第6話 ARIES
## 2013.7.11
晴夫は夏休みが近い事もあり帰宅が早かった。
秋雄の部屋に籠り3台のパソコンを立ち上げる。
右のパソコンのメールソフトを開いた。
相変わらず多くのダイレクトメールが届いていた。
まずは出会い系メールとフィッシング詐欺、
ブランド品の通販広告などは削除フォルダへ入れた。
残ったメールはUFOのメーカー広告や運営からお知らせのメール。
ゲーム関係のサイトからのメール。
電子マネーの課金やら承認のメールなど多数。
見慣れないタイトルのメールを見付けた。
タイトル
#RMT貴方のアカウント・ゲーム通貨を高額買取中#
RMT-JANKは、貴方のやらなくなったゲームのアカウント
使いきれないゲーム内通貨レアアイテムを高価買取します
"RMT"リアルマネートレード。
つまりゲーム内通貨を"リアルマネー"現実のお金に換金する
仲介会社からのダイレクトメールだ。
リアルマネー:円(単位) 実態のある現実のお金
電子マネー:円(単位) ネットやカード内のお金
ゲームマネー:coin(単位)仮想のお金"ebisuya/EBS"共通
ゲーム内通貨:CAF(単位)仮想のお金"UFO"内限定
ゲーム内通貨とはゲーム内でキャラクターが
ミッションの報酬でで得たゲーム内で使えるお金だ。
ドロップアイテムやアバターに着せる服などを
ゲーム内でNPCや他のプレイヤーから購入する時に使う。
ゲームの外には持ち出せないお金だ。
ゲーム内通貨を売りたい人からリアルマネーで買取り
ゲーム内通貨が欲しい人にリアルマネーで売る商売
それを仲介する業者のキャラクターがどこかに居るのだ。
売れるものはゲーム内通貨だけでは無い。
レア機体や強化機体や強化アイテム
レベル上げしてあるキャラクターも高額で売り買いされる。
リンク先にあるホームページを見ると買取金額が書かれていた。
通貨換金レートは100CAF=1円であった。
つまりゲーム内通貨10000CAFを100円で買い取ると書いてある。
逆に10000CAFを150円で売ると書いてあった。
売買価格は変動すると書いてあった。
RMTは規約違反に当たりバレたらアカウント停止
又は退会の処分になる。
しかし違法では無いので警察が取り締まる事はできない。
窃盗などの不正な方法で得たゲーム内通貨を売買する
仲介業者が稀に逮捕される事かある。
報道が混同されやすくRMT=違法と誤解している人も多い。
会社や学校に行かなくても好きなゲームをやっているだけで
生活できるだけのお金になり生きていける夢の様な話だ。
晴夫は「何でも売れるんだ」と関心してしまった。
ゲーム内で金を稼いでそれを売って現実の金を手に入れる。
そんな事が本当にできるのか。
明日にでも山野に詳しく聞いてみる事にした。
結局、秋雄のメールからは証拠は何も見付からなかった。
晴夫はエイダに報告する為にUFOにログインした。
いつもの様に直接チャットで話しかける。
・・チャットウインドウ・・
"MARU2" :こんにちわ
またしばらく待つとエイダから返事がきた。
"ADA":おう、どうだ何か解ったか?
