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俺、神様になります  作者: 昼神誠
少女と神
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この宇宙戦はどこかおかしい11

 これが最後の悪あがきだ。

 あと少し……ディーテが前に進んだら、廃墟ビルの屋上に仕掛けているセントリービームスナイプで自動狙撃し、体勢を崩す。

 そこをビームグレネードの自動掃射でさらに追撃。

 私はその間に、充電が完了したリニアキャンの元へ行き、手動で引き金を引く。

 これでどうにもできなければ、ユーナとニーニャを回収した後、逃げるしか無い。

 ……でも、逃げた場合は、このコロニーの先にある人が住んでいるコロニー群に大きな被害を与えることになる。

 だから、ここで終わらせなくちゃならないの。

 

「ユーナ、それとニーニャ聞こえる?」


 ザ……ザザ……


「うん、私は聞こえるわよ」

「ええ、私も聞こえています」

「ディーテに悟られないように聞いて。今から、ありったけのトラップを発動させるわ。爆風が凄まじいから、最悪の場合コロニーに穴が空くかもしれないから気を付けて」

「空気が外に流れて行くようなことは起きないんでしょ?」

「ええ、だけど宇宙に放り出されたら、簡単に探すことはできないからね」

「弱小従者が! どけぇぇぇ!」


 ガキンッ!

 ズガガガガ!


「くっ……わかりました」


 ニーニャがディーテの魔法を弾き、セントリービームガンがディーテを狙い撃ち続けている。

 

「それでディーテの体勢が崩れたときに、ユーナ……もう一度最大魔力での氷魔法を使って」

「でも、ディーテはすぐに再生してしまうわよ?」

「凍った瞬間に私がリニアキャノンを撃つわ。再生するよりも前に凍った状態の細胞を吹き飛ばせば……」

「それなら、いけそうですね?」

「わかったわ、今から詠唱に入る。ニーニャん、援護できないけれどいける?

「はい、次で最後にしましょう!」

「そうね……ユーナとニーニャは魔法を放ったら、すぐに巻き添えを喰らわないようにテレポートで脱出艇へ戻って」

「わかったわ!」


 よし……そろそろビームスナイプが反応する範囲にディーテが入るわね。

 あと、20メートル……15……10……5……。


 ピタッ


 ディーテが足を止める。

 どうしたのかしら?

 まさか、気付いている?

 いや、そんなはずは無い。

 ビームスナイプは2キロメートル先の廃墟ビルの屋上だ。

 

「これは……ガールンの神力じんりょくが消えた? まさか……あの男にやられたと言うのか!? それとも、あの近くにいた小娘か!?」


 ガールンの力が消えた?

 オジサマは傷を負わされたせいで離脱したし……ガールンをナデシコが殺したってことよね?

 まさか、宇宙空間で生身で戦って勝てるなんて……あの子も相当のバケモノね。

 でも、心強いわ。

 ナデシコ……聞こえているなら、すぐにプロメテウス4へ来て!

 ここでディーテも終わらなくちゃいけないの!


 ゴゴゴゴ……ゴゴゴ


 激しい地響きが起きる。

 これはディーテの仕業?

 

「お……おのれ! どいつもこいつも……人間如きが神に逆らいおって! もう、許さぬ! 遊びも神罰も終わりじゃ……この人間の巣ごと、ゴッドブレスで吹き飛ばしてくれる!」


 ブレスですって!?

 行かせるわけにはいかない……ビームスナイプの範囲内が、ちょうど良いポイントだったのだけれど……仕方無い。


「ビームグレネードの起動を10秒後にセット!」


 私は急いでリニアキャノンのある場所へ跳ばな……痛っ!

 ずっと無理をして身体を起こしていたからか、傷が開き包帯が血で滲む。


 ババババ!


 しまった……ビームグレネードがディーテのほうへ向かい飛んでいく。

 あんなものでは倒せないことはわかっている……急いでリニアキャノンのところへ行かないと。

 

 ヒュ……


 え……跳べない?

 どうして、急いでいるのよ!

 私の身体でしょ、お願いだから能力を使わせて!


