表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
213/419

気になる!

「気になる……あー、やっぱり気になる!!」

「ヒューリ、うるさい」

「何だよ、シンシアは気にならないのか?」

「……」

「リリアも気になるよな!」

「えっと、私は……」

「そんなに気になるなら、直接聞いてみればいいじゃない」

「うっ!」

「聞けばいい」

「ぬっ! じゃあシンシアは聞けるのか?」

「……」

「聞けるのか? 聞けないんだろ? 聞いてみろ! この口で、ほらっ!」

「アー!」

「ヒューリさん! シンシアをいじめないでください!」

「うぅ、すみません」

「ヒューリの、バカ」

「くっ!」

「もう、しょうがないわね。こうなったら、最終兵器を使うしかないんじゃない?」

「最終兵器?」

「そう、最終兵器」

「なんだそれは?」

「それはねぇ、ミアよ」

「おぉっ!」

「ミアに聞いてもらえばいいのよ」

「そうですね、それがいいと思います!」

「フェリシア、頭いい」

「うふふ、ありがと」

「リリア、ミアはいつ頃帰ってくるんだ?」

「えっと、そろそろ帰ってくると思います」

「社長とミナセは?」

「お二人は、遅くなるって言っていました」

「そっか。じゃあちょうどいい……」

「ただいまー!」

「ミア!」

「はいっ!」

「そこに座れ!」

「はいっ、すみませんでした! って、えっと、私、何かやっちゃいました?」

「ごめんね。ヒューリ、ちょっと気が立ってるのよ」

「気が立ってる?」

「あー、悪い悪い。そんなとこに座ってないで、こっちに来てくれ」

「ヒューリさんが座れって言ったのに……」

「リリア、ミアにお茶を!」

「はい!」

「シンシア、肩をお揉みしろ!」

「分かった!」

「ちょ、ちょっと、何ですか!?」

「ミアさん、お茶です!」

「あ、どうも」

「ミア、気持ちいい?」

「うん。あ、もうちょっと下を……」

「落ち着いたところで、いいかしら?」

「はい……って、あの、フェリシアさん、少し近い、です」

「あら、ごめんなさい。私としたことが、ちょっと焦っちゃったわ」

「……」

「じゃあヒューリ、お願い」

「えっ、私?」

「そうよ。だってあなたが言い出したことじゃない」

「むむ、仕方がない。じつは、ミアに頼みがあるんだ」

「何でしょう?」

「えっと、まあ、その……ミナセのことって言うか、社長のことって言うか……なんだけど……」

「はあ」

「……あのさ、最近社長が、ミナセのことを、”ミナセ”って呼ぶようになっただろ?」

「はい、そうですね」

「それでさ、その……どうしてそう呼ぶようになったのかが、ちょっと知りたいなって、思ったりして……」

「それなら知ってますよ」

「なにっ!?」

「誰に聞いたんですか!?」

「社長だけど……」

「ミア、強い」

「あなたって、やっぱり最終兵器ね」

「で、社長は何て言ってたんだ?」

「はい。ミナセさんがあの男と戦ってた時、思わずミナセって呼んじゃったらしいんです。そしたら戦いの後、ミナセさんに、これからもそうやって呼んで欲しいって言われたらしくて」

「なるほど」

「社長も、何となく気になってたって言ってました。ほかのみんなは呼び捨てなのに、ミナセさんだけ特別扱いしてるみたいだったって」

「そう、なんだ」

「ちょうど良かったって、社長、笑ってました」

「分かってしまえば、どうってことない理由だったわね」

「まあ、そうだな」

「ちょっと安心しました」

「納得した」

「こんな感じで良かったでしょうか?」

「助かったよ、ミア。これで今夜からゆっくりと……」

「ただいま」

「げっ、ミナセ!」

「ん? 何をそんなに慌ててるんだ、ヒューリ」

「い、いや、な、何でもないよ」

「ヒューリ。私は最近、新しい力を会得したんだ」

「新しい力?」

「そうだ。それは、嘘を見抜く力だ」

「何だって!?」

「お前、今嘘ついてるだろ」

「あ、いや……」

「隠し事、してるだろ」

「そ、そんなこと……」

「ミナセさんの新しい力、凄いです!」

「ミア、あなたって……」

「ヒューリ!」

「はいっ!」

「そこに座れ!」

「はいっ、すみませんでした!」

「だいたいお前は昨日も……」

「ヒューリさん、かわいそう」

「ヒューリ、残念」

「ヒューリさん、何で怒られてるんだろ?」

「うふふ、いつも通りね」


第九章の後日談、おまけのお話でした。

お読みいただきありがとうございました。

次回から、第十章が始まります。毎週水曜日の午前0時更新です。

引き続き本作品をよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