利益の表側
「は?4人?」
それはフラれて当然の結果。
でも、
「あ、そう。
俺には関係ないから。」
俺がそういって席を立つと、
スカートの短い女が止める。
「あ、ちょっと待って。
野々崎君さぁ
私のグループに入らない?」
「・・・・は?」
「やっぱり直球はやめとけば
よかったのに・・・」
花園が溜め息をつく。
溜め息つきたいのはこっちの方だ。
「あー、あのな?
今の俺らのグループってさぁ、
5人しかいなくて中途半端なんだよなぁ。
だから入らねぇか?って話。」
何ヲ言ッテイルンダ?コイツラハ。
「悪い話じゃないわ。
私達と普段話さなくていいの。
ただ一緒にいるだけ。
宿題見せ合ったりパン交換したりね♪
なんだったら
私達を空気だと思ってくれていい。」
「・・・・俺とお前らの利益は?」
そういうと女は不気味に笑って
「私達の利益は野々崎くん、
あなたがグループに入ってくれることなの。」
背の高いからか、
とても大人びて見える。
そんなどうでもいいことを考え、
一番気になることを聞く。
「俺の利益は?」
「・・・・パン奢る!」
腐女子が叫ぶ。
「・・・それだけ?」
俺がそう訪ねると
スカート女と花園が次々と言う。
「忘れ物したら貸してあげる。」
「先生に 友達いないの? と心配されない。」
「わかった。」
忘れ物なんてどうでもよかった。
だが、教師にグダグダ言われるのは
はっきりいって嫌だった。
話しかけてくんな。真面目に。
「それより、そこのスカート女。
名前、何?」
さっきっからスカート女っていうのが面倒だった。
「私?榊原 美優よ。」
「美優?わかった、美優な。」
「ええっ?!わわわわ、私の名前は
覚えてないのに・・・・
どうして美優だと・・!!」
「妹と名前が似てるから。」
「へぇ、妹いるの?意外ね。」
こう見えて俺には妹がいる。
可愛いとかそんなことは思わないが
2月になるとチョコをありえないくらい男から貰うらしい。
男から。
だからそれなりにモテると思う。
・・・人間にモテて何になるんだか。
「あぁ。」
俺はそれだけを言うと
トイレへと向かった。
「どっ、どこいくの!私も行く!」
ただのトイレなのにな。
腐女子が着いてきた。
美優は俺が何しにいくのかは
大体予想していたようで、
「美桜!やめといた方が・・・・」
と言ったが腐女子は聞いていなかった。
まぁ、どうでもいいけど。
テストまであと2週間
時間がない(^ρ^)