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10年目シリーズ

10年目の妬み

作者: 日下部良介

結婚して10年。

もちろん妻を愛している。


結婚して間もない頃、家族が増えた。

妻が、生まれたばかりの子猫を貰ってきたのだ。

夜中にも関わらず、ニャーの一声に家中の明かりが付いた。

義父も義母も飛び起きて、その珍客を歓迎した。

それ以来、この家の連中は猫に夢中。


今では僕がエサをやる係だ。

僕の顔を見てニャーと鳴く。

カニカマをほぐして出す。

臭いだけ嗅いだら、砂掛けのしぐさをした。

カニ缶を開ける。

食った。

この野郎!



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