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恐竜日和 ウォーク・アバウト  作者: ニジヘビ
ミリタリーお茶会編
53/138

053:禁じられた戦術

ガバメント残酷物語始末記。

かぁわぁのぉそぉばぁをぉとぉるぅかぁぜぇわぁ~

って、年末進行でアホみたく忙しかったよ。



 053:禁じられた戦術


 あ~、もう14時回っちゃったよ!

 時間が足りね~!

 悠長にラーメン喰ってたからだろう、とかのツッコミはナシ。アレは戦闘のための必要経費(?)だ。

 オレたち3名(オレとジョンソン少佐とポール)は、自衛隊さんの指揮装甲車1台と保護者輸送用トラック2台を先導し、隊長たちと修理を待つハムヴィー1号が滞留しているポイントまで戻る途中なんだ。


 3キロほどの道のりを、"障害物"をどけたり迂回しながら1時間ほどかけてノロノロと走り、ようやくホッとする顔ぶれが見えて来た。


「お茶の時間まで1時間を切ってしまったな」ジョンソン先生(少佐)が、腕のオメガをチラ見しながらつぶやかれた。


 みんないる。

 隊長たち人間勢も発症者(以下、恐竜)勢も、元気そうだ。

 そして、獲物と言うか戦果というか、襲撃して来て返り討ちにあった恐竜の山が出来ている。

 その横で、バリオニクスの平さんが見張りに陣取っていた。

 保護した恐竜たちも緊張はしているものの、怯えた様子はなくまずまずだ。


 先生は、大隈三佐と大迫二尉をチームに改めて面通しする。

 今回は略式とは言え、自衛隊さんの地域統括の来訪と言うこともあり、チーム一同捧げ銃("ささげつつ"と読む。正式には銃剣を着けて行う、最高位の礼。"ささげじゅう"と読んだヤツは懲罰として腕立て100回!)で礼賛する。

 情けないが、オレだけひび割れたM.E.U.ピストル(コルト社の半自動拳銃、ガバメントのUS海兵隊カスタム仕様)だけ。早くもジェシーの目に晒すことになるので気が重い。

 大隈三佐を始め、自衛官一同も捧げ銃で返礼。

 ポールはM.E.U.を見ると、ギョッとした目で一瞬オレをチラ見するが、よくやったな、とでも言うように微笑み、視線を前に戻した。

 自衛官の中にも、時折オレの銃に目を向ける者もいるが、笑うようなヤツは居なかった。


 隊長と副長は大隈三佐と保護した恐竜の移送と捕縛した恐竜たちの処遇に付いての話し合いに入る。

 大迫二尉と先生は、捕縛した恐竜の山を検分に行った。


 オレはというと、ジェシーにワビ入れだよ。気が重い。

「トウヤ」こちらから出向く前に、ジェシーからお呼びがかかる。

「ジェシー、すまない。M.E.U.壊しちゃった」

 オレは、恐る恐るお借りしているM.E.U.ピストルをジェシーに見せた。

 チェンバーが熱クラックまみれで膨らみ、スライドまでパンパンに膨らませた上、周囲が熱で灼けて虹色に変色している。

 もうスライドを引くこともできないし、マガジンリリースボタンを押してもマガジンが降りてこない。

 銃口もひび割れて、バレルブッシュを一杯に押し広げている。

 フレームもバレルピンの周りがクラックだらけだ。

 ジェシーは目を見開くと、涙を流しながら顔を真っ赤にさせた。

「何てことするのよ!!!あれ程連射に気を付けって言ったのに!!!」


 お怒り、ごもっともです!ホント、ゴメンナサイ!!


