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俺、神様になります  作者: 昼神誠
ゴッドスレイヤー
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この海域はどこかおかしい3

 この距離なら簡単には気付かれない。

 攻撃手段としては……ニーニャの銃が使えそうだ。


「ダークチェンジ……タイプニーニャ」


 ズズッ……


 身体に闇属性を覆いニーニャの姿になる。

 人形として呼び出すとオートマタのように勝手に動く。

 失敗をしたくないときには、やはり私自身の手でやらないとね。

 今の私はニーニャのステータス分が上書きされている。

 彼女の魔法もすべて使えるし、簡単に言うとニーニャの身体で意識は私って感じ。


 カチャ


 スナイパーライフルを構え、ナデシコの頭部をスコープ内に収める。


「くすくす、ナデシコ……貴女ももらってあげる」


 パァン!

 ドロッ……トプン


 くすくす、やった!

 あのナデシコをこんなに簡単に……あら?

 ナデシコを感じられない?

 それどころか彼女の流派も何も頭に入ってこない。

 これは……単なる土人形!?

 まさか、あの子どもと女の神族がナデシコの形の人形を作った?

 ……私がヘルヘイムに来ていることがすでにバレている可能性は大いにある。

 正確にはダリアがだけど……あの神族はナデシコの姿なら、私が手を出せないと思ってこれみよがしに宝物殿の入り口に立たせていた?


「あのクソガキ、舐めてくれるわね!」


 宝物殿の中にいるのはわかっている。

 今の銃声で気付いたようで入り口から子どもの神族が顔を出す。

 ナデシコの土人形を探しているようだ。


「くすくす、丁度いいわ。まだ私の居場所がわかっていないようならここで殺してあげる」


 カチャ


「ドレイク様……伏せて!」


 パァン!


 女神族が大きな声を出し、子神族を宝物殿の中に引き入れる。

 あの女!

 私にそっくりなだけでなく、私の邪魔をしたですって!

 ……いや、冷静になるのよ、私。

 2人いることはわかっていたはずだ。

 あの女の存在を忘れていた私が悪い。

 

「くすくす、先にあのそっくりさんを送ってあげる」


 警戒して宝物殿の壁に隠れているようだけど無駄なのよね。

 ニーニャの狙撃スキルはそんな程度では対して変わらない。

 神族が放つ神力を感じ取り、女の位置にスコープを向ける。

 

 パァン!


「きゃっ!」


「コスモス!」


 くすくす、すでに手遅れよ。

 狙いが外れて女の足元に銃弾が当たってしまったけれど、これはこれで恐怖を与えて闇に堕とせるから心地良いわ。


「あ……ああ……ドレイク様! ドレイク様ぁぁぁ!」


「コスモス!」


 子どもが女の手を掴み引っ張り上げようとしているらしいが無駄よ。

 髪の毛一本でも闇に触れたら全身すべてが闇に堕ちるまで抵抗はできない。

 これが闇属性が即死魔法と言われる一端でもあるのよ。


「ドレイク様、手を離して下さい! 貴方様まで飲み込まれてしまいます!」


「くそっ、コスモス! その肉体を捨てて、俺の中に!」


「は……はいっ!」


 ドプン……


 身体を捨てて、俺の中にですって?

 まさか、あの女……神族ではないのか?

 しかし、それなら器である私の姿は……ふむ、命を感じられない。

 本当にあの子どもの中に移動したようだ。

 私でもできない芸当をできるあれは何だと言うの?

 それにしても、この私そっくりの器は勇者軍が作ったクローンなのか。

 なるほど、確かにあいつらならやりそうだ。

 しかし、私と同じ姿はあってはならないのよ。

 あの子神族を殺したら、次は勇者軍に不幸をもたらしてあげるとしよう。


 パァァァァ!


 宝物殿の中が激しく輝く。

 何か仕掛けてくるようね。

 でも、そうはさせないわよ。


「ダークミニガン、召喚」


 くすくす、これで宝物殿ごと蜂の巣にして闇に堕としてあげる。

 いや、それでは即死して面白くないわね。

 くすくすくす、そうだわ……床から闇を広げて穴に落として恐怖を感じる時間を与えるとしよう。


 キュゥゥゥゥン

 ズガガガガガガ!


 宝物殿に置いている石像が動き、子神族を守るように動く。

 さすが土神族だけのことはあるようね。

 でも、そんなことをしても無駄。

 ゴーレムごと堕としてあげる。


 ズガガガガ!


「何発持ってんだよぉ!」


 ちっ、意外に素早いわね。

 それにあの子神族の隣にいる幼女は……どこかで見たことがある?

 女神のユーナ?

 いや、あれはユーグラシア王国を飲み込んだときに巻き込まれたはずだ。

 まさか、生きていた!?

 いや、そうだとしたらヘルヘイムにいる意味がわからない。

 どちらにしてもユーナの存在は危険だ。

 ダリアの精神体は完全に壊れたけれど、ユーナによって何か影響を与えるかもしれない。

 

「くすくす、あれも闇に堕とすのが最適解よね」


 ズガガガガガ!


 進路上を闇の沼にしているのにそれを上手く躱すとは……あの子神族、未来でも読めるの?

 ここはヘルヘイム、土神族のホームでもある。

 進路上を闇にしても無駄というわけか?


 キュゥゥゥ……


 くそっ、射程限界のようね。

 追いかけるのも面倒だが、ユーナだけは早いうちに処分しておかなくては。

 スナイパーライフルを取り出し、ユーナの頭部を狙う。


 パァン


 子神族がユーナを引っ張り銃弾を避けさせる。

 その後も何度かユーナを狙撃するがすべて子神族の誘導により、うまくかわされてしまう。

 ちっ、あのクソガキもいい加減に腹が立ってきたわね。

 森を抜けると開けた場所に出る。

 こんな姿を隠せる所が何もない場所に進むとは……くすくす、所詮は子どもね。

 何度かこちらを振り返り、私の姿を拝もうと思っているのだろうけれど、早々簡単に顔は晒さないわよ。

 しかし、森から追いかけるとどうしても姿を見せてしまうことになる。

 ……私が誘導された?

 くすくす、あの子神族やってくれるわね。

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