 ヒュ……


「くぅ……」

「姉ちゃん、大丈夫か!? えらい血が出とるがな!」

「ミ……ミ……そこのカバンを……」

「ちょ、ちょっと待っときや!」


 私もキュアポッドの中に入っておくべきだったか……どうやら、痛みが引いていたのはユーナの回復魔法のおかげだったのね。

 でも、ユーナがディーテに放つ攻撃魔法の詠唱に集中しているから効果が弱まり、傷が開いた……そんなところかな?

 こんな調子では、ここからリニアキャノンを撃つこともできない。

 首から下の感覚が無いから、腕も動かせないためだ。

 モニターを見ると、ビームグレネードをディーテは避けようともせずに全弾が命中する。

 

 バリッ!

 バリバリ!

 ゴトン

 ゴトッゴトッ


 不発……どうして爆発しないの!?


 バリッバリバリ……


 あれは……ディーテの周囲にピカピカと光るもの見える。

 もしかして電気の粒が集まって、それに触れたグレネードが感電して起爆させるICチップが壊れたとか?

 

「ユーナ……ご……めん……」

「えっ……ダーリン、どうしたの!? まさか、傷が!?」

「ニーニャを……回収し……て……脱出艇へ……ごほっごほっ!」

「やっぱり、傷が開いたのね!? すぐに戻るから!」

 

 このまま、この廃棄コロニーと共に死ぬ気など無い。

 だけど……ここで何としてもディーテを止めないといけない。


「……ライトニング……」


 やば……何か見たこともない攻撃をするつもりだ。

 

「デトネィション!」


 ドゴォォン!

 バリバリバリ!


「きゃぁぁ!」

「ユー……」


 ザッ……ザザ――


 ディーテを中心に広範囲に電流が弾け飛ぶ。

 ユーナの首に付けていたホログラムを投影する装置が電流で壊れたのね。

 ユーナは無事なの?


「ユーナ……聞こ……える?」


 ザ――ザ――……


 ……ダメか。

 無線機もディーテの電流で壊れたのね。

 

「なぁ……姉ちゃん。このカバンでええんか?」


 ミミの身体より二周りほど大きいミニバッグを持ってきてくれた。


「ミミ……中にある薬を……私の口の中へ……」

「まかしとき! よっこらしょ!」


 ビリッ

 パキン


 薬の封を開けるのもピグミーにとっては大変よね。

 でも、今はミミに頼るしかない。

 ミミの身体の半分ほどの大きさの錠剤を持って、私の身体を登ってきてくれる。


「ふぅ……、あともうちょっとで顔の近くやで」

「薬……落とさないでね……」


 ユーナとニーニャはどうなったのかしら?

 あれから10分ほど経っている。

 いくら何でも戻ってくるのが遅いわね……心配だ。


「よっしゃ、口開けれるか?」

「ん、ありがとね……」


 ゴクッ


 水無しでも無理すれば飲めるものね。

 即効性のある鎮痛剤なのだけれど……まだ、早すぎるか。


「金髪の姉ちゃんや猫耳の姉ちゃんはどうなったんや? 助けに行かんでええんか?」

「行けるなら行きたいわよ……でも、能力が使えないと……」


 この廃棄コロニーに来るときも座標がずれたし、さっきは跳ぶことさえできなかった。

 まだ、能力を正常に使えるほどに傷が回復していないのは明確だ。

 でも、ユーナやニーニャが心配だし……無茶してでも助けに行くべき?

 ダメだ……もっと冷静にならないと。

 

 ズガァァァン!


 爆発音が響き渡る。

 どっちの攻撃だろう?

 でも、爆発音が聞こえるってことはユーナとニーニャは無事ってことよね?

 

 バリバリッ!

 ドゴォォォン!


 音が絶えることなく聞こえてくる。

 ニーニャは攻撃をできないし、ユーナの魔法は長詠唱のものじゃないと一時的に凍らせることさえできない。

 どちらにしてもジリ貧だ……覚悟を決めてリニアキャンのところへ向かうべきね。

 薬も少し効いてきたみたいだし、身体も少しなら動かせそう。

 今なら300メートルくらいの距離なら跳べるはず。


「ミミ……モナ先生の近くにいてあげて」

「ん……助けに行くんか? 姉ちゃん」

「ええ、助けに行くわ。大丈夫、すぐに戻ってくるから」

「わかったで、その……気ぃつけや」


 ヘルメットを被り、エアーの残量をチェックする。

 よし……今、助けに行くわ。

 何とか耐えててよ、ユーナ。

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