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Reincarnation

紅蓮…さ…ん…




紅蓮の唇が吸うようにしっとりと押し包み忍び込み 甘く舌が絡み合うとき…栗栖の瞳から再び涙が零れ落ち無意識に紅蓮の背中にしがみついてしまう


ああ…そうだ…


ぼくは知ってる…この唇 この吐息…


ずっとずっと忘れていた…


ドキンドキン…


鼓動が…聞こえる…


この鼓動は 僕のモノなのか、彼のモノなのか…


紅蓮は栗栖の涙を優しく唇で吸いながら耳元で囁いた



「生まれ変わり…信じる?」




「え…」キスでぼぉーっとした頭で栗栖は熱い吐息交じりに聞き返す


「reincarnation(リインカーネーション)…魂の転生…」


「生まれ…か…わ…り…?」


紅蓮の長い指が栗栖のファスナーをおろし熱い部分に優しく触れる


ああ…っ…!!


「紅蓮さ…やっ……」


は…ぁ は…ぁ…


「相変わらず素直だな…可愛い…」


相変わらず……?


相変わらずって…誰にも触れさせたことないチェリーなんだぞっ…くっ…


巧みに動く紅蓮の手で栗栖はあっという間に絶頂へと導かれた…


身体が熱い…熱くて熱くてどうにかなりそうだ…


「可愛い…声…抑えなくていいよ…」


あ…


なんで…こんなこと…されているのに 当たり前のように受け入れてるんだろう


ただ この人が恋しくて欲しくてたまらない…


「ぼくにもさせて…」


栗栖は腰を屈めると紅蓮のファスナーに手をかけた刹那



コンコン


「先生、お客様がおいでですが…」


無情にも来客を告げる声に二人は一気にうつつへと引き戻された


「ああ…いま行く」


紅蓮は栗栖に優しくキスをするとやわらかな髪をくしゃりと撫でながら耳元で囁いた


「10分で戻る…待っておいで」


乱れた髪を整え控室を出ていく紅蓮


パタン



……俺は…なに…やってんだろう


だけど あの人に触れられて 少しもいやじゃなかった


いや、そうじゃない


いやどころか嬉しくてずっとずっと待っていた気がする


初めて触られた気がしなかった



「生まれ変わり…信じる?」


遠のいていく意識の中で紅蓮の放ったひと言が幾度も脳内再生されている


ひとりにしないで…


はやく…戻ってよ…


涙があきれるほどに頬を伝ってきて止まらない


おかしいや…俺、こんなに泣き虫だったっけ…


両親が不意の事故で亡くなった時ですらこんなに泣かなかったのに…


彼の 紅蓮のせいだ


いきなりキスしてぼくをめちゃくちゃにしておいて…


ひとりっきりにするなんて…ひどい!



もう待つのはいやだ…


やるせない寂しさからドアノブに手をかけた瞬間…ドアが開かれ紅蓮が佇んでいた



「どうした? まだ10分たってないぞ」


優しい微笑みを浮かべる紅蓮のゆとりある態度に何故か無性に腹が立った


栗栖は背の高い紅蓮の広い胸に飛び込むと思いきりトントンと叩いて子供のように泣きじゃくる



「ひどいっ!! 人をめちゃくちゃにして…どうしてひとりにするんだよっ!! もう待つのは嫌だって言ったのに…」


「栗栖…」


紅蓮は暴れる栗栖を強く抱きしめると息が止まりそうなほど長く熱い口づけをした



「ひとりにして悪かった…おいで!」


「え…」



手を引きながら裏口から出ると紅蓮は栗栖を愛車に乗せ自宅へと向かっていった




泣きつかれ紅蓮の胸の中でぐったりしていた栗栖は車が都会の喧騒を離れ森の奥深い一軒の屋敷へたどり着いたところで声をかけられる



「大丈夫?」


「…うん…ここ…」


車から周りを見渡すと周り一面が緑色の木々に囲まれた場所に佇むまるで貴族のタウンハウスのような屋敷にギヨっとする


「俺の家…」


え、えぇぇぇっっ!


す…げぇ…家ってゆーよりお屋敷じゃん…まるで日本じゃないみたいだ


「個展は…」


「俺は常に一番大事なモノを優先するんだ」


そう言うと紅蓮は軽々と栗栖をお姫様抱っこして屋敷の呼び鈴を鳴らした


「ちょっ…恥ずかしいよ、おろして…歩けるから…」


バタバタする栗栖をスルーして玄関に佇む紅蓮


「お帰りなさいませ、ご主人様…」


ドアが開くと同時に物腰のやわらかな品のいい初老のバトラーが出迎える


「ただいま、爺や。少し仮眠をとる…暫く起こさないでくれ」


「畏まりました」


「爺や…」


洗練された豪奢な調度品に上質なカーペット


高い天井にはシャンデリアがキラキラと輝いている


凄いお屋敷…なんか「黒執事」の世界だな


階段の踊り場に優しそうな紳士と淑女が寄り添っている肖像画が飾られている


うわっ、すげえ美男美女! ますます黒執事…


「父と母だよ…結婚当初に記念に描いてもらったらしい」


「そうなんだ…素敵なご両親だね…お父様の目元…紅蓮さんに似てる」


「そう? 今頃、天国で笑っているよ…」


天国って…


「亡くなったんだ…俺が12の時、病弱な母は病に倒れて寝たきりになりそのまま…愛妻家の父は母のいない世界で生きてはいけないと…俺宛に遺書を残して逝っちまった」


そう…だったのか


「ごめん…辛いこと言わせちゃって…」


「僕も14の時に両親を事故で亡くしてるんだ…それからおじき夫婦に引き取られて妹と生きてきた」


「そうか…じゃ、今も妹さんと?」


「妹は5年前に結婚したよ。幼馴染とね…今は気ままな一人暮らし」


「なら連絡不要だな…」



え…


紅蓮は寝室のドアを開けると抱き上げていた栗栖をベッドにそっと押し倒す


「紅蓮…」


「お前のせいで…忘れていた過去を思い出した…慰めてくれ…」


不思議だ…


いま僕はこの人に押し倒されて多分…抱かれることになる


なのに 少しも怖くない


「いいよ…」


栗栖は抗わずに瞳を閉じると紅蓮はネクタイを緩めて優しく唇を重ねてきた
















































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