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エピローグ

 ダンジョンを調査している城の魔術師達は、結局何の成果もなく帰っていった。

 元から長期で滞在する予定ではなかったようだ。

 城への報告もあるのだろう。

 それにダンジョンに花が咲いたといっても異常もなく安定している事から、後は同じ様にギルドに管理を任せようという事に決まった。

 女王が言うには、増えた階層は50階。

 どんどん魔物も強くなっていき、滞在の最後の方は全て攻略するのは無理だと悟ったのだろう、シビルの店に入り浸っていただけで、とても攻略しているようには見えなかったという。

 すっからかんになったから、王都に帰ったとも言える。

 その事により冒険者は大喜び。

 やっぱり城の軟弱な冒険者じゃすぐに音を上げると思っていたぜ。とか言っているが、まだ魔術師達の攻略階層を抜いた者は居ない。

 所詮口だけなのである。

 

 しかし、その記録もそろそろ塗り替えられるかもしれない。

 金の翼が犯罪者の護送が終わり、王都から帰ってきて、今はダンジョンに入っている。

 マックスも時々ついていくらしい。

 たまにマックスとパーティを組んでいるパット達は、その事に泣いて喜んだらしい。

 Aランクの金の翼と組める喜びと、マックスのフォローをするのに手が増える事に、安堵したのだろう。

 脳筋のマックスのフォローをするのは大変なんだろう。あの馬鹿は安全を無視して魔物を切る事しか出来ない。

 罠すらも斬り伏せていくので、本人は無傷だが、被害は同じパーティを組んでいる者に行くのだろう。先に進むのを優先させるのか、止めるのか天秤にかける毎日だったらしい。

 まあ、何かあったら頼れっていってきたのはクリスなのだから、苦労すればいいと思う。


 イーサンは相変わらずシビルの店で働いている。

 借金は減っていない上に、パパは見放したのだろう。

 まあ、ダンジョンに行こうと誘ってこないだけ無害な奴だ。

 存分に女の子たちに癒やされて、大人しくしていてくれ。

 

 そして、俺は。


「おはよう、メリッサ」

「おそようだよ、ナル」


 畑に水をやっていたメリッサが怒るが、気にせずに顔を洗い、キッチンで朝食を作る。

 今日は簡単に卵とベーコンを焼いて、サラダを作る。スープは昨日の残りがまだある。

 水やりが終わって手を洗ったメリッサが、キッチンに入ってくる。


「ナル、昨日また遅くまで起きてたでしょ」

「別にいいだろ。午前の店番はメリッサがやってくれるって言うんだから」


 俺が言うと、メリッサは後ろを向いてしまった。

 頼られて嬉しい所を見せたくないのだろう。


「まあ、別にいいわよ。やっと私が頼りになるって、ナルも気づいたのね」

「毎日助かってるよ」


 なるべく感謝の気持ちを言葉で伝えるようにした。

 思っているだけじゃ何も伝わらないという事を、いい加減に学習したからだ。

 ガラじゃないから照れる所もあるが、二人で仕事をしているのだから、問題ない。


「ナ、ナルがデレている」

「やっぱりロリコンなのか?」


 二人じゃなかった。

 いつの間にかマックスとイーサンが朝食を食べに家に入り込んでいた。


「……いつから?」

「えっと、水やりが終わったあとの片付けを、二人はしてくれていて」


 くそっ、素直になろうとは決めたが、こいつらに見られるのだけは我慢できない。


「忘れろ」

「嫌だよ。ナルのデレは貴重だ。俺はルームメイト時代から見た事が無い」

「ナルがロリコンだろうが、今更どうでもいい。早く朝食の準備をしてくれ」


 図々しくも二人はいつも通りの場所に椅子に座った。



「お前ら、とっとと王都に帰れ!!」



 俺の平穏はいつ訪れるのだろうか?

 ナル達の話は一回ここで完結します。

 長い間お読みくださり、ありがとうございます。

 ☆やいいね、ブックマークなどありがとうございます。物凄くモチベーションがあがりました。

 続きの構想は、あったりなかったり。

 もしあったのだとすれば、王都に行く予定です。

 どちらにしろ、連載を再開するには、少し時間がかかる予定です。


 ここで宣伝を失礼します。

 11月9日より、新しい作品『地獄のバケーションを生き抜く方法』という話を投稿します。

 アメリカの架空の州にある、架空の町を舞台にしたホラーになります。

 ホラー耐性のある方は、こちらも読んで頂けると幸いです。


 

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