第3話 MARU2
## 2013.6.24
翌週の月曜日から晴夫は学校に登校した。
先生や同級生は晴夫に気遣い話し掛けるのを躊躇した。
友達の2人も晴夫に気遣い何時もの様に軽い話はしなかった。
ただ一言「元気出せよ」と言うのみだった。
友達の2人は当然この一週間もゲームを楽しんでいただろう。
部隊はもう作ったのだろうか部隊名は何にしたのだろうか
晴夫は知りたかったが今は聞く事が出来なかった。
放課後、担任の先生にも職員室に呼ばれ励まされた。
晴夫が休んでいた1週間の話を聞かされた。
高等部では全校集会が開かれたり
家族説明が生徒指導部により行われた様だった。
一部マスコミも学校にやってきた様だ。
何処から漏れたのか死因はゲームのやり過ぎによる
衰弱死と報道されていた。
そんな一日を終え晴夫が帰宅すると両親は居なかった。
両親共に今日から仕事に復帰していた。
晴夫はまた秋雄の部屋に行くと中央のパソコンの電源を入れた。
この前の通りの手順でパスワードを入れ
キャラクター選択画面まで辿り着いた。
やはり兄、秋雄のキャラはいない。
点滅を続けるキャラクターメインキングのボタンをクリックする。
手順はPZ4版と全く同じであった。
キャラ作成時、最初に1回だけ必ず選ばないといけない事がある。
それは陣営だ。
このゲームの世界はある国家での内部紛争である
そのどちら側に属するかを選ぶのである。
晴夫はPZ4版と同じ"ラルーラ王国軍"を選択した。
敵対するのは"ソレーユ独立軍"だ。
ゲームの舞台は近未来の地球。
アフリカ大陸にある海岸と山脈に挟まれたとある小国だ。
西暦2045年に即位した女王の名であるラルーラに国名を改めた。
しかし政治は貧困から困難を極め、
内紛は収まらず王国軍と独立軍の戦いは激化していった。
開戦から30年余り両軍はそれぞれ後ろ立てに大国が付き
武器や食料が供給される代わりに多くの傭兵を雇い入れた。
その傭兵がつまりプレイヤーだ。
画面が切り替わった。
次はサーバーを選ぶ画面だ。
ここはもちろん上から3つ目にある"オグン基地"を選択する。
次にキャラメイク画面が表示された。
男性キャラか女性キャラか聞かれるので
そこは迷わず男性のキャラクターを選ぶ。
すると標準的な体形が均等に整ったキャラクターが表示された。
金髪のイケメン男性キャラだ。
"MARUO"の容姿その物である。
何も変更もしていない標準値のキャラなのだ。
晴夫はまた容姿の変更を何も加えず
そのまま決定ボタンをクリックした。
一般的にプレイヤーは髪型を選んだり
髪の色、目の色、輪郭、目鼻口のサイズや体型など
幾つもあるパターンから選択し組み合わせて作る、
性別だけでなく年齢も10代後半~50代位まで表現が可能だ。
しかし晴夫はめんどくさいのか照れくさいのか
キャラを作り込みする気に成らなかった。
後で有料アイテムさえ買えば何度でも容姿変更は可能である。
今の容姿に飽きたら今度は時間を掛けて直せば良いと思っていた。
「キャラ名を入力してください」と書かれている。
"MARUO"と入力し決定をクリックした。
しかし「この名前は既に使われていています」と表示された。
当然だが1つのサーバーで同じ名前は使えない。
同じ名前があると紛らわしいし
他人の振りをして不正する輩が現れるからだ。
晴夫自身がPZ4版から同サーバーで使ってる名前だから使えない。
もし"MARUO"を使いたければ
"MARUO123"の様に後ろや前に番号を付けるのが一般的だ。
