バカ世界を知る -2
ナレーションベースに戻します。ちょいちょい視点での話も入れていきます。
「マジかマジかマジかマジかぁーーーー!!どうすんの!?まだ日本海、太平洋、オホーツク海の魚を制覇していないのーーーー!!」
うぉぉぉっと転がり続ける禅。彼は基本的に釣り基準なのだ。何も知らないとこでの生活とか仕事とかはまったく気にしない、そう釣りが全てなのである!
「皇様!?どうされましたか!?」
アイリスが心配して近づいてくる
「うおぃ!ここは日本じゃないんだな!?地球ですらないんだな!?」
いきなり両肩を掴まれたアイリスは至近距離の禅の顔を見て自分の顔を赤らめながら冷静に言った
「は、はい!ここは日本?というところでもないですし、地球でもありません!」
禅は四つん這いになり絶望した。というか何故今の今まで気づかなかったどろうか?
そんな絶望している禅に国王が
「皇殿、君はここの世界の人間ではないということかな?どうだろう?君が元の世界に戻れるまでここに住んでみてはどうだろうか?悪い話ではないと思うのがね?」
国王は今の禅にとってみたら魅力的な提案をしてきた。しかし腹の中では禅みたいな今まで見たことない技で、しかも身体強化なしに魔法もなしにカイル達を一瞬にして倒した。そんな底が知れぬ強さの者を手放すヤツなどいない。この国に留まって貰って、この国最強の兵にしようと考えたのである。
そこで禅に追い打ちをかけたのがアイリスだ
「それはいい提案ですね!是非そうしましょう皇様!行く当てはないですよね?」
アイリスはアイリスで禅を自分の物に出来ると思い国王の提案に乗っかった。いつの間に惚れてたのと?疑問に思うが、無理やり婚約させられようとしていたところに禅に助けられ、しかも国への大ダメージも避ける事が出来た。しかも禅はイケメンの部類に入る。まぁそんなんで惚れるまでに時間はかからなかった。
ここでようやく冷静になってきた禅は
「そうだよな?違う世界だし右も左もわからんもんな・・・・そしてこの世界の海・・・あの赤い海には魚はいるのか?」
「はい、いますよ?皇様の世界の魚はわからないのですが、海は赤いですが魚はどれも美味しいですよ?かなりデカい魚とかいっぱいいますし。」
「なにっ!?美味しい?デカい魚!?・・・・わかった!しばらく世話になる!」
そう決断した瞬間、国王とアイリスは小さくガッツポーズをした。それはそうと禅はデカい魚を釣っている自分を想像していた。どこまでも釣り基準な男である
そして、かなり空気になりつつあった国王の妃が口を開いた
「話は纏ったようですね!皇様?疲れたでしょう?部屋を用意しますので休憩なされては?」
そこでようやく現実に戻ってきた禅は最初、誰だコイツと思ったがアイリスと顔立ちが似ていたので、あぁアイリスの母ちゃんとすぐにわかった。そしてアイリスと似たような雰囲気だったので、この人めっちゃいい人と結論付けた。
「そうですね。ありがとうございます。お言葉に甘えて休憩させてもらいます」
何故かいきなり敬語になった禅。禅は尊敬した人にだけしか敬語は使わない。国王にはタメ口だったが・・・
「あっここにいる皆に言いたいんだけどオレの事は禅ってよんでくれよ!あんまり皇って呼ばれたくないんだ!それに、ここの人たちは皆いい人そうだしな!」
「はいっ禅様!」
「いやアイリス・・・様付けしなくてもいいんだぜ?」
「私は癖なので気にしないでください!早速お部屋に案内いたしますね?」
禅は結構疲れていたので後をついていった