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第九歩目「ドキドキ!?GW大合宿!③」

日が昇る前、拓海は1人辺りを散歩していた。

見知らぬ地を散策する事が趣味の彼は、最近ハマったというアニメソングをイヤホンから出力し、ゆっくりと歩いていた。

母親にはなんて説明しようと思考を巡らせる。今回の合宿時代も友人と旅行に行くとしか告げておらず、オタク同好会に所属している事は当然伝えていないのだ。

そもそも、なぜ母親がそこまでアニメを毛嫌いするのかその理由を聞いた事がない拓海は浮かない顔をして空を見上げた。

「え!?」

一瞬空を大天狗様が走り抜けた気がしたが、逸話によると天狗様伝説は鞍馬寺なはずと一人混乱していた。

「だーれだっ!?」

「わっ遥!?」

遥が拓海の背後からから目隠しをし、一気に拓海の心拍数が上昇する。

この可愛さは反則だ、と拓海はいつも通り顔を紅潮させた。

「聞いてよ!さっき天狗様が空を舞ってたんだよ!」

「拓海君、寝ぼけてるんじゃないの?そうそう、天狗様って神様のイメージだけど実は悪魔の一説もあるらしいよ。拓海君が見たのは神様なのか閻魔様なのかどっちなんだろうねって、なんてね。」

話の内容はさておき、相変わらず拓海の脳内は「遥可愛い」だった。

「さぁ!今日は遊ぶわよ♡」

凛子が大きな声を上げたこの場所は京都府立山城運動公園、通称"太陽が丘"だ。土のグラウンドから天然芝の競技場、体育館にプール。まさに学生スポーツの聖地だ。

勿論、当地も某アニメの舞台になった回がある。


一行は様々なスポーツを観戦した後、名物滑り台がある公園へと足を運ぶ。

「止めろ、私は高所が苦手なんだ。絶対に押すな、押したら殺す...ぎゃぁぁぁぁぁぁ」

冷や汗を流し、いつになく怯える裕美を容赦無く押す、凛子。ベンチに座る康宏は怖いなら乗るなよと思ったが、「あほくせぇ」とつぶやき寝転んだ。

「じゃあ、いっぱい遊んだし今日は早めに帰ってゲームやろうネ☆」

この一言に康宏は跳ね起き、すぐに帰り支度を始めた。

上級生女子陣は若干ブツブツ言っているが、光国が凛子にはご当地マスコットのキーホルダー、裕美には京都の武将キーホルダーを渡し、二人の機嫌をとった。


そんな様子を一歩引いた位置から眺める一回生の二人。

「ねぇ、拓海君。みっちゃん先輩ってああ見えて、1人1人よく見てるよね。」

「ああ、そうかも。でも駄目だよ遥。あの人褒めると調子乗る。ほら、聞いてたでしょ?」

やはり二人のヒソヒソ話もしっかりと聞いていた光国。ウザったくおどけて見せる。

「うんうん、二人とも俺っちの事大好きなんだネ☆」

二日目の夜のゲーム大会、三日目のお茶会。すべての予定を問題なく消化し、二泊三日の旅もあっという間に過ぎた。

そして一行は帰路についていた。

大学最寄りの駅前で運転手の康宏と光国を除いた部員は降車した。

「じゃあ、やっさん。行こうか!みんなまた学校でネ☆キラッ☆」

裕美も学校側へと歩み始める。

「私も少し学校で調べ物があるからここで失礼する。」


時刻は18:00、拓海は絶好のチャンスと言わんばかりに遥を夕食に誘う。

「遥、良かったらご飯食べてかない?」

「あー、そうだね。行こっか。」

すぐそこで拓海はガッツポーズをしてしまいそうになるが、凛々しげな顔で凛子に挨拶をしようとするが凛子が邪魔をしない訳ががなかった。

「それなら二人とも♡ウチでごはん食べなさい♡」

スーパーの特売チラシを掲げ拓海に微笑みかける凛子。どうやら二人の距離が近づくのはまだまたま一筋縄では行かないようだ。


その頃百合は一人で、繁華街を歩いていた。

「どうして私ばっかりこうなるの。もう嫌だ。」

あてもなく歩き続ける彼女にどうやら災難が降り注いでいたらしい。

合宿編終了!

次回から重要なメインストーリーに突入です!

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