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俺、神様になります  作者: 昼神誠
ゴッドスレイヤー
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この侵攻はどこかおかしい3

 業炎魔法は炎神族の天使そのものが火球となり相手にぶつける魔法のようだ。

 言ってみれば特攻隊のようなものね。

 ただ人間と違うのは火球と化した天使が融合し一つの巨大な塊になったことだ。

 永久凍土は闇属性のおかげで溶けることは無いが周囲の空気は凄まじい熱気を放っている。


「レベッカ暑くない?」


「早いところあの火球をなんとなしなければなりませんね。正直、かなり厳しいです」


 汗だくになっている。

 さっきの冷気とは真逆だしこうも気温が変わりすぎると肉体にとっても良くない。

 早いうちにあの火球をなんとかしないと。


「ユーナ!」


「ふふん、どんな大魔法でも闇属性の前では無意味なのよ! ダークネスニードル!」


 小さな漆黒の針が無数に火球に向かって飛んでいく。


 ドロッ……


「なっ……業炎魔法が消されただとっ!」


 あの巨大な火球が僅かな量の闇に飲み込まれたのか?


「あとは術者のみです! 終わりなさい!」


 パァン!


「そ……そんな……ワレが終わ……」


 ドロッ……


 ニーニャのハンドガンで術者の天使も消滅する。


「あっ、ニーニャん! 横取りしないでよ、もう!」


「す、すみません。あまりにも隙だらけだったので」


 300人ほどいた天使が数分と経たないうちに全滅した。

 ユーナのおかげで溶岩地帯が永久凍土と化し炎神族たちが弱体化したおかげなのだろう。

 神族は人族と違って肉体が属性で構成されている。

 戦う前に私たちに有利な環境を作れば良いわけか。

 ユーナも意図して放った様子はなかった。

 考え無しの行動がこうも有利に働くとは幸先がいい。


「あ―まだまだ壊し足りないわ! もっと壊したい! ニーニャん行くわよ!」


「ちょ、ちょっと! ユーナさん!」


 ま、炎神族が弱体化しているのなら2人に任せて十分かもしれない。

 この調子では予想していた以上にムスペルヘイムを早く滅ぼせそうだ。

 

「だりっち、炎神族どもはユーナとニーニャに任せるわけよ。あっしらは劫火宮を先に探すわけ」


 宮って言う程なのだから神殿みたいな場所なのかな?


「ルーシィ、どのような場所なのです?」


「それぞれの神族が奉っている龍神の像が置かれている場所なわけ」


 そう言えばヘルヘイムにもあったわね?

 神殿の中でドラゴンの像が飾っていた。

 何のドラゴンか分からなかったけれどあれが龍神だったのか。

 あのような場所がムスペルヘイムにもあるのね。


「この辺りでは見当たらないし高台のようなところで確認したほうが早そう」


「でしたらそこの岩山を登ってみますか?」


 溶岩だらけの場所で一際目立つ巨大な一枚岩だ。

 これも溶岩なのかな?


「ま、そうやって地道に確認するしか無いわけぇ」


 面倒だけれど仕方がない。

 30分ほどかけて岩山の頂上に登る。


「お―ユーナ張り切り過ぎなわけぇ」


「灼熱の国が一帯凍りついている……ほとんど氷雪の国って感じですね」


 遙か先まで氷河のようになっている。

 けれど黒い氷だ。

 白ければ白銀の世界で綺麗だなって感動できるかもしれないのにちょっと残念。


 パンパンパン!

 ドゴォォォン!


 遠くのほうから銃声と爆発音が聞こえる。

 ユーナとニーニャが炎神族と戦っているのだろう。

 その音も5分ほどで収まった。

 もう全滅させたのかしら?


「あっ、やっと思い出したわけよ!」


 ルーシィが何かを思いついたようで大きな声を上げる。


「だりっち、まだ凍結していない一帯を探すわけ」


「凍っていない場所ですか? 10時の方向かなり遠方ですが赤い光が見えますね」


 マグマの色だ。

 かなり激しく赤い光が輝いているように見える。 

 巨大なマグマ溜まりなら先に進むのは危険なようにも思える。


「だりっち、能力であそこまで跳ぶわけよ」


「えっ、行くの? でも凍っていない場所に向かって危険じゃない?」


「上昇気流で空から探せば良いわけよ」


 なるほど熱がないと上昇気流は発生しない。

 普段のムスペルヘイムなら確かにずっと飛んでいられそうだ。


「見えている場所なら跳べると思うけれど座標が少しずれるのは覚悟しておいてね」


 ルーシィとレベッカの手を握り能力を使う。


 ヒュン、ヒュン、ヒュン


 思った通り座標がずれて数回使うことになってしまった。

 こっちの世界は夜空に浮かぶ星座が独特だから方角が分からない。

 ムスペルヘイムに出現した地点からそれなりに移動したため座標が狂って当然なのよね。

 氷に覆われていない溶岩地帯に出る。

 そのまま上空で翼を展開し空に浮かび上がる。


 バサッ!


