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僕がオタクを始めたら  作者: 登々野つまり
メインプロローグ
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第二歩目「超絶美少年の先輩がオタクだったんだが」

タイトルは毎回ラノベっぽい言い回しを考えてます。はい。偏見です。笑

大学の総長や、著名人のOBなどの挨拶といった一連の式プログラムを睡魔と退屈に襲われながらも耐え忍んだ新入生達。

入学式が終わると、次は学部ごとのオリエンテーションが行われる。


「あ、あのさっきはごめんなさい。引いちゃったよね...」

指をモジモジと絡めながら平謝りする遥。

彼女は一端のオタクなのである、アニメの話になると自我を忘れたかのように語ってしまう程に。

「いや、まぁ好きな事があるのはいい事だと思うよ。それに、俺は趣味とかあんまり無いもんだから羨ましいな。」

(何より可愛い。今のこの仕草が本当に可愛い。アニメは分からないけど全然我慢できるぞ。)


「それよりゼミの選択どうする?せっかくだから同じクラス取らない?その、心細いし。」

オリエンテーションでは10個程あるゼミナールの担当者がそれぞれの特色を説明し、新入生はいずれかを選択しなければならない。

二人は同じゼミを選択することした。


「さて、次は部活かサークル。遥は何か入るの?」

華やかな大学生活を送る上で重要なのは部活やサークル選び、友達や先輩などの人脈を広げる上で、重要なタスクになるのだ。

「私は何も決めてないかな。拓海君は何か決めた?」

君付けに若干の肩透かしを食らった拓海ではあるが、これもまた悪くないとニヤついていると、もう1度遥に問い掛けられ、我に返った。

「あ、ああ。俺も何も決めてない。高校までスポーツ一筋だったから何か違う事をするのもいいかもしれない。」


勧誘を行う数多にも及ぶサークル、部活。特設テントやテーブルを用意されている広場を歩いていると、物陰から一人の青年が飛び出してきた。

「マドモアゼル!ムッシュ!オタク同好会はどうかな!?キラッ☆」

「危ない人だ。遥行こう。ってええ!?」

所謂コスプレに身を包んだ青年に目を輝かせる遥、格好をつけて手を引こうとした拓海は大げさなリアクションをとった。

「も、もしかしてキラスタのコスプレですか!!これどうやって手に入れたんですか!?」

「フフッ、いいリアクションだね。さっきの入学式の一幕を見てたよ。君は大型新人だ!ぜひウチに入ってくれ!キラッ☆」

キラッ☆とは何なんだろうか、とため息をつく拓海だが、よく見ればこの上級生、かなりのイケメンだ。金髪碧眼、浮世離れしたルックスだ。

「拓海君!私このサークルに入る!!拓海君は?」

めちゃくちゃな部活勧誘をしてくる謎のイケメン先輩と自らのタイプど真ん中のオタク女子を前に拓海は思考の世界を旅する。

天使の格好をした拓海が優しく諭す。

「迷う事は無いよ。オタクであろうと君の目前にいるのは好きな女の子じゃないのかい?ぼやぼやしてると目の前のイケメンに取られちゃうよ。」

テンプレ通り、諦めを乞う悪魔。

「なーにを言ってるんだい、お前のルックスと彼のルックス。比べるまでもないだろ?それにお前オタクは苦手なんじゃないのか?」

イエスかノーか指針が振り切られたのは。

「わかりました...とりあえず仮入部って事で。山城拓海って言います。」

「やったぁ!私は木津遥です。」

身にまとっていたコスチュームを空に掲げ、謎のイケメンは声を上げた。

「よーし!それじゃあよろしくね☆僕の名前は北山(きたやま)光国(みつくに)みっちゃんって呼んでくださいな!キラッ☆」

「だからキラッ☆ってなんだよ...」

拓海の狂騒に包まれたオタク生活が幕を開けようとしていた。


「うわっキモ!何アレ。あーはなりたくないわね、百合!」

「あ、あははは...ホントにキモいよねー。それよりテニサー見に行きましょ!」

光国達を軽蔑の目で眺める派手な服装と大きな笑い声の大学生たち。

一際目立つリボンをした百合と呼ばれる女性は小さく呟いた。

「大学では1軍女子でいるんだから。」

次回も新キャラ登場です!!

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