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俺、神様になります  作者: 昼神誠
神の先にあるもの
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このラスボスはどこかおかしい17

 破壊神の背後か真下か、それとも真上?

 やっぱり……現れない?

 あいつが逃げるなんてはず無いし何か考えでもあるのだろう。

 破壊神もナデシコが何処から現れるか警戒し独特な構えをとったままだ。

 

 ヒュン


「倒剥の型、夜魔牙絶剣!」


「あっは、その能力を先に破壊させ……えっ?」


 ヒュッ


 破壊神の真正面に現れ瞬時にして袈裟、逆袈裟斬りを相手に入れるが躱される。


「って……えええっ!? 太刀を持っている?」


「ん、道場に戻って取ってきた」


 おいおい、マジかよ。


「あははは、また神でも成せないことを……この瞬時に地球へ行き武器を取ってくるなんて……そんなの……そんなのチートじゃないかぁぁぁ!」


 ですよねぇぇぇ!

 俺もそう思います!

 ってか、今は完全に俺を意識していない。

 今ならいける!


 ヒュッ


 縮地を使い破壊神の背後へ行く。


「ナイス、ドレイク」


「あはっ、いつの間に!?」


「水龍神行くぞ! 水龍の爪ぇぇぇ!」


 バシャァァァン!


 破壊神に傷を負わせると共に相手をずぶ濡れにさせる。

 もちろん魔力の籠もっている水でだ。


「ちぃ、属性付与された拳か! でも無駄だよ。属性破壊をすればこんな状態など……」


「まだまだぁぁぁ! 炎龍の爪ぇぇぇ!」


「火の拳……しまった、狙いは属性反応か!?」


「ああ、水蒸気爆発だ」


 ヒュッ


 破壊神の身体に纏わり付く水分が一瞬で蒸発する。


 ジュッ……ドォォォォォン!


 そして、属性反応が起こり巨大な爆発を起こす。

 現在の欽治のステータスを見て不可思議な点が一つだけある。

 いつも防御無視で筋力全振りだった。

 それが破壊神が取り憑いているためなのか魔力耐性だけはやけに高くなっていた。

 肉体が死に至らない程度の傷で破壊神を剥がすには魔力攻撃が丁度いい。

 ナデシコの提案に乗ったは良いが生きているよな?


 ヒュン


 ナデシコが俺の隣に現れ呟く。


「ん、ドレイクよくやった。でも一撃では無理。次は連撃が必要」


「やっぱ祓えていないか?」


 コクッ


 ナデシコが頷く。

 煙が晴れ破壊神の居たところを見ると何事もなかったかのように立っている。

 無傷って……嘘だろ?


「あはは、今のは惜しかったね。この身体も恐怖を覚えたみたいだよ」


 欽治の意識は怯えていたってことか?

 悪いな欽治……もう少しの辛抱だ。


「その恐怖が伝わって僕も……破壊神である僕も一瞬たじろいじゃった」


「ふぅん、格好悪いね」


「あっは……破壊神がゴミデータに恐怖……神はそのことで大変お怒りだよ。そして僕は罵倒されている。こんな屈辱は初めてだよ」


 神もクッソ短気だな。

 というか神の声が破壊神には常に届いているのか?

 ……ああ、また訳が分からなくなってきた。

 そもそも神ってなんだよ。


 ズンッバババ!


 破壊神が大きく踏み込み左拳を前方に構える。


「もう止めだ……まともに相手をする必要なんてもともとなかったしね」


 ググッ……


 右拳に力を込めている?

 かかってくるか?

 どっちに?

 怖がらせた原因である俺だろうな……どうかナデシコさんの方をお願いしたいのですが……。


『うわぁぁぁん! パパが数百倍格好悪いよぉぉぉ!』


『なんて情けない……ドレイクがここまで腰抜けだったなんて』


『ふぇぇぇ、ドレイクしゃまの……ドレイクしゃまの心臓が今にも破裂しそうなくらいバクバクしてるでしゅぅぅ』


『ドレイク様、領民たちに無様な格好を見せないでくださいまし!』


 だって怖いじゃん!

 あの何を考えているか分からない目……欽治のバーサク状態以上に鳥肌が立つ。


『ドレイク、今のうちに両足にも属性付与しておくわよ』


『右脚はもちろんおいらだにゃ』


『左脚はこちらが承認しましょう』


 移動速度に影響する風龍神と雷龍神か。

 右腕にいる炎龍神はそのままにしておいて、この場合は威力のある属性反応といえばプラス因子同士の過剰反応だろうな。

 しかし連撃が必要ってナデシコが言っていたし俺もそうする必要があると思う。


「風龍神はあとで使わせてもらうよ。氷龍神、右脚に頼む」


『なるほど水と氷による氷結を狙うつもりだわさ?』


「ああ」


 マイナス因子同士による過剰反応も期待できそうだしな。


「ドレイク、あの構えは神倒の型だよ。おそらく闘狂斗を放つつもりだと思う」


 東京か……俺は見たことが無いしやっぱりここはナデシコさんにお願いして……。

 

『父さん、神らしく振る舞ってください!』


『ガイアの言う通りでしゅ!』


 ああ、もう五月蝿い。

 俺と一つになっているのなら恐怖心以外にも使命感なども伝わっているはずなのにその板挟みな辛さも分かってくれよ。

 それに本物の神が居る以上、神族は単なるこの星の知的生命体の一つにすぎない。

 

 パキパキパキ……


 右脚で踏みしめている地面が凍っていく。

 恐怖心の中で集中力を保つのもこれで何度目だろうか。

 

「あたしが背後に回って気を逸らす」


「準備は出来ている。いつでもいいぞ」


「ん」


 ヒュン


 ナデシコが跳ぶと同時に俺も縮地で破壊神に近付く。

 構えを取ったまま動かない?

 どういうことだ……でも今は属性反応を起こすことだけに集中する。


「雷龍の横薙ぎ!」


 回し左蹴りと同時にナデシコが破壊神の背後を取り頭上から強襲する。


「宙極の型、死魔音剣!」


「ブレイクプラネット」


 ブンッ!


 俺やナデシコのことなど無視して下げた右拳を真下に向かって振り下ろす。

 まるで瓦割りのような動作でこの星を破壊できるのか!?

 ア○レちゃんの地球割りじゃあるまいし……。


「やば……ドレイク!」


 俺とナデシコの攻撃が破壊神に直撃する刹那の間、先に欽治の右拳が大地に触れる。

 そして地面の中から白い光が外に出てくるのが見えた。

 これは……破壊の衝撃?

 

『ドレイク様ぁぁぁ!』


 まただ……またコスモスの声がする。

 俺の中……いや闇の中か?

 すまない、コスモスを助けるどころか誰一人として助けられなかったよ。

 

 カッ!

 …………宇宙空間に大きな光が一つ起こりすぐに消えた。

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