このコンティニューはどこかおかしい14
さて、食料はこれくらいで良いか。
熊も欽治のワンパンで即逝ったし。
当分の間は肉には困らなそうだな。
腐らないように下処理は色々と必要だが。
さて、自由時間だ。
今日は何をしようかな?
「お兄ちゃん、遊ぼ――」
「よぉし! 鬼ごっこだ。10数えるから欽治逃げろよ!」
「ひゃぁ――」
うん、すっごい勢いで消えて行った。
あんなのに追いつけるわけも無いし放っておこう。
いつもこうやって欽治の遊び相手から逃れている。
それにしても欽治がぶつけて落とした鞄から荷物が散らばってしまった。
これは移住するための鞄か。
ピグミー用の鞄にしてはやけに大きい。
中に入っている物は俺の手でも小さすぎるものばかりで、俺たちにとっては使えないものばかりだ。
ゴソ
「何だ、これ? 手帳?」
俺の小指くらいの手帳が鞄の中に入っていた。
いや手帳じゃない……これは本か?
字が小さすぎて読むのも難解だが暇つぶしにはなるだろう。
少し借りておくか。
この小さい本に書かれている文字は、暗い部屋で見ると一気に視力が悪くなってしまいそうだし。
砂浜に行き日の光を浴びながら読書……うん、明るいし何とか読めそうだ。
どうやら、この本は魔法の参考書みたいだ。
しかも、ミミから教わっている幻術のような補助魔法とは違い、水や火など属性を含む攻撃魔法か……これだよ、これ!
こんな魔法を使ってみたかったんだ。
ちょうど砂浜にいるし、土属性の魔法で砂の操作なんて良い練習になるかもしれない。
字が小さすぎて、読むのにかなり苦労しながらも土属性編を何度も読み返し実践する。
何度か試しているが、なかなか上手くいかない。
参考書で何がいけないのか確認し、実践を繰り返す。
「大地を形作る土の精霊よ、汝が望むままに大地を穿て……」
ボコ
おっ、砂がちょっと盛り上がった。
しかし、MP残量がほとんど空になっている。
砂がまったく動かなくても、魔力を与えるだけでMPを使ってしまうため重複しての実践練習も十回程度が限界か。
ま、良いや。
他にすることも無いし、当分の間は自由時間も充実しそうだ。
そうだ、さっきの練習魔法は砂ボコって命名しよう。
攻撃魔法のほうが、練習のやる気が出るってのは俺もかなり戦闘狂かもな。
欽治の影響か?





