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悪魔の契約  作者: 明光
8/9

[今度は人間が]前篇≪報復≫

………投稿までが長すぎましたね。はい。

しっかりと反省してます。

しかしまた前後篇か全中後篇になります。

だらだらグダグダですね。はい。ごめんなs(ry

……逃げた。

村のやつらはオレを恨むだろうか

親父、お袋、妹弟たちは、俺を恨むだろうか

村から逃げた俺を。家族にすら背を向けた俺を。


俺はでかい岩に背中を預けて座り目を閉じる


血が体の外に流れ出てくのが自分でもわかる

どうせ逃げ延びてもこの出血量では助かる見込みは薄い。

だったら、あの場で大人しく殺されていればよかった。無駄だったと少し後悔する

少しすると何かがこちらに近付いて来る気配がし、ぼそぼそと声が聞こえた


「………ロア。人が落ちてる」

「ダメだよイル。死んだ人間なんて

どんな病気をもっているかわかったもんじゃないんだから」

「でもロア。この人、まだ生きてる」

「え?」


うるさい………

静かに休ませろ。

つか誰が病菌もちだ


オレは少し目を開けて話している子供らしき二人を見て固まる


「な………」


これは、夢か。誰か夢といってくれ

いや。あいつらは死んだ筈だ

けれど、なんて似ている……


「おまえらは、幽霊……怨霊、か?」


そうつぶやくと子供は顔を見合わせて再び俺を向き、くすくすと笑った


「何言ってるの?人間さん

僕たちは幽霊?ましてや怨霊なんかじゃないよ」

「…そう。イルたち悪魔。

人間の霊魂と一緒にしない」

「あ゛ぁ?そりゃ悪かったな……て、悪魔だぁ?!――――っ!」


悪魔という単語に思わず大声を出す

……これもまた後悔した。


「――――か、は…っ」

「人間さん?」

「…ロア。この人間、血がドクドク出て死にかけばたんきゅー」

「え?へー。そうなんだ!」


『そうなんだ』じゃねぇよ

こちとら見せモンじゃねぇ


「人間さんってさ、そこを…ずーっと行った方の村の人だよね?」

「あぁ……?それがどうした」

「あれって、人間狩りでしょ?生き残りって人間さんだけ?」

「あ………?『人間狩り』?」

「ロア。人間は普通知らない」

「あ。そっか。人間狩りっていうのはね、僕らがー…っていうか、大人達が何百年かに一度、人間の肉体と魂を喰らって力を蓄えるんだ。

それから種族争いの為の殺し会いに出掛けるんだ。それが僕らの間では『人間狩り』って呼んでるね」


……………は?

待て。待て待て待て…

それは、そういうことは、

俺は、俺たちは…


「手前ら悪魔に、食材として襲われて…意味も成さず殺されたっつー事か…」

「少なくとも意味は成してるよ?

