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俺、神様になります  作者: 昼神誠
神の先にあるもの
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この雷はどこかおかしい2

 アースメモリーを解除しようとしたその時だった。


「う、うわぁぁぁ!」


「きゃぁぁぁ!」


 ふぁっ!?

 聞き慣れた悲鳴が聞こえたような?

 いやいや偶然だよな?


「何事だ?」


「父様……」


「少し様子を見てくる。エターニャは母さんと居ろ」


 何やら不穏な空気が流れ始めたぞ。

 あんな悲鳴を俺は何度も聞いている。

 まさかアレクサンダー一味ではないだろうな?


『ドレイクはフラグ作成機だにゃ!』


 はぁぁぁ!?

 ちょっと待て!

 誰がフラグ作成機だ!


「う、うわぁぁぁ!」


「きゃぁぁぁ!」


 ふぁっ!?

 聞き慣れた悲鳴が聞こえたような?

 まさか、偶然だよな?


「何事だ?」


「父様……」


「少し様子を見てくる。エターニャは母さんと居ろ」


 何やら不穏な空気が流れ始めた。


『ドレイクはフラグ作成機だにゃ!』


 はぁぁぁ、ちょっと待て!

 誰がフラグ作成機やねん!


『にゃはは! もしかして自覚していなかったのかにゃ?』


 えっ?

 もしかして本当に俺がフラグを立ててしまったのか?


『あながち間違いでも無いわよ。貴方は龍神を2体も取り込んでいるの。見るだけでも関係を持った者はすべて貴方と運命共同体になるわ』


 な、なんだってぇぇぇ!?

 そんなこと最初から言えって!

 エターニャに危害を加えるつもりで見ていたわけでは無いんだぞ!


「何者かが霧の森を焼き払ってこちらに向かっているだって!?」


「でも煙は上がっていないわよ?」


「仲間と一緒に偵察に行ってくる。エターニャを頼む」


「ええ、気を付けてね」


 単なる森林火災なら森とともに暮らす種族だ。

 自力で何とかできるだろう。

 だが今回は火災ではない。


「土龍神、エターニャの父親の後を追って見ることはできないか?」


『やってみるわ』


『それで何処に有るか分かればすぐにでも滅ぼしに行くかにゃ!?』


「行かねえよ!」


 エターニャの父親を覗き見る。


「木々が一本も残らず消え去っている?」


「黒く変色しているぞ?」


 あっ……やっべ!

 あれってどうみても闇属性だろ!?

 下手に触るなよ?


「これって何だ?」


 一人の青年が指を当てる。

 あぁ、触れちまったよ。


「な、なんだ!? 身体が冷た……へびゃ」


 ドロッ!


「うわっ!?」


「エンドロイ!」


「ひぃぃ!? と、溶けた?」


「何なのだ? この物質は!」


 タナトスが近くに居るのか?

 それとも堕天使の一人?

 残りはルーシィさんの姿をした人形と謎の女騎士のはずだ。

 どちらにしても助けにいかないとエターニャが危険に晒される。

 俺が招いてしまったわけだから最後まで責任を取るのは当然だ。

 それにああいう種族は守られるべきだ。 

 例え人族が滅ぶようなことが起きても、外部と断交してひっそりと暮らしている人族が居る限り絶滅だけは防ぐことができるかもしれない。

 

「助けに行くが場所を特定する手段は無いのか?」


『冥界からその先を覗き今に至っているわけだから色々と遮断されてしまってね』


『雷龍ちゃんの印が張ってあったにゃ』


 普通のエルフはアルス大陸だよな?

 

『違うにゃ。エルフの森はヴァナヘイムにあるにゃ。エルフ族はもともとおいらや風神を奉る一族だったにゃ』


 ガンデリオン大陸が故郷だったのか。

 てっきり人族はすべてアルス大陸から進化したものだと思っていた。

 だとすれば雷龍神を奉るダークエルフはアースガルズで暮らしている?

