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悪魔の契約  作者: 明光
2/9

投獄、脱獄、悪魔?≪脱獄≫

脱獄組1話目


『投獄、脱獄、悪魔?』







「………………なんで俺がこんな目に…」


シャドウ、会いたいなぁ。


「全く、政府の奴も愚かよのう?

何もゼロを監獄へ送る事なぞなかろうに。」


そう言う正面には聞きなれた声が聞こえた。

低い声とまだ若いのに年寄り臭いというか古臭い口調


「シャ、ド、ウ…?」

「なんじゃ?」

「幻、だよな?」


だって本人のはずは無い。

ココは監獄。

当然のように看守もいる。

シャドウがこんなとこにいるはずは無い。


「何を言うか。お主は(わらし)の頃からの親友、このシャドウ・シフトの声と顔を忘れたか?」


このふてぶてしい笑み、顔の刀傷、薄いベージュ色の髪


「ほんもんっ、だよな…………?」

「本物じゃ、ほれ。余はこうしてお主に触れておるだろう?」


シャドゥはゼロの両頬に触れて、幻ではない事を示す


「シャドウ、シャドゥ、シャ、ド……ウ………………」


そう分かったら、急に涙があふれて来て、止まらなくなっていた。

シャドウは何も言わずに俺の頭を抱えていた


「…………。………………………お前の前で見っとも無く泣く日が来るなんて微塵も思わなかったよ。」

「酷いのぅ。お主が幼子の頃はよく泣いておったではないか。」

「いつの話だ。いつの。」


いや。まじで。相当ちっこい頃の話じゃねぇか。


「そうじゃな……余の記憶が正しければ、

お主が初めて余の前で泣いたのが三歳の頃かの?」

「言わんでええっ!つか、それ赤ん坊の頃じゃねぇか!泣いて当然だろ!」

「聞いたのはお主ではないか」

「うっさい!」

「ほれほれ。看守のやつ等に諌められるぞ?」

「………………っ!その、嫌味ったらしい笑いは確かに本物だな。」

「たまには素直になったらどうじゃ?」

「………………わかったよ。シャドウ、ありがとな」

「うむ。いつでも言うがよい。時にゼロ。お主は一刻も早くこの忌々しい監獄から出たくは無いか?」

「出たいに決まってるだろ?誰が好き好んでこんなとこにいるか。」

「そうか。それを聞けて安心した。では出るぞ。」

「は?政府から許可が出たのか?」

「何を言う。そんな訳無かろう。」


んな自身満々に言うなよ………

自慢できるような事じゃねぇし。


「ならどうやって…………………」

「脱獄じゃ脱獄。決まっておろうに?」


き、決まってるのか………?