「お待ち下さい、少尉殿」自衛官の一人が、作業の手を止めて走り寄って来る。

「ルーキーの教育中ですのでお引き取り下さい!」

「無礼を承知で申告させていただきます。

 山本少尉はその1丁の銃で、50名の人質を救いました。

 それも見たことがない早業でした。

 自分は所属こそ自衛隊ですが、山本少尉は称賛されこそすれ叱責を受ける謂れはないものと確信する次第であります」

「なんですって!?」

「自分もであります」

「どうしたのだね、シャルビノ少尉?」ジョンソン先生他がジェシーの怒声に集まって来る。

「山本少尉が機材を破損させたので、指導中です」

「少尉、先輩としての君の言い分はもっともだ。だが、ここはせめて注意にとどめておいてくれないか?」

「シャルビノ少尉、山本少尉はバディのエストラーダ中尉と共に、その銃1丁で素晴らしい働きをした。

 あの短時間であそこまでの戦果を挙げるのは快挙と言える。

 その結果、機材が破損してしまったとしても、無理はないことだった。

 すまないが、怒りを収めてはもらえまいか?」大隈三佐がよりにもよって頭を下げて来る。

「オレも見ていた。確かに、銃の限界を、超える使い方だったのかもしれん。あの場は、他にやりようがなかった」ポールは悼むように銃を見つめながら言った。

 ジェシーは涙を拭くと、集まって来た一同をゆっくりと見回した。

そして、どうやら真相を悟ったようだった。

「…そうか、暴れん坊のトウヤと頑張ったんだね、このコ」

 ジェシーはひびだらけの銃をそっと手でなぜ、自分に言い聞かせるようにつぶやく。

「ゴメン。あの場を凌ぐのに他に仕方がなかったんだ」

「分かった。怒鳴ってゴメン。

 それにしても、いったいどういう撃ち方したのよ?」

「ブローバックが間に合わなかったんで、ショットガンみたくスライドをポンプアクションしたんだ」

「はあ?(×17)」

「どうやったらそんなことできるのかは別として、原因は分かったわ。

 もう、その撃ち方禁止」


「…誰かの、命が掛かっていても?」


「納得出来ないでしょうけど、その問いに答えは出せない。

 代わりに、一つの命令で代えさせてもらうことにするわ。

 生還出来ない戦術をとってはダメ。

 いい?」


 …へえ。オレの問い、YesでもNoでも適当に濁した返答を返すでもなく、しっかり受け止めて"返答不能"を返して来たよ。

 やるじゃん、シャルビノ少尉。


「…分かった。生還出来なくなる戦い方はしない」

 ジェシーはホッとしたようだった。

「道具や戦術に頼る兵士は早死にする。

 あなたは確かに強い。けれど、あまりにも危ういのよ。

 あなたは、銃はクルマと同じで消耗品だと言った。

 確かに、銃やクルマを身代わりに出来るうちはまだいい。

 でも、それが出来なくなったら?

 あなたは替えが利かないのよ。

 シンプルに言えば、ウチのコに死んで欲しくないだけ。

 アタマがよくて優しくて強い恐竜を失うのは悲しいわ。

 だから、今の命令は私のエゴも入ってる」

「全く。先導斥候ポイントマンのK9(軍用犬)役の恐竜にムチャ言ってくれるよ。

 とにかく、もうやらない。次からはもっとガバを気遣う。

 ガバを妊娠させると、ママ(ジェシー)が泣き出すのがよく分かったから」

「もう、バカ!」

「ハッハッハ、ひと段落付いたようだし、一休みしてお茶にしよう。

 物資にローイン大尉のマフィンがあったはずだ。

 トウヤ、探して来てくれ」先生が場をまとめる。


 マフィン、いいね。

 そういうタスクなら大歓迎だ。

 オレはミハルと一緒にお茶受けを探しにハムヴィー2号を漁りに行く。


「あ、手伝いましょう」大迫二尉もついて来た。

「大迫二尉。トウヤさん、一人で突っ込んで行ったんですって?」ミハルが二尉に訊いた。

「ええ。エストラーダ中尉の援護があったとは言え、神業でしたよ。

 あの人数を前に、よく切り込んでいけましたね」

「業にムカついたからですね」

「業?」

「自分と違う姿を疎む業。殺さずにいられない業。人として生きられない業。

 人間だろうが恐竜だろうが、腐った業が淀んだ業を呼ぶあの場。

 オレはそれが許せなかった。

 オレが撃ったのは人間でも恐竜でもなかった。

 多分、銃がもたなかったのは、神とか悪魔とかそんな感じのものを撃ったからかもしれませんね」

 あんなバカげたこと、マジあるんだよな。先生も大迫さんもアフリカや中東でああいったの目の当たりにしてきてるんだよ。

「大迫さん。あなたたちはこの後、あの人間たちをどうまとめていきますか?

 これは、保護した者が別の保護した者を襲う、敵見方の観点がない争いです。

 どう対処していきますか?

 自衛隊さんだと武威で抑えるのは、法律上立場が危うくなるでしょう?

 この手の問題に関しては、警察でも手を焼いてるんだよね?」

「ええ。残念ですけど、警察では事件が起こらない限り、能動的には対処できません。ちょっとでも立ち入れば逆に国家権力の横暴、と吊るし上げられてしまいます」元婦人警官のミハルも、ため息交じりに同意する。

「考えて行かないと、日本も他の国と同じように滅びますよ」

「人間と発症者を分ける…のはいい考えではないですね」大迫さんも考え出す。

「そう。争いの火種を分けたに過ぎません。

 オレも答えは出かかってるんですけどね。

 オレがコトを終えた後、人質と襲撃犯への救護で、発症者たちも協力していたと話してくれましたよね。

 あの感じ、作れませんかね?

