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栗栖の憂鬱


「僕、あなたに謝らなくちゃ…朱璃…」


「何を…?」


「あなたをおいて逝っちゃったこと…ずっとずっと…ひとりにしたこと…」


「そうだな…時間をかけて償ってもらおうか…」



「お二人とも…パフェが溶けてしまいますが…」


「あ…!」


パフェを運んできたゴウとヒロに気づいて栗栖は思いきり赤面する


「すまなかった…頂こうか」


『続きがしたいならパフエは引き受けるわよ。ねぇダン』


『ああ、朱璃はパフエより栗栖を食べたそうだからな…』


「おいおい…俺はいいが…あいにく栗栖は甘党でね(笑)」


瞳を輝かせパフェを食べている栗栖を優しく見つめる朱璃


「ふふ…子供みたいね…まるで天使だわ」


「俺の分も食うか?」


「いいの?」


特盛パフェをつつきながらも嬉しそうな栗栖に朱璃はパフエを差し出した


食い意地がはってるところも可愛い…


「作った甲斐がありますよ」


「ほんとほんと」


朱璃は栗栖の唇のはしについている生クリームを指でチョイと救ってペロリと舐める


「可愛いね…お前は」



え…



そんな風に見つめられると…


恥ずかしくてどうにかなっちゃいそうだよ



もじもじする栗栖をにやにやしながらからかう朱璃にマリーが甘嚙みする


「マリー?」


「せっかく食べてるのに可哀そうよ。いやね…オヤジって…」


オヤ…ジ…



地味に傷つく朱璃を見て栗栖は慌ててフォローする


「マリーはからかってるんだけだよ、朱璃は…素敵だもん…僕…おじさんなんて思わないよ」


「ありがとう…」


チュ…


突然にキスをされとまどう栗栖


『やはりエロおやじだ…』


『栗栖ちゃんは本当にいい子ね』


「もう…ダンにマリー、僕は32なんだよ。そんなに子ども扱いされると恥ずかしいよ…」



ペロペロペロ


マリーが栗栖の顔を優しく舐める


「ダメだよっ、くすぐったい、あははっ」


「マリーは舐めてもオヤジ呼ばわりされなくていいな…」


「えっ、朱璃? 僕を舐めたいの?」


「全身くまなく…舐めたい…」


真顔で少しも悪びれず堂々と変態チックなことを言い切る朱璃に栗栖は心臓がとまりそうになる


この人のこういうところ


嫌いじゃないけど…どうしていいかわからなくなる


32の男を捕まえて恥ずかしいセリフをオンパレードするからな




「栗栖様、明日はクリスマスのデコレーションするんですよ~」


「クリスマスの? 僕、大好きなんだ♪ツリーとか飾るの?」


「はい♪毎年本物のモミの木にオーナメントを飾るんですよ。ヒロちゃん、今年のテーマカラーどうする?」


「そうだね…お二人の再会を祝して赤にしようか」


「いいなぁ~お店が終わったら僕も手伝いにきていい?」


「もちろんですよ。一緒にやりましょう」


「店は叔父さんに任せたら?」


「そういうわけにはいかないよ。僕を信頼して譲ってくれたのに…」


『朱璃の言う通りよ。栗栖ちゃん、叔父様にお願いしてみたら?』


『1日くらい頼めんのか?』



悩んでいる栗栖に朱璃が信じられない言葉をかけた



「なんなら俺から頼もう…正式に挨拶したいと思っていたし…妹ぎみにも会わないとね…」


ちょ…!


い、今、何て言ったの?


あ。挨拶って…


「お願いします! 栗栖くんを嫁にください」


正座して叔父に頭を下げている朱璃が脳裏に浮かび焦る栗栖



「待って、朱璃…いきなりそんなことしたらおじきショックで卒倒しちゃうし、妹の有栖川も何て言うか…」


想像して顔面蒼白になる栗栖の肩を抱き寄せ頬にキスする朱璃


「新辞意しなくていい…俺に任せろ」


「はぁ?」


「そうとなれば…スーツを新調したほうがいいな…爺や、手配を…」


「畏まりました」


ま、待ってくれ~勝手に話が進んでるし…!


「待ってよ朱璃、急すぎるって」


「なぜ…こういうことは早いほうがいいに決まっている」


『ちょっと気が早すぎない? 栗栖ちゃんが困ってるじゃない』


グッジョブ! マリー♪


そうえいば…マリーっておじきんとこのシーズーもマリーだったけ


「おじき夫婦のシーズーもきみと同じマリーなんだよ」


『まあ、素敵な偶然じゃない♪お友達になりたいわ』


『じゃあ俺たちも一緒に挨拶しないとな…』


「いいぞ、ダン。お前たちも服を作ろう」


しまった! もしかして…僕…墓穴ほった?



不安そうな栗栖の頭を撫でながら朱璃は囁く


「心配するな…何があってもお前を守るから…」


う、嬉しいけど…いやいや、そーゆーことじゃなくて!!


「僕たちもご挨拶に伺うべきかな」


「そうだな、お前らは家族も同然だし…」


「待ってよゴウ、俺スーツなんてないし栗栖様が困ってるじゃないか」


「ヒロくんは考え過ぎだって♪ 栗栖様の叔父様ならきっといい方に違いないよ」


ダメだ…


何を言ってもこの人たちには届かないかも


おじき、美知留ちゃん、有栖…玲央…みんな…僕はどうすればいいのでしょうか…



皆、完全に盛り上がっちゃってるよ…


ごめん…ごめんな…有栖…


不甲斐ないにいちゃんを許してくれ


やっぱホモって軽蔑されるのかな


あ、あいつ…腐女子だっけ…


いや、違う! そーゆー問題じゃなくて…いくら腐女子でも実の兄貴がホモであいさつに来られたらショック受けるって!



どうすれば…いいんだ…


栗栖の憂鬱を他所に挨拶の計画に盛り上がる紅蓮ファミリーだった

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