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ふと、今日は真っ直ぐ家に帰りたくないと思い、誰も来ない公園でブランコに乗っていた。
私の名前は井上愛恵ー
至って普通の女子高生。高3である。
黒髪のボブで、同い年の子達より身長は低い。
制服は一番小さなサイズにしているのに、何故だかブカブカ。
幼い頃は、自分の名前が好きだった。
でも今はたいそれた名前だと憎らしくて仕方ない。
『キモイー』
『チビ』
『近寄るな』
『こっち見ないで』
頭の中では今まで言われた悪口がリピート。
正直頭が割れそうだ。
言葉は人を苦しめる。
見えない所でそれに縛られる。
ある意味呪いみたいなものだな。
キィキィと揺れるブランコに身を任せ、空を仰ぐ。
雲ひとつない真っさらな青い空ー
私とは正反対だー