大人達は君達人間を喰べて力を蓄えてる。少なからず僕たち悪魔に貢献してるよ」

「るっせぇ!それは結局俺ら人間は手前らの栄養剤っつー事かよ!?」

「うん。そうだよ?」

「な、……、て…」

「でも仕方無いよね?結局君達人間は悪魔にとって食べ物みたいなものなんだから」


キレた。『なにが』かは見当もつかないがとにかく俺の中で何かがキレた。

俺は無理矢理立ち上がって喋っていた方の餓鬼の喉元を掴んで俺が寄り掛かっていた岩に思い切りぶつける


「?!か、っは………うぐ……」

「ロア………っ」

「もう片方、動くんじゃねぇ」

「…!」

「手前ら悪魔にどんな芸当が出来るか知らねぇがおかしな事をしたら即こいつの喉を潰す」

「ロア…」

「い、る……うごか、…な……」

「手前等は、人間共を利用したな。なら、今度は人間が手前等を利用してやる」

「そな、こ…、でき、わけ……」

「出来なくともやってやる。」


俺は餓鬼の首から手を離して変わりに首筋に乱暴に噛りついた

鉄の独特の味が口内に広がる。最後にやったのはどのくらい前(いつ)だったか。

久しぶりの味は歎美なほど(うま)かった


「うぐっ……」

「………………!」

「ぁ、う……」


俺は餓鬼の首筋を最後にひと舐めして離れ、崩れ落ちる餓鬼を見下ろした


「そんな、…ヴァンパイアはずっと前に絶滅(きえた)って……」

「純血種はな。亜種はそこら辺にゴロゴロいるんじゃねぇの?」

「………!」

「今度は、俺が手前等を利用、や…る……」


目が廻る。ぐるぐる、ぐるぐると


足が崩れ男は地に倒れ込んだ


「ぁ……ロア、平気?」

「うん。大丈夫…」

「おかしい。」

「何が?」

「イル、あの人間に命令されて動けなかった。ロアも、首絞められてたけど死にかけの怪我人相手。

何も出来なかったのおかしい」

「だから、それはヴァンパイアだから…」

「いくらヴァンパイアでも亜種。純血じゃない。しかも深手。」

「………確かに。おかしいね」

「ロア、どうする?」

「どうするも、イルが見つけたんだろ」

「馴れたのはロア。」

「……………」

「……………」


「「……………」」


「持って帰ろうか」

「うん」


〓〓〓〓〓 〓〓〓〓〓


「……ん、んぁ…」


どこだ、ここは。感覚からいって死んじゃあいないはずだ。

……………あの出血量でよく生きてたな。俺


「…………………?!」


不意に横を向くとさっきの悪魔の片割れがイスに座っていた

目が合うと片割れはゆっくりと後ろを向いて携帯ゲームをしているもう片方を呼んだ


「……ロア。人間起きた」

「えっ、本当?すっごいなぁ~。

あんな大怪我で死に掛けだったのにもう目が覚めたんだ!」

「…ぁ、てめぇ、ら………」


言葉の続きを言う前に起き上がりかけた俺を元気なほうが押さえつける


「ほらほら、起きちゃだめでしょ?本当に生きてる方が不思議なんだから。

それよりも。ね、人間さん?僕らが協力してあげる」

「……………は?」

「僕らが、人間さんの復讐に協力してあげるよ」

「馬鹿か手前は。俺が報復してやりたい相手は悪魔だ。手前らも対象に入ってんだぞ」

「不可能。タダの人間が一人っきりでイル達悪魔に復讐するなんて無謀にも程がある

人間なんかにイル達がやられるわけない。傷ひとつつけられないのが関の山」

「う、ぐ…………ッ」

「あっはは!さすがイル容赦ないねぇ!

でさ、人間さんはどう?イルのこの言葉を聞いてまだ僕らの協力はいらない?」


くすくすと笑いながら俺の顔を覗き込んで楽しそうにたずねる

……ッ!こうなりゃ自棄だ!


「わーったよ!頼む、協力してくれ!」

「うん。いいよ!」


そうは言ったもののこれからどうすりゃいいんだ

あいつらが手伝うっつっても所詮はまだ子供だろ?なんか出来るたぁ思わねぇし


「……イルたちは役に立つ。それに、人間よりずっと、長く生きてる。」

「!! んな…」

「あはっ!人間さん顔に思ってることがでまくりだよ?