晴夫は少し考え"MARU2"と入力し決定をクリックした。
今度は直ぐに承認された。
ロビーエリアに現れた"MARU2"は移動を開始した。
晴夫はPC版の操作が初めてなので戸惑った。
キーボードの"W"キーがレバーの前に当たる。
"D"が右、"A"が左、"S"が後ろだ。
"W"キーを長押しするとキャラクターは前進する。
キャラを左右に動かしたい時はマウスを左右に動かすと
キャラを支点に場景が動き左右に移動している様に見える。
つまり右に行きたい時はマウスを右に動かせば良い。
慣れると非常にやり易い。
MARU2は基地指令室に付いた。
PC版は矢印のマウスポインターが常時表示されている。
それを扉に合わせ左クリックをすると扉が開く。
基地司令兼大隊長は相変わらず大人気だ。
ポインターで基地司令をクリックすると
ミッションウインドウが開いた。
ミッション一覧からやり慣れた「敵機を撃破せよ!」を選ぶ。
マップはこれもやり慣れた「都市 エリアA」を選択する。
1人用の(ソロ)ミッションルームを作成した。
マシン選択画面に移行すると慣れた手付きで
最初のマシン"Judge-Tr"を選択した。
"Judge"シリーズ
Judge-Tr(無料配布)
Judge (課金アイテム)
JudgeII(課金アイテム)
"Tr"の他に有料の"無印"と"II"の3機種存在する。
初期のデフォルトカラーは黄色い。
頭上の両側にアンテナが2本付いており
目に当たる位置にセンサーの赤いライトが灯り赤い眼の様だ。
この弱々しいしいデザインが嫌で早々に装備変更したい。
ちなみに敵であるソレーユ軍の初期機体は"RUMBLE"シリーズ。
"Judge"シリーズとの違いは名前と基本色と細かいデザインや
ディティールは基本は全く同じ。
プレイヤーがどう強化するかだけの事た。
それは上位機体であっても同じで軍による差異は無い。
レア機やユニーク機であっても両軍に同数づつ存在する。
有料とは課金アイテムになっていてリアルマネーで購入できる。
まずはコンビニやネットで電子マネーを1口2000円で購入する。
次にその電子マネーで"coin"と言う専用の通貨に換金する。
現金2000円が電子マネーの2000円になり次に2000coinとなる。
複雑に思えるが1円=1coinなので解りやすい。
因みに"Judge"も"Judge-II"も200coinつまり200円なのだ。
レベル1~搭乗可能な機体(ラルーラ軍)
"Judge-Tr" 最初に無料配給
"Judge" 200coin 機動力up 防御力重視
"JudgeII" 200coin 機動力up 攻撃力重視
今、晴夫が格納庫の画面で見ている"Judge-Tr"は
初期装備の中距離キャノン砲を1門しか持っていない。
キャノン砲とは細身の大砲の事であり
タングステン合金の弾頭を用いて高い貫通力を持っている。
機動力は一番低い機体だが中距離からの強力な砲撃は
初級レベルのミッションでは十分有効である。
次々と迫りくる敵機に自機を高速で移動させ
画面中央にある照準に敵が合った所で
マウスの左クリック長押しすると2秒間隔で弾丸が発射される。
敵レベルにも寄るが序盤なら3発も命中すれば撃破が可能だ。
敵機は"Judge-Tr"相当の"RUMBLE(T)"である。
最後のボスと呼ばれるワンランク上の"ONGLE"タイプを含め
全40機を難なく撃破しミッションをクリアした。
"Congratulation!"
