この初体験はどこかおかしい
「あの……身体を洗ってきました……」
コスモスがバスタオルを身体に巻いて、俺と師匠がいる部屋に入ってきた。
なんだろう、意識するとこっちも照れてくる。
「おやぁ、速いですねぇ。せっかく、ドレイクの一物で繁殖しようかと思っていたところだったのにぃ」
やっぱりそれが狙いかぃ!
俺の初めてもやるからにはコスモスだ!
それ以外はありえん。
「そうだ、師匠にも伝えておく。もし、身籠ってしまっても、その子どもには何の特権も与えないからな」
「別に構わないですよぉ。責任持って育ててくれるだけで良いのですぅ」
「えっ、あっさりしているな? ルカやローズは騒いでいたのに」
「だって、数を増やすことだけが目的だもぉん。繁殖ってそういうものですよぉ。目に見えないウイルスから、拙のようなドラゴン、ドレイクやその他の神族まで子孫を残すのが繁殖の目的なのですぅ」
達観しているというべきか、単なる淫乱なのか微妙なラインだな。
しかし、ウイルスやばい菌と一緒にしてほしくは無いぞ。
あいつらは他の生物の細胞を使って増える嫌らしい存在だからな。
「ええっと、ドレイク様……」
「じゃぁ、お邪魔しては悪いし、拙はお腹が空いたので、国に戻って朝食を食べてくるですぅ。おにぎりはコスモスと一緒に食べるのですよぉ」
ドォン!
「あっ、師匠!」
声をかける暇も無く、地平線の彼方へ跳んでいった。
朝食の後、戻ってきてくれるんだろうな?
ここから徒歩で帰るなんて、どれだけの日数がかかると思っているんだ。
そもそも、師匠はルカやローズの味方までしているし……。
単に何でも良いから生物が繁殖することを優先しているだけなのか?
「えっと……ドレイク様」
コスモスが静かに俺の横に立つ。
もう、やるしか無いのか?
ここまで師匠にお膳立てされたら腹をくくるしか無いよな。
「コスモス……その……好きだよ」
「私もです、ドレイク様」
えっと、まずは……キスからで良いんだよな?
おっと、俺の可愛いゾウさんをマンモス化させるのはいつ頃が良いんだ?
よく考えてみると、自分の意志で勃起させられるのは嬉しい仕様だよな。
しかも、神力の流れを変えているだけだから萎縮するのも自分の意志になる。
つまり、三回戦どころか百回戦だっていけるという男のエロいロマンが詰まったゾウさんだ。
「はぁはぁはぁ……ドレイク様、来て下さい」
コスモスがやけに色っぽく見える。
俺もキスのおかげで理性のタガが外れたのか、コスモスの身体を隅々まで愛する。
そして……。
「あああっ! ドレイク様、ドレイク様ぁぁぁ!」
「コスモス!」
カァカァカァ……
ハッスルしすぎて、気が付いたら夕方までヤりまくってしまった。
いやぁ、俺のムスコがこんなに有能だとはな。
師匠から普通の神族なら排泄物を出すだけだけの残念な存在だと聞いた時は愕然としたが、土の身体にこんな使い方があったとはヒメに感謝したいくらいだ。
今でも神力の流れを変えてやると……。
ムクムクムク
ぐへへ……すぐにマンモスへなる。
おかげで俺は今でも全然ヤれそうだが、コスモスが完全にダウンしてしまった。
いやいやいや、まさか10歳の身体でここまで出来るなんてな、さすがは成人しているだけのことはある。
身体は子どもでも頭脳は大人なのが転生者というものだ。
神薙龍識が生きていたら27歳……いや、28歳になっているか。
俺もやっとリア充たちの仲間入りが果たせて嬉しい限りだ。
カァカァカァ……
コスモスは幸せそうな顔をして眠っている。
あそこまでのことを言った以上、ルカやローズの扱いも考えないといけないか。
正妻としてコスモスが、ルカやローズに虐められないようにしないとな。
ま、コスモスも気が強いから反撃するだろうが、それはそれで関係悪化になるからやめて欲しい。
女の争いって精神的な攻撃が多いから怖いんだよな。
師匠はやっぱり戻ってこないようだ。
今日はここで一泊して、明日の早朝に立つほうがいい。
コスモスの高速移動魔法がどんなものなのか分からないが、その魔法を俺にもかけてもらえるのであれば数時間で帰れる。
「ん……ドレイク様……」
チュッ
頬にキスをして寝顔を見つめる。
俺は本当の有るべきコスモスの姿にやっと出会えたように感じた。
以前の見た目はほとんどダリアだったため罪悪感で、手を出そうなどと思うことはあまり無かったが、今のコスモスはナデシコ型をベースにしてはいる。
ステータス変更で容姿が変わるのはユーナが発見した。
そのおかげで見た目は全く知らない女性の姿だ。
外見は知らない相手だが、心はコスモスだ。
ホムンクルスの身体がどれだけの寿命なのかは定かではないが、人間よりかなり短命なのは知っている。
コスモスの身体は十数年以内に朽ちてしまう。
その対策は手に入れているが、コスモスそのものはいつまで存在できるのだろう?
愛している人を失うのはもう嫌だ。
ニーニャさんとの恋は叶わなかったし、俺にはコスモス以外は有り得ない。
ルカやローズが俺の子を欲しいと願うのならば、神力を念力で送ってやるだけだ。
本当に愛して子どもを授かるのはコスモス一人だと心に決めた。
「すやすやすや……」
起きる様子が無いな。
今のうちに白骨を集めて埋葬してやるか。
夜をここで過ごすには不気味だもんな。
ローウェルグリン城の各階を確認しながら中庭に戻る。
どうやら、ゴブリンやオークが集められていた収容所の役割を果たしていたのは一階と地下と寄宿舎だけのようだ。
二階と三階は汚れているだけで死体などは存在せず、使っていた食器や食べかすが食堂の調理場に汚く残されている。
ならず者どもは洗い物などしないのか?
せめて、使ったものは綺麗にしてほしいものだ。
あいつらが使った皿や椀などを使う気は無い。
割って土に戻し、また新たに作るか。
まずは一階から白骨を中庭にかき集める。
地下室はどうするか?
この集めた白骨も地下室に持っていき、土で埋めてしまおう。
あのような酷い惨劇の場など存在そのものを消したほうが良いからな。





