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「幸来、大丈夫なの?
無理して学校行かなくてもいいのよ?」
母の心配そうな声が学校に行こうとする彼女を引き止める。
「うるっさいな!!!
何も知らないくせに私の邪魔をするな!!」
振り返った幸来は母にそう叫んだ。
母の顔がみるみるうちに驚愕へと変わっていく。
信じられないのも無理はない。
三日も学校から帰るなり、部屋へ引きこもっていた娘が、変わり果てた姿で今、学校へ行こうとしているのだから。
バタンと乱暴に閉められた玄関のドアー
母はただ幸来の変わり様に何も言うことは出来なかった。
ああ、早くアイツに向かって言いたい!
この言葉をー!
朝の寒さが身に染みるが、今の幸来にはこんな寒さは平気だった。
高鳴る鼓動と、好奇心とー
見れば自然と手に汗をかいている。
気づけば小走りで学校に向かっていた。