『僕たちは子供だから役に立つかわからない』ってね」

「そ、なことは………………って、なに人の上に乗ってんだよ!!!!」

「んう?いや、ちょっと血をもらおうと思って。」

「はぁ?」

「いいから血をちょうだいよ。そうじゃないと契約できない」

「…………『契約』?」

「説明はあとあと。いいから抵抗しない、のっ!」

「う、お…お?!」


ガブッ


「痛えっ!」

「あ、あれー?もっと強くかなー?」

「ぁぐっ!………やめいっ!」


思い切り噛み付いてくるクソガキを起き上がって精一杯の力で引き剥がす


「あ!ちょっと?なにするの!!」

「うっせぇ!餓鬼の力で噛み付いて血がでるか!」

「でも人間さんに噛まれたら僕は血が出たよ?」

「体格と年齢(とし)の差を考えろ!」

「え?人間さん200歳以上いってるの?」

「行くか!俺はどんだけ若作りの年寄りだよ?!」

「え?でも、僕らもうすぐ190歳だよ?ね、イル?」

「うん。正確には187歳」

「ん、な……」

「ねぇ、イル?これってどう言うこと?」

「人間は、イルたちと違って寿命が短いし、身体の成長能力は妙に早いから」

「おいっ!『は』ってなんだ!『は』って!!」

「人間は、寿命が短い。だから大した経験もしないで死んでいく。

図体からだばっかり強大になっても戦闘能力は大したことなかったり

頭がいい(『天才』)ともてはやされていてもそうでもない。むしろ混乱を招くだけだったり。

身体からだが大きくなって中身(こころ)まで成長するのは稀有(とても稀)。」

「……………」


ズバズバと言い返しの仕様のないことを無表情で言う片割れに唖然として言葉が出なくなる

男は思わず元気な方の耳に顔を近づけて小声で言う


「おい。お前の片割れなんか凄ぇこと言ってんぞ……」

「うん…。僕も時々ビックリしてる。」

「身内にまで引かれるってどんだけだよ………」

「え?イルはあれが通常運転だよ?」

「あれでいつも通りなのかよ」

「と。まぁそんな事はおいといて、血をちょうだい?」

「結局話はそこに戻ってくるのか!?」

「戻るも何も、そもそも血をくれなきゃ何も始まらないよ?人間さん。

って、ことであー、」

「ッ待て!わーったわーったから!おい片割れ、ナイフ寄越せナイフ!」


再び俺の首筋に噛み付こうとする元気なほうを引き剥がして片割れのほうを向く。

と、目の前にはナイフの柄がいつの間にか突きつけられていた

俺は厭味を言ってナイフをうけ取るが、片割れのほうからも厭味が帰ってくる


「準備がいいなぁ?おい片割れよ」

「あなたが素直に大人しくロアに血を呑ませるとは思えない。だから準備していただけ。

早くそれでどうにかして、ロアを待たせないで」

「へいへい、っと………ッ!」


催促されるままにナイフを手の甲に添えて引く

これくらいか?と手の甲を元気な方に見せると首を横に振られる

それを見てもっと深くナイフを入れると傷口がぱっくりと割れて見る見るうちに手の甲が血に染まり、やりすぎたかと後悔する


「うん。そのくらいでいいや。んじゃ、いっただきまーぁす☆」

「……………ッく、」


元気な方は真っ赤な舌を出して零れそうな血をなめとる

それだけならいい。それだけならいいのだが、目の前のヤツは傷口を吸ったり舌を押し付けてくるので余計な激痛が腕をかける


(こ、このガキ……!わざと傷口を刺激してやがる!!)


「ッお、おい…いい加減に………」

「んむぁ?……ぷぁ、うん。そうらね。はい、次はイルね」

「うん。」

「お…っ、おいっ!そいつにもやるのか?!」


グイッと勝手に片割れに俺の手を渡すガキの頭を思わずもう片方の手で鷲掴む


「とーぉぜんじゃん!僕らはニコイチ?っていうの?どこでなにをしようとも二人一緒なんだから。

契約でも仲間はずれになんかできないよ」

「そういうこと」


あんな事を言っている間にも俺の開いた傷からは血が流れて再び甲が血に染まり指先から零れそうになる

片割れはそれを指ごと口に含んで舌を這わす


「……………っ!」

「わぉ!イルってばだいた~ん!」


相手は子供とわかっていてもぬるい口内と妙に巧い舌遣いで体がはねる


「ん、ちゅ」


そんな調子で残りの血のついた指と甲は丁寧にもなめとられる

しばらくそれに耐えていると片割れは「もういい」と呟く

それを聞いて知らずの内に力を入れていた肩から力を抜く


「……っ!おわったか………」

「うんっ!ちゃんと証もできてるね!」

「うん。」

「は?」


喜々とした声で俺の手を見るガキ共に釣られて甲を見る

途端に自分の顔が引きつったのがわかる


「でもイル、まだ完璧じゃないから薄いねぇー……もう少しやっちゃう?」

「うん……でも、人間の負担が増えるだけだから。この位だと思う」

「イルってばやっさし~い!」

「ロアに褒められた…、嬉しい……」

「オイこら待て。何勝手にトリップしてやがる。」


二人の世界に入りかける元気な方の頭を鷲掴んでこっちの世界に引き止める


「あ。ごめんね?」

「ゴメンはいいからコレの説明をしろ」


俺の手は先刻まで血が流れていた。

けどこいつらが血をなめとると血は止まって傷すらも塞がっていた

その代わりに刺青の様な痣のような紋様が手の甲にできていた


「ん、とね?それは、『契約の証』っていってね、人間さんと僕らが契約したって事を示してるんだ」

「ふんふん。それで?」

「え?説明足りない?」

「説明不足にも程がある」

「んー、…あっ!そうそう。その証はね悪魔……じゃなかった。僕達が血をもらったところにできるんだ」

「それで?」

「でもね、悪魔がみんなそういうわけじゃないんだって!僕たちみたいに血をもらって共同体になるのもいれば、別の何かをもらって契約をする悪魔もいるんだよ!」

「証っつーもんについてはよっくわかった。で?」

「え?まだ足りない?」

「お前等、さっき俺の負担が増えるだなんだ言ってただろうが!」

「あぁ。なんだ、そんなこと?」

「そんなこと……って」

「人間さん、必然的に悪魔(ぼくら)二人と契約をしちゃったじゃん?

で、僕らはまだ子供だからいいけど、本来『悪魔契約』っていうのは悪魔一人だけでも人間にはすっごい負担なんだ

だから、人間さんが苦しくない様に不完全契約したってわけ」

「……………今更ながら、契約する必要あったのか?」

「僕らは人の世界に興味津津なんだ。でもね、困ったことに僕ら悪魔は器無しじゃこっちの世界に長くいられないんだ」

「だから、ここぞとばかりに力が欲しい俺と契約したっつーことか」

「ま。平たく言っちゃえばそうゆうことだね♪」


見事にあっけらかんとした目の前の悪魔に頭がくらくらした。

もういい。考えるのが面倒になってきた


「………いや、まぁ……諸々言いてぇ事はあるが…よろしくするか」

「………、ぁ」

「うん。よろしくね」

「そっちのも、……………おい?」

「………ロア、」

「うん?どうしたの、イル?」

「これ以上ココにいると危ない。」

「え?」

「とっても強いの…こっちに来てる」

「強いの…?」

「膨大に膨大で……ロア、早く逃げよう。イルはとても怖い…人間も早く……!」

「……………悪魔か?」


『膨大な力』と聞いてざわりと背中に何かが走る

頭が真っ白になる


俺の意識は途絶えた

とりあえずここまでで。

この先の展開もちゃんと考えて頭と携帯に入れてます

大丈夫だ。問題ない

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