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俺、神様になります  作者: 昼神誠
神の先にあるもの
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このラスボスはどこかおかしい4

 だが、師匠のことを最後の柱って言ったよな?

 柱って何だ?

 師匠たち龍神の欠片をすべて殺すとこの世界が終わることと関係があるのだろうがどうして柱なんだ?

 ……どちらにしても師匠は渡せない。

 この世界を終わることを同義な行為を見過ごせるはずが無いだろう。


『あいつ、おいらたちが条件を飲まないことを分かって意味深な発言をしているのかにゃ?』


 確かにそうだよな?

 師匠を渡せばどうなるか知っている相手に言う条件としてはおかしい。

 何か他の目的でもあるのか?

 ……俺達と同じ時間稼ぎだとしたらこれ以上は危険かもしれない。

 だが、師匠が完治しないとこの場を離れられない。


「そんな条件を受け入れられるはずが無いことを知って言っているのだろう?」


「そうだよ、最後の柱を壊されたら世界が終わっちゃうもんね」


「それが分かっていてどうして師匠を殺そうとする!? この世界を滅ぼしたいのか!?」


「だってそれが僕の与えられた役割だもん。僕は破壊神だから世界を終わらせることを優先しないといけないんだ」


「だから破壊神って何なんだよ……」


「ドレイクさん、解体業者がどうして居るのか知っている?」


「突然何の話だ? 解体業者って他の建物を巻き込まないために壊す……あっ」


「あっは、分かったようだね。破壊神の力があれば今すぐにでもこの惑星を壊せるよ。でも、それだと近くの星々も多かれ少なかれダメージを負うからね。だから柱を上手に壊していく必要があるんだ」


 師匠やヤマタノオロチら龍神の欠片がこの世界を支える柱だと言うのか?

 龍神たちもそのことを知らないみたいだが予言書にも書いてあったし、破壊神が執拗に狙うのだから本当のことなのだろう。


「それが分かったら余計に師匠を渡すわけにはいかないな」


「ま、そうだろうね。でも壊すよ。これはもう決まったことなんだ。この宇宙の容量はもうパンク寸前だからね」


『あいつ、また意味不明なことを言ってるッス』


 宇宙の容量?

 宇宙ってビッグバンによって無限に広がり続けているって聞いたことがあるぞ。

 パンク寸前って……まさか宇宙の拡張がすでに終わっているのか?

 神でなければ知り得ないことだとしたら、やはり欽治の肉体の中に居るのは本物の神?

 師匠が完治するまではこちらも時間稼ぎが必要だし試してみるか。

 

「嘘付くなよ……宇宙は常に広がっているんだぞ」


「それはドレイク……じゃなかった。リュージさんの育った地球がある宇宙のこと。ここが別の時空間だってこと理解している?」


 ああ、そうか。

 異世界転移って宇宙そのものも別の場所なのか?

 って、そこまで理解できるはずがないだろ!?

 今を生きるだけでも必死なのに規模が大きすぎて頭の隅にも置いて無かったわ!


「リュージさんのいた西暦2000年代だったらゲーム機で例えてみれば分かりやすいかな?」


「ゲーム機? SwitchとかPSとか?」


「この宇宙はストレージ、そして知的生命体が居る惑星は神にとって大切なゲームデータなんだよ」


「生命が存在する惑星がゲームデータだと?」


「うん、でも容量が足りなくなってきたら必要のないゲームから消していくでしょ?」


 それはパソコン内での話だろ!?

 ここは現実で生命の誕生は奇跡の連続なんだぞ。

 ……いや、神によって作られたと思えば奇跡では無く必然なのか?


「神にとって必要が無くなったからこの惑星を消すのか?」


「だって神が飽きて何兆年もプレイしていないゲームだもん。生命体の居る惑星はゲームと違って勝手に容量が増えていくし……」


 勝手に容量が増えていく?

 まさか、人族やその他の生物が繁殖するためか?

 ということは神にとって俺たち神族や人族、犬や蟻までもデータの一つだってのか?


「そんな……破壊神様、ユーナたちや人様、花や虫までも今を必死に生きているだけなのにどうして!」


「え、何度も言ってるでしょ。もうプレイ済みのゲームで何兆年も神が使っていないゲームなんだから消去するんだよ」


『ふ……ふざけないで!』


『そうだにゃ、おいらたちが大切に作った星だにゃ!』


『あいつ、燃やし尽くしていいッスか?』


「あっははは、君たち龍神が作ったと思っているこの星は確かに特殊だよ。だって神が直接手を加えて作ったのだから」


「どういうことだ?」


「星を作って生命体を発展させていくシミュレーションゲームだよ。星を作る力を持つ龍神を操作して、そこから知的生命体にまで育てていくの。当時は神もこのクラフトばっかりしていてね色んな要素がごちゃまぜになっちゃったって笑っていたよ」


『おいらは操作されていないにゃ! おいらの意思で風を作ったんだにゃ!』


『違う、私たちは光龍神が生み出した存在。もしかして私たちが自分の意志で行っていたと思っているだけ?』


「うん、そういうこと。シミュレーションゲームだからある程度のランダム要素は必要みたいでね。神が直接操作をしていたのは光龍神だけだよ」


 この星は神が光龍神を操作し土龍神や風龍神など6属性の龍神を上手く誘導し星を作り知的生命体が誕生できる環境を作り育てていくのを見守るゲームのようだ。

 

『そ、そんにゃ……光龍ちゃんが神のツールだったにゃんて』


『光龍神は凄く優しい存在だったのに……信じられないわ』


「ゲームと違っておだてて機嫌を取らないと思い通りに動かないからね。生命体は」


 だったら、あそこにある卵の中に居る光龍神の意識は何者なんだ?

 光龍神は最初から居なかった?

 いや、そんなはずはない。


 ぐぅぅぅ


 欽治のお腹が鳴る音か?


「おっと、この身体も生命活動をしている以上燃料は必要だよね? そう言えば何も食べさせて無かったな。壊れたら困るし……」


 この身体だと?

 やはり欽治が最初から破壊神だったわけでは無いようだ。

 ……待てよ?

 光龍神が今の欽治と同じ状態だったと考えれば神は何者にでも憑依して対象物を動かす存在なのでは無いだろうか?

 

『あいつ、何だかんだ言って色々と情報を漏らしているッスね?』


「シッ、黙っていろ」


「あは、少し喋り過ぎちゃったね。けど、遅いなぁ」


 やはり、破壊神も何かを待っているようだ。

 師匠の治療は片足がようやく結合完了したようでまだまだ重症に変わりはない。

 

 ウォォォォ……

 ゴゴゴゴゴ


『アースドラゴンが動き出した?』


「土龍神、今は動かすな」


『何も指示を送っていないわ。中に居る私たちが外に出るまでは待機状態にさせていたのにどうして?』


「あは、来た来た」


 ドロッ……


 なっ、天井が黒く染まっていっている?

 

 ヒュン


 突然、遺跡内に現れた一人の女性。

 最悪だ、このタイミングで再会するなんて……。


「くすくす、やっと見つけたわ欽治」

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