「目を瞑っておれよ?お主は見ん方がよい」

「は?」

「はよせい。」

「へ?え?あ、あぁ…」


なんなんだ?目を瞑っちゃあ動けないじゃないか…


その時、身体が押しつぶされるような感覚が襲った。


「うぁ、あ?!」

「落ち着け。すぐに収まる。」


シャドウの声と背中を叩いたシャドウの手とで少し痛みが和らいだ気がした


それから何回かその痛みが襲ったが、

すぐ傍にシャドウがいるという事実に安心したのか、その痛みに慣れたのか、始めほど痛くはなかった。


「もうよいぞ。目を開けろ。」


耳元のシャドウの声にうっすらと目を開けると監獄では見ることの無い光が入ってきた


「シャドウ…?ココ、どこだ?」

「ココは国外じゃの。」

「……マジで?」

「監獄から逃げた所で国内じゃとどうせすぐに捕まるからの」

「どうやったんだ?」

「少し歩こう。一息ついたら話す。余は少し疲れたのでな」

「はぁ?………まぁいいか。分かった。そこの森まで歩こうか」

「助かる。」



>>>>>



「ゼロ。ここの木陰に腰を落ち着けるとしよう」


シャドウはそう言う前にどっかりと座って大木に寄りかかる


「おま……ホントに疲れてんのか?」

「当然じゃ。あんな場所に忍び込んだ上に脱獄をしたのじゃ。嫌でも疲れるわ。」

「…ホントにどうやって出たんだよ。………つか、何でお前はあんなとこにいんだよ。

まさかお前も政府のやつ等に悪魔だなんだ言われていれられたのか?」


そう言うとシャドウは目を逸らして云い淀んだ


「あ、いや…余は、……その…………」

「んだよ……急に言いよどみやがって。」

「い、いや。ゼロ、その、言っても怒らぬか?」

「はぁ?」

「だから、お主は言っても怒らぬか、と…」

「お前は怒られるような事をやったのか?」

「余は悪いなどは微塵も思ってなどおらぬが、お主にとってはそうかどうか分からぬでは無いか。」

「……………………怒んねぇから言ってみろ」

「本当だな?」

「さっさと言え。」

「……ゼロが投獄されたのは、恐らく余のせいじゃ。」

「……………………………………………………………は?」


なんだって?


シャドウのせい?


なにが?


俺が投獄されたのが?


「マジか。」

「ゼロ、お主は政府が騒いでいる悪魔なぞ信じるか?」

「は?…あぁ。どっかの王様が狂ったのは悪魔のせいだとか言われてるな?」

「そうだな。では、ゼロはそれをどう思っている?」

「どう、って…政府がどう思っていようと俺は悪魔なんてありえないと思ってる。」

「……………………そうか。まぁ、普通はそうじゃな」

「シャドウ?」


シャドウは頬を掻きながら笑っていた。少し悲しそうな顔で。


「では、お主は余が悪魔、といったらどうじゃ?」

「あ、あぁ?悪魔?お前、が?嘘…っつーか冗談だろ?」

「お主には悪いが事実じゃよ。全く、政府のやつ等も一体どこから嗅ぎつけたか……」

「待て待て待て待て。お前が悪魔なら何で俺は捕まったんだ?!それなら監獄には俺じゃなくお前が入る筈だろ?」

「ゼロ、お主の左腕の一見刺青に見える傷があるだろう?」 

「あるな。いつ怪我したのかは知らねぇけど」

「それは、お主が余という悪魔と契約したという、証になっておる。悪魔自体は分からなくとも、悪魔と契約した者を監獄に入れたということじゃろう。

全くもって、政府には目が節穴の者しかおらぬ。」

「は、あぁぁぁぁぁあああああ?!!」


シャドウの言葉は途中から俺の頭の中を素通りしていた


んだそれ!?

シャドウが悪魔で?

契約?

この腕の傷が?


「う、嘘だぁ……………………」

「ふむ。やはり受け入れられぬか……

あらかた予想はしていたがココまで驚愕(きょうがく)されるとは…」

「落ち着いて分析してんじゃねーよ!!!なら今すぐその契約とやらを解け!」

「無理じゃ。」

「なんで?!」

「お主の契約内容は簡略すると『独りの自分と一緒にいて欲しい』なのだ。

すなわち、余と親友でいること自体が契約なのじゃからな」

「………………マジか。」

「事実じゃ。」


俺も長い間親友のシャドウと友達をやめるのは嫌だ。


「…………じゃあ、しゃあないな」

「うむ。おぬしならそう言ってくれると信じておったぞ」


(…………………悪魔ッつったら、あの丸くて羽も生えてる………)


「ひとつ、言っておくが、ゼロ。

悪魔というのはお主が今考えているような可愛らしいモノでは決してないぞ」

「え゛。」


何で考えてる事が分かった?

……………そういや、こいつ昔からそうだったな。


「ん?……まさか脱獄した方法って」

「お主の想像通り余の力を駆使してのものじゃ」

「なるほど。」

「まぁ、あの監獄は悪魔払いをしておったから多少苦労したがな」

「…………よく入れたな」

「ふん。あのような粗末な悪魔払いに余が屈する筈が無かろう。」


…………………仮にも政府の監獄だよな?

ンな簡単なもんなのか?

いや、そんなはずは……………


「おい。シャドウ………………」


横を見るといつの間にかすうすうと寝息を立てて眠っている悪魔の姿が目に入る


「……寝てやがる…。」


今更だけど、悪魔も疲れるのか?

つーか、幼い頃から一緒にいたコイツが本当に悪魔なのか?

俺はまだ納得できないけど、コイツのおかげであの政府の監獄から出られたんだから、

信じざるをえない。………んだよなぁ…



続くかどうかは分からない。

いや、2話目は製作中ですが

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