"MARU2" :何もありませんでした
"ADA":そか、じゃあ直接聞くしかない
"MARU2" :え、どうやって
"ADA":誘うからYESを押せよ
そういってエイダはチャットを止めた。
しばらく待つとモニターに「部隊勧誘」の
小さなウインドウが勝手に開いた。
YES/NOを聞いている。
晴夫はYESをクリックした。
するとチャットウインドウに初めて見る
緑色の文字が流れ始める。
その勢いは止まらない。
そのほとんどが「よろしく」「はじめまして」だった。
その中に"ADA"の文字があった。
・・チャットウインドウ・・
"ADA":新入隊員のマルだよろしく頼む
どうも晴夫のキャラである"MARU2"は
エイダが隊長の部隊に入隊した様だった。
そういえば前に"ADA"のプロフィールを開いて
見た事を思い出した。
たしか"RED"なんとかって部隊の隊長だった様な記憶がある。
とりあえず晴夫は挨拶をした。
・・チャットウインドウ・・
"MARU2" :よろしくお願いします
それにエイダのコメントが続く
"ADA":因みに彼はリアル厨房だ
それを聞いた隊員は騒ぎだし晴夫は慌ててた。
しかしエイダは続けた。
"ADA":訳有でしばらく彼を預かる詮索は無用だ
隊員達は一斉に「了解」と返事をする
また静かになりチャットがゆっくりと流れだした。
みんな何かに忙しいのだろう。
エイダはログイン中の隊員を3人指名すると
"MARU2"のレベルアップを手伝う事になった。
集まった5人でフォースミッションを数回こなした。
彼らの用意したミッションルームはレベルが高く
一気に"MARU2"はレベル20になった。
報酬も半端無く稼いでいた。
・・チャットウインドウ・・
"ADA":マル倉庫のVOYを部隊倉庫へ移しとけ
エイダの言うVOYとは"VoyagerII"の事だ。
レベル20の達成報酬で無料配備される機体だ。
攻撃力も機動力も至って普通の標準レベルの機体である。
部隊倉庫とは同じ部隊に入っている部隊員のみが
使用できる共有の倉庫でレベル20未満の隊員を除く
誰もが出し入が可能である。
レベル20に満たない隊員はまだ信頼度が低く使う事が出来ない。
"MARU2"はレベル20になったので問題なかった。
次のミッションまでの待ち時間で機体を部隊倉庫へ入れた。
マウスでウインドウを開いてOKボタンをクリックするだけだ。
晴夫はその後も彼らとミッションを続ける。
レベル22に上がり准尉になった所でお礼を言ってログアウトした。
エイダが直接話しに行くと言った事が気になった。
おそらく"コンバット"の戦場で対戦中に話しかけると言う事だ。
敵国のキャラとオープンチャットで話せるのは対戦中だけだ。
ただチャットを打っている間に攻撃されない保証はない。
やられる覚悟で話しかけるしかない。
そんな事ができるのだろうか。
晴夫はまだユキウサギとマッチングできるレベルではない。
秋雄のパソコン廃棄も近い時間切れを覚悟した。
## 2013.7.12
翌日、晴夫が学校へ行くと直ぐに山野と太田が話掛けてきた。
ちょと聞きたい事があると怪訝な表情。
丁度、晴夫も山野に聞きたい事があった。
「晴夫、お前」
「なに」
「なんであんな部隊に入れたんだよ」
「え、あんなって部隊って」
「いや部隊入ったよね」
「うん、まぁ、エイダさんに誘われて」
「エイダ少佐か」
「うん、そう」
「だからレッドサンドって部隊は、」
「うちらの軍の最強の部隊で」
太田がいつにも増して興奮気味に話し出した。
レッドサンドと称される部隊
正式名を"Red Sandstorm"
赤い砂塵と呼ばれるラルーラ軍の最強の部隊だった。
敵ソレーユ軍最強の部隊ブラックレインを
敵対視できる唯一の部隊だ。
もちろん他にも廃人を有する強い部隊は沢山あるし
なんならソロでとんでもい強い奴がいる。
しかし廃人のみしか入隊資格を得ない部隊は少ない。
精鋭のみの選ばれし30人だ。
入隊条件はレベルは50カンストで大尉である事。
カンスト位なら時間をかければ誰でもクリアできる。
次の条件が1日15時間以上ログインしている事。
そして月10万の課金が可能である事。
以上の3つが最低条件と噂されているが定かでは無い。
「晒し板によるとだな」
「太田くん、晒しばっか見てるとゲームつまんなくならない」
「まぁそうだけどさ」
「要するにお前が入った事で辞めさせられた奴がいてさ」
「ビーンって奴なんだけど」
「豆って呼ばれてて最近バトルでも負け続けてたらしくて」
晴夫の"MARU2"が加入した事で
