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俺、神様になります  作者: 昼神誠
小人に育てられた幼子
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この移住はどこかおかしい4

「何者だ……子ども?」


 ふぅ、いきなり斬りかかるとかは無かったみたいだ。

 門番のゴブリンの大人な対応に感謝しよう。

 

「よっ! 久しぶりやな!」

「げぇっ! お、お前は!」

「今日はな、お願いがあって来たんや。中に入れてぇな」

「あの剣士の女はいないのか? 子ども二人と小人族だけか?」

「せやで」

「……まぁ、良いだろう。来るもの拒まずは姫のお達しだ。客室へ案内する」


 来るもの拒まずって、なかなか気前の良い人なのかな?

 姫ってことは女の人か?

 美女なら子どもの姿を最大限に利用して……ぐへへ。

 べ、別にエロい展開なんか期待してないんだが万が一ってことも……じゅるり。

 城壁の中に入るとゴブリンやオークの兵士たちが忙しそうにしている。


「今は戦時下だ。余計な真似はするなよ」

「大丈夫や。ナデシコ姉ちゃんはおらへんし、この子らは大人しいで」

「う、うむ。それなら別に構わないのだが」


 戦時下?

 戦争中ってことだよな?

 いったい、どこと争っているのだろう?

 ……少し考えれば分かるか。

 あの悪党どもなんだろうな。

 そんなにデカい組織なのか?

 

「ヒャッハ―!」

「あ――、忙し忙し……ヒャッハー!」


 人間!?

 しかも、あいつらの仲間じゃ無いのか?


「安心しろ。奴らはすでに姫様の手中だ」


 手中?

 捕虜ってことかな?

 城内に入ると人間の数もそれなりに多い。

 しかも仲良くやっているみたいだし、どうやら姫様ってのは相当なやり手のようだ。

 

「ここが客室だ。姫様もすぐには対応できないだろうから、少し待たせると思うが」

「かまへんかまへん。中に入れてくれただけでも大助かりや。ほんま、ありがとうな。今度、ナデシコ姉ちゃんも連れて来るわ」

「や、やめろ! あいつは連れて来なくていい! マジで勘弁してくれ!」

「そうなんか?」

「それでは、私はこれで失礼する」


 ナデシコのやつ、いったい何をしたんだ?

 あの脅えようから何かされたのは分かるけれど……。

 

「ふぃ――! やっと窮屈な所から解放されたわ」

「「あはは!」」

「年寄りにこの移動は疲れるのぉ……」

「うわ――、綺麗」


 鞄の中に入っていたピグミーたちも一斉に出てきて、部屋を堪能する。

 ここは安全みたいだし、母さんたちを置いて少し城の中を見て回りたい気もする。

 しかし、それも姫様の許可が下りてからだよな。

 ここで魔法の練習はできないし……少し、寝るか。

 おっ、このベッド超ふかふかじゃん!

 

「兄ちゃん、見て見て――! ルディーアウトトリフィス――!」


 こらっ!

 ベッドをトランポリン代わりにするんじゃありません!

 まったく、落ち着いて眠れもしねぇ。

 何時間ほど経っただろうか?

 外も日が暮れてきた。

 みんな、部屋の中を暴れまわって疲れたみたいでぐっすり眠っている。

 待たせるかもしれないって、あの番兵も言っていたし待つしかないのが退屈で仕方が無い。

 まぁ、俺たちの事を忘れてはいないみたいで昼食は持ってきてくれたし、トイレに行くために室外に出ることは許可してくれた。


「兄ちゃん、おしっこ――」

「ん? はいはい」


 トイレは客間を出て廊下をまっすぐ行ったところだ。

 迷うなんてことは絶対に無いが俺も暇だし、たまに部屋の外で背を伸ばしたいしな。

 俺だって育ち盛りなんだ、本当はもっと外で遊ばせろって言いたいのだが……。

 

「おい、知っているか?」

「ああ。姫様の交代、今日なんだってな」

「また、あっちの姫様だよ。怖いなぁ」

「今の姫様、ずっと姫様でいてくれねぇかなぁ」


 姫様の交代?

 そういえば、門番もそんなこと言っていたな。

 トップが変わるなんて……何かあったのか?

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