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俺、神様になります  作者: 昼神誠
小人に育てられた幼子
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この修理はどこかおかしい10

「ドレイク君だけじゃ危ないでしょ? 僕も行くよ」


 はわわわ、佐能さんが付いて来てくれるの?

 これなら何とかなる……かも?

 

「駄目だよ、姉ちゃんはあたいと一緒にいるの――!」


「あたしも反対よ! お姉ちゃん、命の危険だってあるんだからね!」


 俺は死んでもええんかい!

 そんな命の危険がある場所に五歳児を何度も送り込むんじゃねぇよ!

 

「だったらなおさら付いて行かないとね。ドレイク君が死んじゃうでしょ?」


 さすが佐能さん、その頭のおかしい妹たちを厳しくしかってやってください!

 でも、できることなら俺を行かせないようにしてくれるともっと助かるのだけれど。

 

「駄目だ! ドレイク、あたいが姉ちゃんを抑えているうちにさっさと行きやがれ!」


 何で……そうなる!?

 自分から進んで死地に赴くやつなんかいねぇよ!

 聞こえなかったふりをしよう。


「こら、せつ。それにゆきも、こんな子供が危ない目に遭うかもしれないのだったら、保護者役は必要でしょ?」


 保護者役を買って出てくれるなら、止めて欲しいなぁ。

 

「お姉ちゃん、もしかして……ほんとは自分がバッグベアと戦いたいだけなんでしょ!」


「そっ……そそそそんなこと……無いよ」


「嘘! お姉ちゃんが嘘を付くときって、いつも目線を逸らすもん!」


 自分が戦いたいだけ……だとっ!?

 だったら何だ?

 今までの優しさは上辺だけで本心は自分のため?


「……はい、そうです。嘘ついてごめんなさい」


 ひ、酷い!

 信じていたのに!

 

「初めからそう言ってくれたら良かったのに……はぁ、仕方がねぇ。あたいも行く!」


せつ、ダメだよ! 死ぬかもしれない所に妹を連れて行けない!」


 え、俺は?

 俺は死んでもどうでもいいと?

 姫様も酷い!


「誰がてめぇの妹だ! いいか、あたいは行く! 勇者軍の一人くらいは痛い目にあわせたいと思っていたしな!」


「それなら……あたしも行く!」


「駄目だ、この城はどうなる!? てめぇはここで防衛に徹していろ! そもそも杏樹に教わった武術も護身のためだろ! 自分から攻めていけない奴は邪魔者に過ぎねぇ!」


「そうだよ。ゆきはここで待ってて」


「でも、でも……やっとお姉ちゃんに会えたのに、またいなくなったら……ぐすっ」


 ゆきが涙を流している。

 そりゃそうか。

 5年も探していた姉?にやっと出会えたのに、また目の前からいなくなるかも知れないからな。

 でも、死ぬと決まったわけでは無いだろ?

 バッグベアが生きていたらいろいろとヤバい目にあいそうだけれど。

 俺としては佐能さんの時間を進めさせられて、欽治が戻ってきてくれるのも有りかなとは思っている。


「だから、あたいが行くんだ! 姉ちゃんの言う通り、ここで待っておけ」


「絶対に! 絶対にお姉ちゃんを連れて帰ってよね!」


「へっ、誰に言ってやがる。当たり前だ」


「ドレイクもお姉ちゃんをお願いね」


 ちょっと待って。

 年下にそれをお願いするか?

 一番心配すべきは俺じゃ無いのか?

 だって、俺……五歳児だぜ?

 欽治のときもそうだったが、俺の扱い酷すぎ無いか?

 もう、グレちゃっても良いですか?

 結局、一般兵のゴブリンやオークたちはローウェルグリン城の防備と侵入者の捜索にすべて回すことになり、俺とせつ・佐能さんでゴリス砦跡地に向かうことになった。


「見事に跡形も無くなっているね……これほどの威力って何があったんだろう?」


「おい、ドレイク。何か知ってるか?」


「これはクレーター? 巨大な砲弾でも落ちたってことは無いですか?」


 要塞内に備えられている超長距離砲のことをせつと佐能さんに話す。


「んなもんが要塞内にあるって聞いてねぇぞ? こうしちゃいられねぇ! すぐにでも破壊すっぞ!」


「でも、要塞はどこに?」


「確かにどこにも見えないね?」


 至近距離の発射実験をしたのなら、少なくても視界に入るところにリペアしたのだと思っていたが……まさか違うのか?

 この巨大なクレーターもまさか別の攻撃?

 ……別の攻撃ってどういうものだよ?

 いや、しかし……クレーターができていると言うことは上空から落ちたってことだよな。

 うん……上空?

 空を何気に見上げてみる。

 曇りだったため雲に隠れていた、それは姿を現した。


「上だぁぁぁ!」


「へっ?」


「何っ!?」


 ズガァァァン!

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