部隊員の"BEEN"が首になったらしいと言う。
これには色々訳があった。
本当は一時的な処置だったのだがエイダとビーンしか知らない。
「たまたまだよ、今だけ」
「そうなのか」
「うん、ちょっと事情があって」
「教えろよ」
「また今度な」
「チェッ」
「羨ましいだけなんだろ」
「うるせー」
最後に太田が切れだしので
山野は笑い出し釣られて3人は笑い合った。
結局、晴夫はRMTについて聞きそびれてしまった。
「また後で良いや」と思った。
しかし辞めさせられた"BEEN"の事が気になった。
明日は土曜で学校は休みだ。
帰宅した晴夫は早速、UFOにログインした。
ログインした瞬間にチャットウインドウは
緑の文字が走る様に流れた。
"Red Sandstorm"隊の隊員達だ。
それぞれ「こん」「こんちわ」など晴夫に挨拶をしてくれた。
晴夫も「こんにちわ」と打ち込んだ。
・・チャットウインドウ・・
"MARU2":こんにちわ
"ARIES":ねぇマルたん
"MARU2":え、はい
"ARIES":昨日言ってた訳有ってなに?
"MARU2":え、ちょっと
"ARIES":言えないの?
"ARIES"アリエスと言う人が話しかけてきた。
アリエスはリアル女子なのか"ネカマ"なのか不明だ。
"ネカマ"とは相手に顔の見えないネット内で
女子の振りをする男子の事を言う。
女子の振りして女子に近づく場合もあるし
女子の振りして男子から貢物を受け取る場合もある。
ネットには普通に居るロールプレイングなのだろう。
ただ女子のアバターが使いたいだけで
女子の振りはしない男子もいるので分けて考える。
晴夫はアリエスの高圧的な口調が苦手だなと感じた。
エイダも口が悪いが中の人は非常に優しい人だと思い始めている。
文字だけのやり取りだから仕方がない。
晴夫とアリエスの会話にエイダが割り込んできた。
・・チャットウインドウ・・
"ADA":やめろ後で教えてやる
"ARIES":はーい
"MARU2":すみません
"ARIES":マルたんの機体部隊倉庫に入れといたわよ
"MARU2":はいありがとうございます
"ADA":いつも悪いな、アリエス
後で教えるってところが気になったが仕方がないか
晴夫は気にしない事にした。
アリエスが昨日預けたマルオの"VoyagerII"を
カスタマイズしてくれたみたいだ。
晴夫は早速、部隊倉庫を開いて自分の倉庫へ移しかえた。
"VoyagerII EX"となっていた。
装甲はMAXまで強化され更に装備まで強化MAXになっていた。
この機体に施せる限りの最高の強化だ。
ボディカラーは部隊色のバーミリオン(朱色)ではない。
何故か金色に塗られていた。
機体カスタマイズには3つのパーツが選べる。
ドロップ品の"銅色"強化パーツで強化すると"CS"
強化に1つでもレア品の"銀色"強化パーツを使うと"SP"
強化に1つでも課金アイテム品の"金色"強化パーツを使うと"EX"
"銅色"強化パーツ 1個0円ミッションでドロップ
"銀色"強化パーツ 1個0円ドロップ率は銅の10/1
"金色"強化パーツ 1個100円課金アイテムで購入
※金色とはパーツの評価値でありボディカラーの事ではない。
機体に付く記号はCS<SP<EXの順で高い強化が可能だった。
強化できる装甲部位は
(1)脚部/(2)胴部/(3)胸部/(4)腕部/(5)背部の5ケ所だ。
装備品(武器や縦、バックパックなど)も強化できる。
装甲や装備は強化+1する度にデザインが変わる。
統一デザインにしたい場合は5つとも同じ強化値にする。
強化方法は倉庫ウインドウを開き強化パーツをクリックし
強化したい部位を選択し実行ボタンをクリックする。
成功すれば+1段階上昇する。
成功が続けば強化は最大+8段まで上がるが
一度失敗すると-1下がる為、8個で8段にはならない。
成功率は以下の通り。
+5までは容易いだが
+6~+8への強化は相当数の強化パーツが必要。
かつ幸運に恵まれないと成功しない。
経費を抑えたければ+5までを
金色強化パーツで行いその後+6~+8までは
銅色強化パーツを使と安上がりであるが効果は下がる。
+8成功率10%
+7成功率15%
+6成功率20%
+5成功率50%
+4成功率75%
+3成功率80%
+2成功率90%
+1成功率100%
運良く全て5箇所を1発で+8に強化できたとして
強化パーツが40個必要である。
最低でも4000円以上は確実にリアルマネーが掛かっていた。
・・チャットウインドウ・・
"MARU2":あのアリエスさんお代は幾らですか
"ARIES":?