と画面に大きく表示された。
・・スコアウインドウ・・
1位 "MARU2" 撃破数40機/ロスト数0/評価S/ボーナス15000pv
・・チャットウインドウ・・
"MARU2"はlevel 2になりました。
"MARU2"は上等兵に昇格しました。
## 2013.6.25
翌日、晴夫は学校から帰ると
母親が帰宅するまでの数時間を"UFO"のスキル上げに費やした。
1人でミッションルーム作り繰り返し繰り返しクリアして行った。
それを友達の2人には内緒にしていた。
彼らは晴夫を気遣いゲームの話をしたり誘ったりしない。
逆に晴夫がゲームにやっている事実を話すのは辛いのだ。
晴夫は友達2人とこのゲームを遊ぶ事よりも
なぜ兄、秋雄がなぜ死ぬ程まで
このゲームに夢中になったのか知りたかったのだ。
なぜ人生よりも命よりも
このゲームを優先したのか知りたいと思った。
昨日の様にソロミッションを終え格納庫前に転送される。
次のミッションを申請する為に1階のロビーエリアを横切り
指令室へ向かう。
格納庫から指令室への直通エレベーターはあるのだが
なぜか少尉にならないと使えないという階級主義の徹底振りだ。
ロビーエリアは多くのプレイヤーのアバターでひしめき合う。
フリーチャットで無駄な会話を楽しいでいた。
所属部隊のお揃いの制服を着るキャラも居れば
ラルーラ軍の標準の制服を着るキャラもいる。
課金アイテムのメイド服や水着を着る女性キャラ
動物の着ぐるみを着るキャラまでいた。
・・チャットウインドウ・・
A:最近オデン居ねぇよな
B:垢BANらしいぜ
A:まじか?
B:晒し板に書いてあった
そんな会話がチャットに流れた。
晴夫にはオデンとは誰かのキャラネームなんだろうと思えた。
"垢BAN"とは"Account Banishment"。
つまりオンラインゲームやSNSなどで不正行為等により
運営側に強制的にアカウントを停止される事をいう。
晒し板とは大型匿名掲示板の中の1つで「UFO晒し板」である。
"UFO"専用の情報交換の場で主に不正や違反をした
要注意なプレイヤーのキャラ名を晒して注意を呼び掛けたり
敵軍のプレーヤーの事を有る事無い事いって煽ったり
罵り合ったりする卑劣な場外乱闘の場である。
以前、山野が太田に言っていた。
「そんな掲示板を読んでたらゲームが詰まらなくなるだろ」
ゲームに対するアンチが集まり易く常に会話が荒れている。
そのほとんどが嘘の情報なので読む方も理解が必要である。
純粋にゲームを楽しみたいなら読むべきでは無い。
しかし多くのプレイヤーはその会話から
敵軍プレイヤーの情報を得ているのも確かであった。
・・チャットウインドウ・・
A:じゃBR誰が指揮してんのさ?
C:この前、戦った時はブルだったぞ
A:副隊長かー
D:おい、キャラリスト見てみーオデン消えてねーぞ
B:確かにあるな。オンラインしてねーけどな
オデンは敵軍の"BR"という部隊の指揮官の様だ。
省略名かもしれないが"ブル"と言うキャラが副隊長だろう。
オデンも副隊長以上だったと言う事だろう。
同じサーバー内のプレイヤーならオンラインしているキャラの
ログイン情報は簡単に確認ができる。
フレンド検索画面を開き名前を検索すると
キャラネーム一覧が表示される。
そのプレイヤーがオンラインならキャラネームが白文字、
オフラインなら灰色文字になっている。
更にキャラネームをクリックすると
キャラクターウインドウが表示されレベルや部隊名などの
簡単なキャラのプロフィールやコメント欄などが表示される。
晴夫はオデンと言うキャラネームが何となく気になって
その2人にチャットに文字を打ち込んで声を掛けた。
・・チャットウインドウ・・
MARU2:あの・・オデンって人いつから居ないのですか?
しばらく沈黙した後に返事があった。
・・チャットウインドウ・・
A:最初にいねーなー思ったのは2週間前かな
B:奴らと当たるの避けてるから気づかなかったな
MARU2:どうして居ないのですか?
