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第十三歩目「恋は夕焼け空のように」

陽が昇り始める頃、拓海はいつものランニングコースを走っていた。今朝は心地いい空気が流れている。気分がいいので、いつもよりペースを上げて走る事にする。

最近ハマったアニソンで作ったプレイリストを両耳のイヤホンが出力する。もしかして自分はすっかりオタクなのではないか。

そんな事はどうでもいい、出町柳 百合問題に終止符がついたのだから。


1日の授業を終え、部室を訪れた百合を拓海と遥が紹介する。

「出町柳 百合と申します。不束者ですが、どうかよろしくお願いします!好きなジャンルはBLです。」

「百合、固いよ!」

拓海がお腹を抱えて笑う。

百合は小っ恥ずかしくなって震えるが、遥は優しく微笑んで「大丈夫だよ」と諭す、遥は拓海の事を包容力があると表現するけど、オタク同好会のメンバーからすると彼女のそれもなかなかのものだ。

上級生組の自己紹介が始まる。

「そうだよ☆ここでは自分らしくいていいからネ☆ちなみに俺っちの事はみっちゃん先輩って呼んでね!キラッ☆」

「キラッ...ははは...」

「かっわいい♡遥ちゃんとはまた違った可愛さ!私の事はお姉ちゃんって呼んでね♡」

「お、お姉ちゃんですか...」

「此奴等の事は気にしなくていい。私の事は裕美と呼んでくれ。君の事は概ね伺っている。入部ありがとう。」

ようやくまともな人が現れたと百合はホットした。けれどよく見ると裕美の足下には光国と凛子の頭があり、やはりこの人も個性豊かだと心中で訂正した。

「まぁ何あともあれ、改めて百合!よろしくね!」

「ちょっとなんであんたが締めてんのよ!」

「凛子さん痛い、痛いよ!」

じゃれ合う部員たちを見て百合は微笑んだ。この同好会なら本当の仲間になれそうだ!

その夜、百合の歓迎会も兼ねて、康弘の自宅でごはん会をしようとスーパーマーケットで買い物をしていた。(もちろん康弘には無断で)

「特売よぉぉ♡」

「俺っちはやっぱりこのキャラのウエハースだネ☆」

先頭を歩く凛子と光国、裕美と遥は先に康弘宅に向かった。


カートを押しながら歩く拓海とお金の計算をしている百合。

「拓海ってどうしてこの同好会入ったの?確か前までオタクが苦手何じゃなかった?」

痛い所を突かれたような顔をして拓海は「んー、とね、秘密」と答えた。遥が目的なんて口が裂けても言えない。

そうしていると、百合がくらい顔をして口を開く。

「何よそれ。私ね、ずっと不安だったんた。自分をさらけ出す事が怖くて、友達も高校からずっと欲しかったんだけど、正面からぶつかるのが怖くて、いじめられた時も逃げた。」

最近大学デビューをして気が大きくなったつもりだったけれどやっぱり私は弱いままだと俯いた。

すると、少しだけゴツゴツした手のひらが百合の頭を優しく撫でた。

「別にもう弱くたって逃げたっていいんだよ。ここに逃げ込みなよ。もし辛くたって一緒に戦うよ。ってごめん、まだスポーツ根性抜けてないや、ハハハ。」

百合の心の中に小さな蕾が芽生えた、胸を少しだけ苦しくさせ、頭を酩酊させる。

「も、もう!照れるじゃない!ありがとねっ!」

照れ隠しに2回ほど頭を叩いたが、上手く隠せたかわからない。

先を歩いていた上回生2人は商品棚に隠れて様子を伺っていた。

凛子と光国はかたや目を細め、かたや面白そうにはしゃいだ。

「拓海、やっぱり隅に置けないわね。」

「うんうん!これはフラグ立てちゃったネ、ルート分岐だ☆」

ようやくオタク同好会にも青春ラブコメの香りが漂い出した。

百合は帰り道、空を見上げた。

どこまでも綺麗な夕陽に手を伸ばして掌をギュッとした。

過去の自分との決別、これからは好きな事を好きな様に好きな人たちと楽しむんだ。

立ち止まっていると少し拓海が遠くから百合の名前を呼んだ。

百合の一歩が止まった時間と共に動き出した。

百合編ようやく終了です。

ちょっとだけ、青春?

私自身の大学生活にその二文字はありませんでした。はい。笑

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