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恐竜日和 ウォーク・アバウト  作者: ニジヘビ
トリケラトプス編
23/138

023:混ぜるな危険

作戦と役割分担どうしましょうねぇ?



 023:混ぜるな危険


 5月の夜明け前。

 ターク隊長以下オレたちは、基地内で恐竜化シンドロームを発症して逃走中のトリケラトプスを捕獲するためDPVデューンバギーで追跡している所だ。

「隊長、移動中に被疑者…じゃなくてえー、逃走者のプロフィールを教えて下さい」元婦警さんで現デイノニクスのミハルが何か専門用語を出しかけたが、隊長はスルーしてトリケラの説明を始めた。

「名前はビル・フィールズ。白人…人種はどうでもいいか、性別は男性。出身はハワイ。年齢は……トライセラに当てはまらんから省略する。身長…と体重も省略する。学歴はハワイ大卒…」なんだかトリケラ地雷を踏みまくりだな、隊長。

「あの~、ご家族はおられますか?」

「わからん。ダン。CP(コマンドポスト:指令センター)に確認してくれ!」

「コピー」ミハルが分乗しているバギーのナビ席で、ダンはマイクスピーカーを取りCPを呼び出した。「カミン・CP。ディスィズ・ティーム・ターク(指令所応答せよ。こちらターク小隊)」

「ハロー・ティーム・ターク。ディスィズ・CP(ハロー、ターク小隊。こちら指令所)」

「レクェスト。ビル・フィールズ・ファミリープロファイル(ビル・フィールズの家族プロフィールを要求)」

「WT?(なぬ?)」

「アイ・リピート。レクェスト。ビル・フィールズ・ファミリープロファイル(繰り返す。ビル・フィールズの家族プロフィールを要求)」

 CP沈黙。

 ミハルは便乗しているバギーのコックピットに顔を突っ込む。

「埒が開かないわね。ジョンソン先生に変わってもらってよ。ビル・フィールズの友だちとか兄弟とか、ご両親のコトとか!話し掛けるネタが欲しいの!」

 あー平和だな~。パーティーの後、夜明けにみんなでクルマをハコ乗りして、トリケラトプスの父ちゃんと母ちゃんのコトを知り合いに訊いてるなんてね。あ、あの空で光ってるの金星かな?

「いいわ。代わって、ダン。マイク取って」

 ダン中尉は苦笑いしながらマイクをミハルに渡した。

「指令センター!今すぐジョンソン先生に代われ!これは命令だ!」なんかミハルさんがヒートアップしてきたんスけど…。

 しばし間があってからCPから応答があった。自衛隊と合同訓練してるせいかな?ミハルのネイティブな日本語が通じたようだ。

「こちらジョンソン。ああ、ミハル。説得用のネタ集めだね?」

「そうです、先生。大至急です」

「ビルは、ボッチだ」

 メスのデイノニクスは、愕然のあまり口を半開きの状態で固まった。。

「少なくとも友だちはおらんようだし、ご両親はオアフ島で果樹園をやっとるそうだ」

「じ、じゃあ趣味とかは?」

「趣味と呼べるかどうかわからんが建設重機、ブル(ブルドーザー)やユンボ(パワーショベル)の操縦が好きらしい」

 うん。確かにユンボは動かすの楽しいよな。趣味にするのはかなり無理があるけれど。

「アメリカ人、ワケわかんない!」

「多分知っとると思うが、ヤッコさんはハワイアンだ」

「え~とぉ~。じゃあ性格は?無口でネクラとか?」

「無口ではあるが、いつもニコニコしとるヤツらしい」

「あ~、ああ!。気は優しくて力持ち、青年団や消防団にいるような、無口だけど頼れるお兄さん?」

「そうらしいな」

「OK、先生。助かりました」

「ああ。かわいそうなビルを頼んだよ」

 ミハルはダンにマイクを返すと隊長に向き直った。「ターク隊長!」

「はい、何でしょうか?」ターク隊長、奥さんや女性に頭が上がらないタイプなのかな?

「トウヤさんに渡した銃の威力を教えて下さい」

「そうだな。弾頭自体の威力は普通のフォーティーファイブ(.45口径)だ。命中すると300ボルトの電流を1秒から5秒ほど放電する。相手が大物だからトウヤのは最強の5秒バージョンだ」

「例えばアフリカにいるサイやゾウに撃ったらどうなります?」

「敏感な場所に2~3発打ち込めば失神するはずだ。首や脇腹が効果があると思う」

「それは畳重。じゃトウヤさん」

よし来た。「どこに当てればいい?」

「前脚のヒジの所に1発。出来れば右にお願いします。効果が薄いようなら、もう一本の前脚のヒジにもう1発」

「ああ。1発カマされると正気付くタイプか」

「そう。おそらくね。後はわたしとジェシーに任せて」

「ミー?」

「通訳をお願いしたいの。うまくいけばトリケラに最初にハグ出来るチャンスよ」

「ゲッチャ!(乗ったわ!)」

「隊長。そんなところでどうでしょうね?」

「うむ、いいだろう。ルーキーはバック(後衛)に置けているし、アタッカー(前衛)の行動も問題ない。ウーム…だが…」

「どうしました?」

「トウヤ、君は英語での説得は出来るか?」

「ノー。ムリ。

…出来れば銃を使う前にネゴシエートが出来ないか、オレも考えました。ですが、その…人間の隊員を危険にさらすことになります」その時、オレの肩に手を置くヤツがいた。

「ビア・デアデヴィル・アナザーワン?(命知らずがもう一人いりゃいいんだな?)」ヤバ気にニヤけている相方のポールだった。いい顔だ。

「ああ、どうってことない。60km/hで突っ込んでくる10tトラックを6m前で避けりゃいいだけだ」ポールはリッターバイクをコロがしている。このクラスのロードスポーツモデルになると、300km/h以上出るのがザラだ。その1/5以下のスピードで突撃してくるトリケラトプスを避けるだけのことだ。

「ザッツ・イージー!(ラクなモンだ!)」だろうね。これくらいなら人間だった時のオレでも簡単だ。

「ムリ~~!!/インパッセバ~~!!(ムリ~~!!)」ミハル&ジェシーコンビが悲鳴を上げる。

「OK。ポール、ドゥイッ・ビフォラ・10ヤーズ(ポール、9m前でやれ」そう言う隊長は、眉間に深いタテジワが寄っていた。


US海兵隊でトリケラトプスと交戦経験のあるチームはおそらくありません。

当然作戦なんか立てようがありません。

こういう時、海兵隊では逆に盛り上がる方が多いとかなんとか。


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