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俺、神様になります  作者: 昼神誠
小人に育てられた幼子
222/592

この修理はどこかおかしい3

『リュージ』


「どうした? 欽治はもう大丈夫なんだよな?」


『肯定。体内の寄生モンスターはすべて消滅しているようです』


「そうか。良かった」


『それとリュージと欽治、両名のレベルダウンを確認しました。注意してください』


 ステータス画面を開き、確認すると確かにステータスも全体的に下がっている。

 レベルダウンというか、一年前の状態に戻ったといったほうがいいみたいだな?

 だが、一つ利点も見つけた。

 名前の横にある俺の残機数が3分の3に戻っている。

 これがバッグベアの能力リペアなのか?

 俺と欽治は一年前の身体的状態に戻されたってことでいいのか?

 精神的には欽治も幼くなっている感じがしないし、ただパティのように赤ん坊まで戻されると抵抗なんてできそうにない。

 バッグベアか……こんなチート能力反則だろ?

 どうやって勝てば良いんだよ?

 

「貴様等、揃いも揃って我が娘パティに手を出しやがって……絶対に許さんぞ!」


「何のことかわからないけど、兄ちゃんはいつも優しいもん! いつも一緒にいてくれるんだよ!」


「いつも一緒……だとっ!? 貴様ら、できているくせに我が娘パティにまで毒牙を!?」


 ちっがぁぁぁう!

 このおっさんの頭の中はどうなっているんだよ!


「反省の意思は無しか。これはもっと痛い目にあってもらわなかればいけないな。その後、消してやろう」


 ギュン


 なっ!?

 欽治に向かって一瞬に間を詰め殴りかかる。


「うわわっ!」


 欽治が紙一重でバッグベアの正拳突きをかわす。


「一撃目を避けたからと言って油断してはいかんぞ」


 ドゴッ


「がはっ!」


 早い!

 二撃目の裏拳を欽治がまともに受けてしまう。

 あのおっさん、体術も使えるのか?

 だが、近接なら欽治だってやれるぞ。


「欽治、武器を作れ! その人、かなり強いぞ!」


「……うん、だけど!」


 欽治が両手に魔力を込めているように見えるが、全然集まっていない。

 もしかして造形魔法が使えないのか?

 

「何をしようとしているかはわからんが、貴様等は一年分退化したのだ。身体もまともに動かせまい」


「この、武器が無くたって!」


 欽治が素手でバッグベアに挑むが余裕でかわされる。

 欽治が手も足も出ないなんて強すぎる。

 俺も後方支援で参加するか。

 

「天空に佇む母なる者よ、汝が思うままに雷鳴を轟かせ! サンダーアロー!」


 バチッ

 ドスッ!


「ぐはっ!?」


 やった!

 雷の矢がバッグベアの右胸を貫く。

 これは、致命傷だろう?

 

「……くはは、その年齢でこれだけの威力。天賦の才の持ち主か? だが、パティはやらんぞ!」


 いらねぇって!


「でりゃぁぁ!」


 欽治がこの隙を逃すことも無く、バッグベアに仕掛ける。

 

「くはは、だが……無駄だ」


 ドゴッ!

 

「くぅぅ!」


 あの傷で怯むことも無く、欽治の攻撃を躱しカウンターを当てるだと!?

 

「ふむ……五分で良いか」


 ギュン


 なっ!?

 バッグベアの右胸に空いた風穴が綺麗さっぱりに消えている。

 それに服も元に戻っている。

 まさか、リペアって自分自身も修復できるのか!?


「貴様等ではどうあがこうが勝てんよ……俺にはな」


 なんてこった、自分の身体も修復できるなんて反則だろ!

 そういう便利能力は自分には通用しないとか言うのがお約束なんだよ!

 だが、これで爺さんが言ったことがわかった。

 確かに勇者の右腕に相応しいほどの強さだ。

 あれほど瞬時に修復されてしまうのなら、即死させるほどの一撃を加えるしか無い。

 だが、それほどの威力の魔法なんて俺は使えない。

 できるとすれば、欽治の剣術だよな。

 くそっ、こういう事態があるなら俺も造形魔法を学んでおけば良かった。

 俺が武器さえ作り出せれば欽治に渡すことができたのだが……。

 今も欽治は隙を見つけては造形魔法を発動させようと試みてはいるが無理みたいだ。

 当然だ、造形魔法を覚えたのはここ数週間だ。

 一年前の身体では魔力操作も上手くできない。


「武器出ろ! 武器出ろ! 深淵を住み処とする鋼鉄の粒子よ、汝が剣、我に与えよ……黒金の小太刀!」


「ほう、造形魔法か。貴様も天賦の才の持ち主だったか。だが、パティはやらんぞ!」


 だから、いらないですって!

 それより欽治、よくやった!

 以前の八重の太刀よりステータスが圧倒的に劣る鋼の刀だが、刀は刀だ。

 それでバッグベアの首を落とせば、リペアを発動させる暇など無いだろう。


「神倒の型、血刃剣! 苦重苦離刃魔!」


「むっ!? 何だ、この動きは」


 転生前の欽治が使っていた翔慟賦剣の一つか。

 やはり、欽治も記憶が戻っているのか?

 変なやつと思われるのが嫌で欽治とはまだ転生前の話をしていない。


「これならっ!」


 ガキンッ!

 カッ!


 欽治が緩急のある動きでバッグベアに接近し、連撃を加える。

 さすがサーファーの聖地、九十九里浜。

 波の流れのような緩急の付いた動きに、バッグベアも上手く欽治を捉えられないらしい。

 

「欽治、そいつもモンスターだ! 首を落としていいぞ!」


「モ、モンスターなのっ! やったぁぁぁ!」


 どう見ても人間だが、欽治のおつむが弱くて良かった。


「くはは、甘いな。二年で良いか……」


 どたっ


 なっ!

 欽治がさらに幼くなり、地面に倒れ込む。


「お、重い――。兄たん、刀が重くなっちゃったよ――」


『装備可能レベル以下です。当然でしょう』


 マズい!

 今の欽治は二歳くらいか?

 ステータスもさらに下がっているし、バッグベアのリペアは思った以上に厄介だぞ。

 

「さて、そこまで幼くなってはまともに戦えまい。それも天賦の才で乗り越えてみせるか?」


「ぐぐぐ! 武器、武器、武器……これなら……プラスチックセイバー!」


 カチャン


 おもちゃの刀キタ――!

 ……って、それで戦えるかぁ!

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