 みんなで、何かやるような、そんな」

「ああ、アレですか。アレはよかったな。

 そうですね…。

 多分、保護を求めて来る方はまだ増えるでしょう。

 テント設営を一緒に手伝ってもらうとか、パトロールの護衛に就いてもらうとか、振れそうなことはいくらでもありますね」

「まずは、避難所の周りをきれいに片づけてみたらどうでしょうね?」ミハルが意見を出して来る。

「ああ。それなら人手がいくらあっても足りないですね。いいアイデアです。それ採用させてもらいますよ」

「じゃ、そのセンで」

「じゃ、そういうコトで」


 うん、好さそうな感じだ。

 三人でフィストバンプでまとめる。


「そう言えば、始祖鳥の藤沢さんはどうなった?」

「戦闘にかかりきりで付いていられなかったので、保護した方が見てくれていますよ。ちょっと寄りましょうか」

 ハムヴィー1号の後席で寝かされている藤沢先生は、目を覚ましていたようで、オレたちが行くと、首をもたげた。

 フットスペースでは、初顔の小型恐竜が二人いて、ライフルの30連マガジンを抱えるようにうずくまり、弾丸込めしてくれていた。二人ともオレに気付くと、薬莢片手に会釈してくる。

 デイノニクスを極端に小さくした姿。前肢の指の数も脚の鉤爪までそっくり揃っている。

「この人たちは?」

「佐野さんと小野さん。副長が言うにはドロマエオサウルスだそうです。民間の方ですけどマガジン・ロードを手伝ってくれて大助かりでした。ガンショップやってるそうで、銃に詳しいんですよ」


 ドロマエオサウルス。

 デイノニクスの科名であり元祖の種か。

 オレたちデイノニクスが人間大のサイズなのに対して、ドロマエオサウルスは中型犬程度と小さく、羽毛の色を除けば、オレが初めて見た恐竜ヴェロキラプトルによく似ていた。

 ヴェロキと違い、ドロマエオの方は幾分体格ががっしりしている。ヴェロキが陸上アスリートならドロマエオは格闘家という雰囲気だった。

 オレたちのオリジンもこうだったのか。

 後で調べたら、ドロマエオはデイノニクスと同じ北アメリカ(それぞれサスカチュワンとモンタナ)出身。ヴェロキはモンゴル。住んでたクニは違う。

おそらくルーツは一緒で、氷河期のアルタイ系人(モンゴロイド系のルーツ)の人間のように、住みやすい土地を探して世界を旅して行ったのかもしれない。

そして、それぞれの土地での生活に適した体形に、変わって行ったんだろうな。

 種こそ違うものの、1億年前でも似たようなことやっていたなんて、地球の生物っていうのはどこかで同じトコあるんだろうね。

 大型化してぶきっちょになったオレたちと違い、マガジンにタマ込め出来るのはちょっと羨ましいかな。


「初めまして、山本です。

 ガンショップですって?ひょっとしてこの近く?ダット5の店員さんだったりとかしませんか?」

「ええ。私が店長でコイツはタダ働き」

「共同経営者だろうが!」

 この二人も会話能力が回復しているようだ。

「ハハハ、オレもタマにお邪魔させてもらってますよ。今エアコキ・ライフル(エアポンプコッキング・ライフル。発射用エアポンプを手動で引く方式)欲しいんですよね。今度、相談に乗って下さいよ」ガンマニアやサバイバルゲーマーの間じゃかなり有名な店なんだ、ダット5。取り揃えている銃のラインナップもセンスがよく、カスタムパーツも質のいい売れ筋からコアなものまで幅広い。前のオーナーの経営方針が気に入らなかったとかで、店を買い取ったというその筋のウワサ。

「お~イキだね~。一段落したら、店に来なよ」

「カスタムストックもあるし、ついこないだ注文していたカスタムのライフルが入荷したよ」

「ええ。やっぱり、ストックやグリップはウッドがいいんで」

「おお、話せるヤツだ」

「そうそう。オレたちもジェシーさんのM700に一目惚れしてね」あ、それ分かる。「で、戦闘のお手伝いしてるウチに仲良くなったワケです」

「言えてる言えてる。

 所で、お茶の時間なんです。お茶受けをハムヴィーから引っ張り出すんで、手伝ってもらえますか?