A:知らね~な~
B:つーかどうして理由を聞くんだよ
晴夫はなんか怒られたの様に思い返事が出来ない
するとチャット欄に違う色の文字が流れてきた。
オープンチャットは白い文字だがそれは水色の文字だった。
水色は"wis"直接チャットと言って1対1の専用チャットだ。
・・チャットウインドウ・・
ADA:それ以上喋るな
晴夫は"ADA"という名のキャラを使うプレイヤーから
直接話しかけられている状態だ。
しばらく返事をしないで沈黙を保っていると。
・・チャットウインドウ・・
ADA:横のボタンを押して直接を選べ
晴夫は慌ててチャットウインドウの横の
小さいボタンをクリックして直接チャットに切り替えた。
今はPCであるがこの機能はPZ4にもある。
まずは彼に謝罪する。
何も悪い事はしていないが怒っている様なので
謝っておいた方が良いだろうと思ったからだ。
・・チャットウインドウ・・
MARU2 :ごめんなさい
ADA :お前何を知っている?
MARU2 :何って?
ADA :何じゃねー
ADA :なんでオデンの事を聞いたんだ?
晴夫は沈黙するが何か引かれて話し始めた。
・・チャットウインドウ・・
MARU2 :兄の知り合いを探してます
ADA :おう、で名前は?
MARU2 :知りません
ADA :はぁ?心当たりは?
MARU2 :ありません
ADA :じゃぁどうやって調べんだよ
MARU2 :すみません
そのまま会話は途絶えて
ADAという名のキャラは何処かへ行ってしまった。
先ほどまで会話していた人達もいつの間にか居なくなっていた。
また別の多くのプレイヤーが増えてきていた。
晴夫は急に1人寂しくなってログアウトした。
時計を見ると17時30分を過ぎていた。
そろそろ母が帰ってくるので自分の部屋に戻る事にした。
ふと兄の勉強机の上を見ると綺麗に整頓されており
数冊のノートが置かれていた。
母が先日部屋を片つけていた。
その時に並べて置いて行った物だろうと思った。
「心当たり」
晴夫は独り言を呟いた。
まずは兄のキャラクターの名前を調べるしかない。
しかし検討は付かなかった。
"akiy"と言うキャラ名は使われていた。
そしてそのプレイヤーはオンライン中だったのだ。
## 2013.6.26
翌日、学校から帰ると母が居ない事を確認する
真っ先に自室へ向かう
自分のノートパソコンを取り出して電源を入れた。
このパソコンのOSは2世代も前のモノだ。
もう保障期限が迫っている
保障が切れるとネット接続は危険な様だ。
秋雄のパソコンに比べ物凄く動作が遅いと感じる。
検索サイトで"UFO晒し"と書いて検索を掛けた。
1ページ目に該当がたくさんヒットした。
その中から
"UFO晒しオグン鯖撃墜数235機"
と言う名の掲示板を開いた。
撃墜数235機は235ページ目を表している様だ。
一番新しいコメントから逆上って
秋雄の死んだ日までのコメント辿って
"オデン"の事について調べる事にした。
または他に居なくなった者は居ないか。
仮に兄が長時間のプレイヤーだったとしたら
突然いなくなれば何らかの情報が書かれているかも知れない
と晴夫は思った。
"UFO晒しオグン鯖撃墜数234機"
次の板へ逆上る事になってしまったが少しだけ情報は進展した。
"オデン"と言うキャラネームは愛称で正しくは"ODIN"。
ODENと書く事もありローマ字読みでオデンである。
"ソレーユ独立軍"の"BR"ブラックレイン隊の
隊長オーディン少佐であった。
オーディンとは北欧神話に出てくる闘神の名前から
取ったと思われる。
そんな誰しもが使いたいキャラネームを取っている時点で
最古参メンバーである事が確定した。
ブラックレイン隊という敵軍最強の部隊で
不正でも何でも勝てば良いと思っている
最凶のキ○チイ連中の集まりだとか。
酷い書かれ様だった。
掲示板では"ODIN"と"BR"の悪口が特に多く書かれていた。
なぜなら"ODIN"が"コンバット"対戦で得たポイント合計を競う
