表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、神様になります  作者: 昼神誠
神のいない世界
508/592

この修行はどこかおかしい18

『まずは外の状況を教えてくれ。遠征した勇者軍は?』


『残念ながら全滅いたしました。シャオ様とバハムートさんはご無事でしたが尖兵やDKシリーズは一人たりとも帰還することは無かったようです』


 師匠は生きているのか。

 シャオは正直逝ってほしかったが側に師匠が居るのなら助かって当然だろう。

 それにしてもナデシコ型が全滅とはな。

 神族にとって少しは驚異かと思っていたがあいつらより強い神族が居ることに驚きだ。

 

『遠征は何処まで?』


『ヘルヘイムからまだ一歩も先に進めておりません。むしろ徐々に押され今ではアルス大陸東端部のミスリウリ村まで退いています』


 ふぁっ!?

 遠征が逆に撤退しているだと?

 ヘルヘイムには俺より上位の神など居ないはずだ。

 まさか?


『ドレイク様が言うところの闇ユーナですね。現在はアルス大陸に渡らせないように必死に阻止している状況が続いております』


 堕天使の仕業だったのか。

 確かにあいつならナデシコ型であろうと敵ではあるまい。

 それにしても何百体ものナデシコ型が束になっても敵わない闇ユーナを阻止できているのに驚きだ。

 ずっとヘルヘイムからアルス大陸に渡らせないように戦えているやつって誰なんだ?

 

『勇者様が三日前に出征なされました。確か中継車が記録機材を持っていたはずです。ご覧になられますか?』


 勇者が出向いたのか。

 アルス大陸を守るために闇ユーナと戦うなんて一応勇者らしいこともしているようだ。

 それにしても中継車だって?

 何のためにそんな事をしているのだ?

 

『領土の民たちに勇者の栄光を見せつけるためであるようです。そのために支配下の各町や村に巨大モニターを設置いたしました』


 単なる目立ちたがりじゃねぇか!

 ま、中継カメラを持っていってくれているのなら俺も勇者の戦いが見られるしそこから勇者の弱点なども発見できるかもしれない。

 そこまで考えて無さそうだよな?

 世界征服を目論むやつだし頭の中も常人とは異なるのかも?


『ああ、見せてくれ』


 目の前にスクリーンが現れ映像が映し出される。

 

『勇者アルバム……あっ、今の時間は勇者様の日常を編集したものを放送中ですね』


 見たくねぇぇぇ!

 バラ模様の背景にタイトルがアルバムだぁ?

 日本の皇室アルバムみたいな内容でも放送するつもりかよ!

 しかし勇者もずっと働き続けているわけでは無いし番組構成も必要なのだろう。

 

『中継を記録したものは無いのか?』


『ございません。ですが今も戦い続けていることは確実です』


 当然だろうな。

 闇ユーナが中継されるまで大人しく待っているとも考えにくい。

 スクリーンに映し出されている番組を付けたままコスモスに他に気になっていることも聞いておこう。

 身体がまだうまく動かないし時間は有効に使わないとな。

 

『グランディアは? ルカとは定期的に連絡を取り合っているんだろ?』


『平和に暮らしているようですよ。ああ、欽治さんからもドレイク様に伝えたいことがあると言われていました』


 欽治もグランディアでうまくやっているようだな。

 でも欽治が俺に聞きたいこと?

 珍しことも有るものだ。


『どんな内容だ』


『ええっと……音声情報を再生いたしますね』


『リュージさん! この国の地下に居るドラゴンを狩っちゃっていいですか? 僕、僕、もう我慢が……ブツッ』


 ヤマタノオロチのことがばれている!?

 え、え、え……ちょ?

 ……やっべぇぇぇ!

 どうしたら良いんだ!?

 ルカやローズに力づくで抑えて……いや絶対に無理だろ!

 むしろバーサーカーモードの欽治を止めようとしたら返り討ちに遭って見るも無残な姿に変えられてしまう!

 

『それって何日前の連絡だ?』


『97日前ですね』


 約3ヶ月前やてぇぇぇ!?

 あっか―ん!

 もう絶対にヤマタノオロチ逝ってしもうとるがな!?

 欽治がそんなに長い間我慢できる子で無いのは俺が一番良く知っている。

 

『そこから後にルカから何か変わった連絡はないのか?』


『内容はどれも定期のもので変わったことは今の所見当たりませんね』


 欽治が我慢してくれている?

 いや、そんなはずは絶対に無い。

 ルカめ、もしかしたら俺に叱責されるのが嫌で黙っていやがるな?

 機械音痴の欽治が通信機をまともに使えるはずがない。

 近くにルカも居たはずだ。

 さっきの音声も切断されたようなノイズが入っていたしな。


『俺にもそのデータを見せてくれないか?』


 ルカの短所は自分にとって都合が悪い内容は黙っていることだ。

 こうも定期連絡の内容が毎回同じだと逆に疑いをかけられると思わないのか?

 目を通すと一つの項目が目に留まる。

 

『2週間前の定期連絡で欽治の知り合いが定住することになったと書いているが誰なんだ?』


『名前は知らされておりません。ただ欽治さんの知人だとか』


 欽治に知人だなんて珍しいことも有るものだ。

 ま、俺が知る由もない出会いもあっただろうしおそらく友人なのだろう。

 人族が増えるのは良いことだ。

 ゴブリンやオークたちとも仲良くやっていけると言うことを証明できるしな。

 他の項目にも目を通すが大した内容は書かれていない。

 一応協定を結んでいるとはいえ敵国に当たるわけだし情報漏えいには気を付けているようだ。

 グランディアに関してはヤマタノオロチが無事なのかどうかルカに問いただすようにコスモスにお願いをした。


『了解いたしました。他に伝える用件は?』


 勇者軍に知られても問題ないことで……だよな?

 他に思い当たることは無い。

 何より重要なのはヤマタノオロチのことだ。

 

『無いよ。聞いておきたいことはあるが』


『どのようなことで?』


『雪のことだ。今回の戦闘プログラムにセツしか出てこなかった。だが相手がユキなら……』


『ユキ? ああ、主人格のことですね。彼女はセツ様と融合し一つとなられました。現在存在するのは佐能雪様です』


 ユキが消えた?

 いや、第2人格が主人格と混じったのか?

 ユキとセツが一人となり佐能雪というものになったのだろう。

 それが原因で欽治は雪のもとを離れた?

 いや有り得ないよな。

 性格がどうであれ欽治はどちらの雪も妹として扱っていた。

 でもどうしてそんなことになった?


『雪様のことをご心配なされているのですね? ドレイク様はお優しい方です。セツ様のことを知ればドレイク様も分かってもらえると信じ禁則事項をお伝えしますね』


『ホークに黙ってか? 勇者の妃に当たる者のことだぞ?』


『いいえ、ホークさんもこの事を聞かれたら話して欲しいとおっしゃっておりますので……』


 そしてコスモスの口から雪に関して俺が知らないことを教えてもらった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