 そして、藤沢さん、お加減はいかがですか?手術は大成功だそうですよ。

 動けるようなら一緒に行きましょう。全員参加ですよ」

 ケガの手前、動くのはあまりよくないが、会話能力回復には、人の中にいる方がいい。

 藤沢さんは、まだ麻酔が残っているのか、少しトロンとした様子だが、首をもたげる。

「ああ、おかげさまで。連れて行っていただけるのでしたら、同席させてもらいます」

 …え~と。「藤沢さんは日本語喋れていましたっけ?」色々ありすぎて覚えてない。

「え?」

「言葉、戻ってますよ」

「…おお、素晴らしい!」なんとも理知的なリアクションに、逆に笑いが漏れる。藤沢さんてこういうキャラなのかな?それとも数学者ってこういうモンなのかね?

 身を起こそうとする藤沢さんに少し待ってもらい、先にオレたちはマフィンを取りに行く。

「山本少尉、一体どうやってこんなに次々と回復させているんですか?」大迫さんが不思議そうに訊いて来る。

「先程も返答しましたが、まだ調査中なのです」オレはニヤっと笑う。

「そうですか。調査中なんですね。とは言え、何も手出し出来ないままというのも自衛隊としてナンなのですよ」

「そうですね、確かに。じゃあ、さっき保護したオルニトレステスの渡辺さんとお茶しましょう。

 呼んで来てもらえますか?秘訣を伝授しましょう」

 大迫さんは、訝しげな顔をしながらも、トラックの方へと足を向けた。


 マフィンの箱は、大体の場所はオレたちが嗅ぎ分け、狭い車中に入り込んで行ったドロマエオ・コンビのお陰ですぐに見つかった。

 オレたちはイヌより鼻が利くんで、匂いですぐ分かる。

 オレはミハルと箱を引っ張り出す。

 箱はそれ程大きくないし軽いので、ドロマエオ・コンビに運んでもらうことにして、オレは藤沢さんを抱える。


 場に戻ると、みんなでオレのガバを"見せろ見せろ"と盛り上がっていた。

 ドロマエオ・コンビも見たがったので手渡す。

「これはすごい。溶けかかってスライドが融着しかかってるよ。これは頑張ったな。神社に奉納するか供養してやった方がいいよ」えーと、こちらは体格がスマートだから小野さんの方か。

「トウヤさん、替えの武器はどうしますか?」ミハルが聞いて来る。

「ないならないなりに戦うけど、誰か貸してもらえないかな?」オレはチームの誰かに聞いたつもりだった。

「なら、これを使え」大隈三佐が足元に置いていたライフルを持ち出して来た。


 89式小銃。

 弾丸は確かウチのと同じ.223レミントン(正確には5.56mmNATO)で、マガジンもM4と共用できる上、反動も少ない優れモノ。

 名器AR-18を元に、自衛隊が魔改造したとかなんとかいう、とにかくジャムらない(装填不良を起こさない)し壊れない、世界有数の高信頼アサルトライフル。

 元々は日本国内での運用しか想定していなかったにもかかわらず、中近東で気温50°Cの真昼の砂漠でも、作動不良を起こさずにしっかりと隊員たちの命を守り通したという逸話まである。

 オレたち海兵隊が使っているM4は、AR-18のアニキ分というか前身モデルでもあるAR-15(M-16)の進化版とはいえ、初期モデルデビューのベトナム戦役ではバリバリに、改良に改良を重ねた最新型のM4でもマガジン数個撃っただけでなんだかんだでジャムる。

 まあ、なんだ。1丁35万円程のライフルと1丁18万円程のライフルを比べること自体が間違っているのかもしれない、

 とは言え、やはり道具は信頼性のあるものを選びたい。


 -だから。


「こんなイイ銃、オレにはもったいないです。相棒のエストラーダ中尉にお貸し下さい。お願いいたします」

 いくら狩猟恐竜のオレが付いていたとは言っても、体長10mオーバーのティラノ3頭に、アサルトライフル1丁で立ち向かって行くヤツなんだよ?ポール・エストラーダという男は。

 しかも、初戦での戦闘経験を見事に活かし、たった一人でマガジン1つでティラノを全て倒した戦士。

 コイツにM4持たせてオレが89式なんてダサいマネできるかよ。

「じゃあ、オレのM.E.U.貸してやる。壊すなよ。自前でカネかけて、カスタマイズしてるんだ」

「どんな?」

「ポイントマンのオレも、銃をバカ撃ちする。だから、バレルとスライドを耐熱合金で、スペシャルオーダーした。ワンオフ(1点物)なんで、2000ドル」確かガバって安いヤツで500ドル位から買えたよな。22口径バージョンとかだと300ドル位だ。