ランキング一覧表で常にオグンサーバー両軍総合で
1位であり、2位との差は大きく
最早それを抜く事は不可能とさえ言われていた。
事実上、ゲーム廃人である事は間違いなく
この世界のキング又は神たる存在であった。
また"ブル"と呼ばれたプレイヤーは"BRUISER"ブルーザーと
言うプレイヤーでブラックレインの副隊長をしていた。
秋雄が死んだのが6月13日。
"ODIN"がログインしないと
初めて書き込みされたのがその3日前の10日。
ここで疑問が沸いた。
秋雄は死んだその日もUFOをプレイしていたとすると
6月13日まで"ODIN"はログインしている筈だ。
しかしログインしなくなったのは10日かそれ以前。
晴夫は疑問に思いもう少し前まで逆上ってコメント拾った。
そしてその中に気になるコメントを見つけた。
・・6月5日の名無しさんのコメント・・
オデン抜けたらしいよ
"ODIN"はどうやら6月5日にブラックレインを除隊した様だ。
その理由を調べようとしたが情報の収集が付かない程に
憶測で満ちていて晴夫には全く絞り込む事はできなかった。
秋雄の亡くなった日は6月13日。
その一週間前になるが
それだけでは秋雄がオーディンとは言い難い。
しかし他の古参メンバーの引退情報は書かれていなかった。
もし秋雄が長時間プレイヤーの1人とした場合、
6月13日以降、全くログインしていないなら
情報のひとつでも書き込みがある筈だった。
「でも・・」
晴夫は独り言を発し冷静に考え直す事にした。
兄がオーディンと仮定し時系列をまとめる。
6月5日にオーディンは仲間に納得して貰い
ブラックレインを除隊した。
6月10日くらいに何らかの理由で垢BANとなった。
自ら消した可能性もあるだろう。
3日後の6月13日に別のキャラでプレイ中に死んだ。
今週の日曜日6月23日に晴夫がログインした時
兄のキャラは1つも無かった。
解らない。
考えても無駄だ。
晴夫は兄の部屋に向かいパソコンの電源を入れた。
早々にログインするとフレンド検索で"ADA"と打ち込んだ。
白文字、ログイン中だ。
クリックしメッセージを送るを選択して
"wis"直接チャットで呼びかけた。
・・チャットウインドウ・・
MARU2 :こんにちは、お話があります
やはり返事は無い。
30分が経過した。
晴夫は諦めかけた。
・・チャットウインドウ・・
ADA :ごめん、誰だっけ?
晴夫は拍子抜けしたが気を取り直して、
・・チャットウインドウ・・
MARU2 :昨日、オーディンの事を聞いた者です
ADA :あぁーあれねそれがどうかした?
MARU2 :いえ、あの
ADA :文句?
MARU2 :違います
ADA :じゃぁ何?忙しいんだけど
晴夫は決心した。
もうこの人しか頼る人はいない。
・・チャットウインドウ・・
MARU2 :兄かも知れないんです
ADA :え、誰が?
MARU2 :オーディンです
沈黙が流れる。
・・チャットウインドウ・・
ADA :まじか
MARU2 :これ兄のパソコンなんです
MARU2 :兄はゲームをプレイ中に死にました
再びたっぷりと沈黙が流れる。
・・チャットウインドウ・・
ADA :それニュースで読んだわ
MARU2 :兄かも知れないです
ADA :何で解る、釣りじゃないよな
MARU2 :釣り?
ADA :嘘じゃないよな
MARU2 :あ、はい
ADA :解った、この事は誰にも言うな
MARU2 :はい
ADA :で、キャラはどうした?
MARU2 :無いです何も無いです
ADA :そんな筈ないランキングリストにはある
ADA :悪いけどとりあえずフレンド登録しといてくれ
MARU2 :はい
ADA :調べてみるわ、何か解ったらチャットする
晴夫のモニターにフレンド申請ウインドウ表示される。
フレンド登録するYES/NO?
晴夫はYESをクリックした。
晴夫には根拠など無かった。
ただそう感じただけだ。
もうこれしかないと思った。
晴夫はゲームをログアウトして
パソコンをシャットダウンして電源を切った。