"ADA":マル、気にするな我々はエリートチームだ
エイダが言ったエリートとは選ばれし最強のメンバーと言う事だ。
この最強部隊にはたったの30人しか入る事ができない。
駆るマシンも最上級に強化して当たり前と考えているのだ。
たった0.1%の機動力を上げる為に何日も掛かるのがこのゲーム。
リアルマネーを使うだけで出来る強化なら安い買い物だ。
・・チャットウインドウ・・
"ADA":よし5分後にマルの新機体の初陣だパーティ組むぞ
"ADA":俺とマルレンとタムあと誰か
"ANDERS":俺行けます
その日もマルの為にパーティの招集が行われた。
5人パーティを組んで対戦を申し込む
レベルマッチングでランダムに敵チームは決まる。
レベルマッチングとはパーティメンバーのレベルの平均値が
近い者同士を敵チームから抜擢する機能だ。
15分以内に相手が決まらなければレベルマッチングは排除され
待機中時間が長いパーティから順に強制的にマッチングされる。
晴夫達は対戦申請後、直ぐにマッチングが決定した。
そして晴夫は初陣を勝利した。
"コンバット・モード"対戦バトルは1戦15分だ。
あっと言う間だった。
晴夫のチームの前衛3機はどれも強襲装備の"Benjamin EX"だ。
左腕に大型の盾と右腕にガトリングキャノンを装備、
射程に入る敵は一瞬で蜂の巣だ。
後衛の2名はアンダースとマル。
アンダースはマルを護衛しつつ長距離爆撃砲で敵基地を落とす。
マルも中距離レーザーキャノンで後方から援護射撃に奮闘した。
敵プレイヤーもレベルや機体は高レベルだが装備が違いすぎた。
完全勝利だ、我らに太刀打ちできる敵では無かった。
その日"MARU2"は少尉に昇進した。
ゲームのストーリー上では正規のパイロットとして任命された。
だが実際の戦場では何度も落とされ寧ろ足を引っ張った。
これではただの「みそっかす」だと晴夫は思った。
「悔しい、早く強くなりたい」
と晴夫は思い唇を噛みしめた。
続けて対戦バトルを行ったがユキウサギに出会う事はなかった。
夕方18時となり晴夫はログアウトした。
土日は両親共に自宅におり兄のパソコンを触る事はできない。
晴夫はこの2日間にユキウサギが現れたか気になった。
その為、自室のノートパソコンは開いている。
レッドサンドストーム隊の隊員が運営するブログを見ていた。
ブログには隊の広報担当者により日々の活動が記録されている。
部隊員が紹介されているページもあったが
残念ながらマルは載っていなかった。
バトルの情報を載せて敵側のプレイヤーを煽る言葉を並べる。
これを見た敵側プレイヤーは業を煮やした。
匿名掲示板の晒し板を開いてある事無い事を書き立てた。
オフラインでも戦いは続いているのだ。
これもまたネットゲームの面白さだった。
晴夫はエイダから見ておけと特別なページを紹介された。
パスワードを入力して部隊員専用ページに入った。
しかしユキウサギとの対戦報告は書き込まれていなかった。
「時間が無い」晴夫はゲームがやりたくて仕方がなかった。
こうして何もできない役に立たない自分自身がもどかしかった。
晴夫は検索エンジンで「UFO ユキウサギ」を検索してみた。
有名ブログサイトにユキウサギのブログは登録してあった。