 だが、闇雲に探し回って見つかりそうなものでもない。

 今、目に映る霧の森で少しでも情報を得るしか無さそうだ。


『森なんて何処もかしこも似たようなもので見分けがつかないわね』


『ニオイさえ感じ取れればすぐに分かるはずにゃのに視覚だけでは難しそうだにゃ』


「これ以上、ここに留まるのも危険だ。一度、村に戻ってみんなに知らせよう」


「エンドロイの件はどうする?」


「雷神様の天罰では無いのは確実だ。雷神様の天罰は電子を操作され体内から破裂死する見るも酷いものだからな」


 体内から破裂だって?

 そうか、パリピ病院のあの残虐な出来事もディーテの天罰で……。

 電子レンジのような仕組みで内部から爆発させるのが天罰って酷すぎるだろ。

 まだ石化や窒息死のほうがマシに思えてくる。

 

『今のはとても有力な情報ね』


『ダークエルフの森はアースガルズで確定だにゃ! 今すぐに向かって滅ぼしてやるにゃ!』


「どうして確定なんだよ?」


『雷神はアースガルズにしか居ないからよ』


『やつらはプライドが他の神族より何百倍も高い神族だにゃ。他の者を見下すためだけで生きている嫌な奴らにゃ』


 ま、ディーテは最悪な雷神だったしなぁ。

 人族を玩具と言っていたし……。

 それも絶対神主義に汚染された影響だと思っていたがプライドが高いということは悪に染まるとさらに性格が悪くなるのだろう。

 それを知らずに奉っているダークエルフは雷神にとって良い栄養源なのだろう。

 村の大凡の位置は分かってもアースガルズだって一国だ。

 国中を探し回るなんてかなり難しいだろう。

 

「エンドロイの件は俺が報告する。あいつの妻はミリーニャだったな」


「まだ結婚して200年しか経っていないってのにもう未亡人になるなんて」


「あの黒い物質は放置しておくのか?」


「どうしようもないだろう。触ると俺たちまでエンドロイと同じ結末を送ることになるかもしれんぞ」


 さすがエルフというか長寿種の特権だよなぁ。

 幼年期は人間と同じくらいなのに青年期が数百年続くのは全くもって羨ましい。

 

「雷神様に相談できねぇだろうか?」


「以前は姿を現してくださったがここ数千年は見かけた者も居ないのだぞ」


「神々にも何か事情があるのだろう。下々の俺たちから会うことなど不可能なのは分かっているだろう?」


「供物として生贄を用意するとか……」


「それを誰が望むというのだ! それに生贄で姿を現して下さる確証も無いのだぞ!」


「今、この村で最も若いのはエターニャだ。エターニャを供物にすれば……」


「父親のお前が説得してくれるなら妻のリリーニャも納得するだろう。頼めるか?」


「……ああ、まだあの子は13歳だ。長寿のエルフにとって10代などまだまだ手のかかる赤子同然。この事態が収拾すればまた子作りをすれば良いだけのことだ」


 は?

 この父親は何を言っている?

 それでも誕生した命だろうが!?

 

「リッド、よくぞ決心してくれた!」


「村のためなら娘だって喜ぶ!」


 エターニャを生贄に雷神を呼ぶなんて意味のないことだ。

 雷神族が姿を見せないのはダークエルフに会う意味など持たないためである。

 例え誰を生贄にしようと絶対に姿を現さないのは目に見えて分かる。

 

『あっ、あそこの紫色に輝く草は鳴神草じゃない!?』


『そうだにゃ。鳴神草の生息地は温暖で雷属性が濃い場所だにゃ。これでかなり的が絞れたにゃ』


 それでもまだ捜索範囲は広いがここでもたもたしていてはエターニャが危険だ。

 エターニャを無駄死にさせることは俺が許さない。

 俺がフラグを立ててしまったのなら俺が責任を取ってやる。

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