「2000ドルって…89式とほとんど同じ金額ですよ!?拳銃のバレルとスライドだけで?」大迫二尉が目を丸くする。

「なんでも、削るのに、クソ手間かかる。インコネルなんとかいう」

「それ、ジェットエンジンとかロケットエンジンのタービンに使う素材だよ」もう、ツッコミようがない。そもそも溶けたらネトネトになって張り付く合金を、よくもまあバレルに転用できたもんだ。金額も考えると、銃器用に組成を調整しているのかもしれない。

「オレがマガジン30本、ガンガン撃っても、ビクともしなかった」

 そりゃスゴイ。

「本当にいいのか?」

「三佐殿がOKしてくれたらな」

「すみません、三佐殿。私のワガママで」

「よかろう。大事に使ってくれ。備品は後で避難所に取りに来てくれ。君こそ相棒の銃を壊すなよ?」

「壊したら弁償するよ」

「おいおい、壊すこと前提かよ」

「この日本恐竜とアメリカ人イカレてる…」


 オレはポールからM.E.U.強化カスタムを受け取り、ポールは大隈三佐から89式小銃を受け取った。


「アレサンタ?なんだコレ?」

 あれサンタ?今は5月だぞ?

「イズ・セレクタリー・オーダー?

 ア・イズ・アンゼン、ミーンズ・セフティ。

 レ・イズ・レンシャ・ミーンズ・フルオート。

 スリー・イズ・3ショットバースト。

 タ・イズ・タンパツ・ミーンズ・セミオート。

 OK?(並び順か?アは安全でセフティ。レは連射でフルオート。3は3点バースト。タは単発でセミオート。OK?)」三佐が合いの手がてら説明してくれた。

「ホーウッ!ソー・グッ!!セーフ・ネクスト・フルオート!AR-18ライク・レシーバー!。アイワンテッド・ディス・オールタイム!!(ホーウッ!。サイッコー!!セーフの次がフルオートになってる!AR-18と同じ機関部!ずっとこんなの欲しかったんだ!!)」フィーバーしたポールがネイティブに戻ってる。


 チャララ~ン。ポールは倶利伽羅のアサルトライフル(89式)を手に入れた!

 チャララ~ン。トウヤは毘沙門ポールのM.E.U.強化カスタムを手に入れた!


 なんてな。

 相方が喜んでくれてよかった。

 それに、ジェシーには言わなかったけど、さっきちょっと計算したら、オレがガバでやらかした連射ヘマは、記録用のヘッドカムの録画時間から逆算すると分間2100発ほど、ミニガン並みの速度だった。

 慣れていない状態でもあれだけのシャクリ連射が出来たんだ。慣れたら、あの比じゃなくなる。

 ジェシーとの約束もあるから、そうそう使えるワザじゃないものの、壊さない保証はどこにもない。


 フルオートなぁ…。オレって壊し屋なのかな。壊れねぇテッポって作れないもんなのかね?


「そういやポール。GPMG(M60多目的機関銃)使っていないけど、どうしたんだ?」

「ああ。

 アレは大物を殺す分にはいい、それ以外の用途だと強すぎる。オマエくらいのダイナソーだと殺しちまう。

 eブレットは強力だ。デイノニクスくらいなら5.56mmを1発食らえば倒れる。レックスでも、撃つ場所考えれば、バーストで足りた。

 ハチキュー、コイツはイイ。M16のジャムには何度もキモが冷えた」

 最後だけスラスラとセリフが出てきた所、シャレにならない実状が感じられた。

「フォアグリップつけられれば最高なんだがな」

「あるよ」ドロマエオの小野さんだった。

「え?」

「ウチにある。89用のアンダーレールとフォアグリップ。店に行けるなら、すぐ出せる」

「ああ。フィッティングもすぐやってやる。カネは後でもいい」相方の佐野さんだった。

 オレはポールと顔を見合わせる。

「行こうぜ(×2)」

 と言った後で、二人とも黙り込む。

 多分、ポールもハムヴィー1号の修理のコト考えてるんだろうね。

「オレ、溶接機あるなら、頑張れば10分でラジエーター治せる」小物の溶接は得意なんだよ。

「オレの方はラジエーターの組みバラしに20分」

「30分か…」

「あ~ホント、何やってんだろオレ。時間がぜんぜん足りね~」


海兵隊ズ :ガバメント合掌!(×8)

保護恐竜ズ:ナンマンダブ!(×11)

自衛隊ズ :飯田八幡神社に奉納しよう!(×6)

12月はみんなで鉄砲まつりへゴー(×25+α)


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