量の金を持ち歩く趣味もない。当座の資金があれば数日過ごせれば十分である。


 換金レートが1:5らしいのだが、価値を加味して1:10にしてくれたそうだ。まぁ、ここでゴネる必要もないので適当に懐に入れて晴れて俺は初めての街に入ることになった。


 ……えっと、国? とか街の名前はなんだっけ?



連載は慣れてないので、グダグダ後ろを直し……めんどくさいなぁ

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