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序
高一の春休み、決意した。
俺は不良をやめる。
俺は普通の高二になる。周りの俺に対する認識を変えなきゃいけねぇから大変なのは理解している。
「あんたを狙ってる奴なんて沢山いるし、第一、喧嘩好きなのに耐えられんの?」
女は鼻で笑にながら問う。
「誓ったんだよ。自分の為には殴らねーってな。だから耐えてやるよ。本当に必要な時は殴らせてもらうぜ?あいつの為に。」「へぇ、暴力に正義なんてあるのか知らないけどいいんじゃない?」
あいつが誰なのか、この女分は分かってんのだろうか。あいつ、と言った時、女は少し不安げな顔をした。
「あぁ、だから…。」
ベッドに横になっていた女は必死に俺の腕を掴もうとしたが、振り払った。
「じゃあな。」
新しい俺が始まるんだ。