芸能人を意識した広告に溢れたブログだ。
ユキナのブログ日記を読み始めた。
コスプレをしてどこかのゲームカフェでイベントに参加している。
部隊メンバーとのオフ会や女子会なども行っている様だった。
晴夫には遠い世界に感じられた。
秋雄もオフ会でユキナと会っているのだろうか
秋雄は引き籠りだが平日の昼間の行動は晴夫には解らない。
ユキナの日記を遡って読んでみる事にした。
昨年の11月に行われた公式オフ会の記事。
ユキナはブラックレインの"BASH"という人と仲良くなった様だ。
時折、ブラックレイン隊に混ぜて貰いバトルに参加していた。
徐々にブラックレインメンバーに受け入れられ入隊を勧められた。
最強部隊に席を置く事は実入りが大きい。
ブラックレインは評判が悪い部隊だった。
それも敵側が流すデマであると思えた。
強い部隊と強いメンバーに感激しており
色々な装備を貰ったりレベル上げを手伝って貰った様だ。
ブラックレインの評判を良くする為の広報的な役割も行っていく。
お陰で部隊のメンバーからはアイドル扱いでチヤホヤされていた。
いわゆる"姫プレイ"を謳歌してる様だ。
更に読み進めるとユキウサギに言い寄る部隊員は多い様だ。
本命のターゲットは最強の戦士で隊長であるオーディンだった。
ペア狩り、ミッションやコンバットではパーティーに成りたがる。
オーディンに自分の世話を焼かせる様に立ち回った。
その頃の日記にはオーディンと今日は何をしたかを綴っていた。
まるで2人はリアルでも恋人に思わせた。
恋人であるなら彼女がIDやパスワードを知り得る事もできる。
引き篭りの秋雄だが昼間の行動は晴夫にも家族にも解らなかった。
晴夫はユキウサギがオーディンのアカウントを盗んだと思う。
確信に迫りつつあった。
今年の春になる頃の日記。
ブラックレイン副隊長の1人"BRUISER"と仲良く成ってる。
ブルーザーとの関係が急速に深まった様に書かれていた。
二股の疑惑が沸いて来た。
6月2日の日記。
「今日はリアルデートでイン出来無いかも。みんなゴメンね」
と書いてある。
兄、秋雄のアカウントがハッキングされたのは
秋雄のメールの状況から6月5日と考えているので
直前に会っていた可能性もあると考えられる。
6月5日の日記。
「今日からブルさんが隊長なんだよー」と書いてある。
オーディンの事については触れていなかった。
ほとんどがブルーザー達とバトルに参加した時の話ばかりだ。
隊長の事をなぜスルーにするのだろうか疑念が沸いた。
先週の日記。
通称"カニ"と呼ばれるユニーク機体"Crustacea EX"
ピンク色に染めてバトルに参加した時のSSが貼られていた。
完全勝利のガッツポーズを決める
うさ耳を着けたピンク色の服を着る美少女のアバター。
にこやかに微笑んでいた。
ユキウサギは秋雄と仲良くなり近付きパスワードを聞き出した。
そのパスワードを使い他の場所からログインする。
アカウントを乗っ取っりメールアドレスとパスワードを変更。
その後、オーディンをブラックレインから除隊させた。
オーディン無き後ブルーザーを隊長に仕立てた。
これが晴夫の想像した筋書きだ。
人の物を盗んでそれで強く成っても意味など無い。
晴夫は悔しさに震えた。