「わぁ本当だ。これから遠くまで見えるわ」


「劫火宮、劫火宮どこかいなぁ……っと。それにしても草木一本生えない場所ばかりでどこも同じに見えてくるわけよ」


 ま、溶岩地帯なら地球でも同じだろうけれどこれほど広い場所は存在しないわね。


「おっ……ととバランスを崩すとあっという間に落ちてしまいますね」


 こんなところで落ちてマグマに突っ込んだらと思うと確かに一大事だ。


「レベッカは降りていて。万が一ってこともあるわ」


「そうですね。リアの身体を傷つけるわけにはいきませんし」


 バサッバサバサ……


 私とルーシィは神殿を探し続ける。

 ダークドールのため熱はそんなに感じられないけれど本体を動かしているレベッカはそうではない。

 早く見つけないと熱中症になったら大変だ。

 

 キィィィィィン


「だりっち! 避けるわけ!」


「えっ!?」


 シュバッ


 片翼が熱線によって貫かれる。


 ヒュゥゥゥ


「わわっ……」


「リアこっちに落ちてください! 私が受け止めます!」


 レベッカのほうへ身体を向ける。

 翼の再生も急いで行うが間に合わない。

 

「くくっ助けている暇があると思ってんじゃ……ねぇだ!」


 レベッカの背後にあるマグマから神族が飛び出す。

 マグマの中に住んでいるのか?

 とんでもない生き物ね。


「レベッカ後ろ!」


 両手に炎の双剣を持ってレベッカに斬りかかった。


 ガキィィィン!


「ぐぅ……!」


 レベッカが大剣で神族の攻撃を受け止める。


「くくく、あんたがタナトスだぁな!?」


「こ……このぉ……邪魔です!」


 ブォン!

 ドロッ……


 神族の双剣が黒くなり溶けて消滅する。

 レベッカの持っている両手剣も闇属性だ。

 火属性だろうが闇の前に勝ち目はない。

 触れればどんなものでも闇に葬ることができる。


「ヴェスパ!」


 援軍!?

 こんなときに?


「ペレ……すまねぇだ。領地侵犯しちまっただ」


「今はそんなことどうでも良い! そちらの天使たちは?」


「全滅されただよ」


「ちっ、そっちも同じか」


 バサッバサバサ……


「だりっち大丈夫なわけ」


 ルーシィに受け止めてもらい事なきを得る。

 問題は目の前にいる神族2人だ。


「ルーシィのおかげで落下速度が緩和されたから翼の再生が間に合ったわ」


「それにしても純神が2人とはね……これは運が悪いわけぇ」


 あの2人が純神?

 見た目は天使と何も変わらない。

 見分け方がまったく分からない。


「どこが天使と違うの?」


「ステータスを見たら一目瞭然なわけ」


 またステータスか。

 ゲームをほとんどしない私にとっては馴染み深くないため思いもしなかった。


「リア、身体をあいつらにばれないように交換できますか?」


 レベッカが私の近くに寄り耳元で呟く。

 相手に分からないようにって……難しい注文をしてくれる。


「あっしが相手をしてやるわけ。純神なら少しは持つかもしれないわけよ」


 ルーシィが相手を煽るところを初めて見た。

 一筋縄ではいかないことをルーシィはよく知っているはずなのに私とレベッカのために純神2人と相手をしてくれるようだ。


「ペレどうするだ?」


「ヴェスパ同時に斬りかかるよ」


 ルーシィが私と目を合わせる。

 私も頷きレベッカと一緒に純神から距離を取る。


「ダークウォーターアロー!」


 ヒュッ……


 2人の姿が消えた?

 いいえ、あれはガールンと同じ高速移動ができるのか。


「リア、集中してください」


「う、うん。急がないと……」


 キィィィン


 エネルギーが溜まる音が聞こえる。

 熱線を放つつもりね?

 

「ヒートレイ!」


 シュバッ!


「熱線なんて無駄なわけ! アイシクルバリア!」


 キンッ!


 熱線をペレが口から放つ。

 ルーシィは素早く防御魔法を張り熱線を弾き返した。


「甘い! ヒートレイリフレクト!」


 ヴェスパが鏡のようなもので熱線をさらに弾き返したですって!?


 ドスッ!


「ルーシィ!」


 ルーシィの身体を熱線が貫通する。


「心配無用なわけ……」


 ドロッ……


「なっ!? 消えた!?」


「ペレ相手は遥か昔に滅亡したはずの闇属性生物だ。小生らの常識は通用しないだよ」


「リア……この状態では集中は難しいですね」


「あ、ごめん……でも……」


「仕方ありませんね。少し火傷を負うかも知れませんがこっちの身体でやれるだけやってみます。あとで治療魔法をかけてください」


 どうしても神族を前にすると気になって集中ができない。

 再び神族によって痛い目に遭わされたくないといった本能なのだろうか?

 今はレベッカが本体のため私とルーシィが盾にならないといけないはずなのに役に立てていない。

 今では私たちのほうが強いのだ。

 それが分かっているはずなのにどうして気になってしまうの?

 神族を滅ぼさなくてはいけないのに!

 

『くすくす、恐怖なんてそう簡単に乗り越えられないものよ?』

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